ワインボキャブラ天国【第86回】「タイム」英:thyme 仏:thym
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「タイム」
英:thyme
仏:thym (男性名詞:発音は「タン」)
今回ご紹介するワイン表現ボキャブラリーは『タイム』。
第85回で紹介した「ローズマリー」や、「セージ」等ともと同系統のシソ科の植物。肉・魚の香草焼きや煮込みにも良く使われるハーブです。
折角なので今回も『タイム』に関するちょっとしたマメ知識を調べましたので冒頭でご紹介しておきましょうか。
まずは『タイム』は古代エジプトではミイラを作る際の防腐剤に使用されていたとのこと。そして、ギリシャ人は神殿での儀式や入浴の際にお香として焚いたり、勇気をもたらす植物として戦地に赴く兵士に送られたりもしたのだそうです。なかなか物々しいエピソードの多いハーブですね…
以上、ワインとは関係のないマメ知識でした(最近このコラムの執筆で一番面白いのはここを調べている時です 笑)。
タイムの香りが見つかるのは、若くフレッシュな白ワイン、例えばソーヴィニヨン・ブランや南仏プロヴァンス、イタリア・スペインの土着系白ワイン品種など幅広く見つかります。ローズマリーやセージと同様のワインに見つかりますので、「様々なハーブの香りがします、例えばタイム、ローズマリー・・・」のようにハーブの香りで一旦まとめてから、具体例を出していく時に並列していくと良いかもしれません。
こういった細かい表現をすると「○○は何となく感じるのですが、○○は分かりません・・・」などの質問を戴くこともあるのですが、あくまでも香りの方向性を比喩表現ですので。ローズマリーはあるけどタイムとセージは無いじゃないか、とまで厳密に違いを突き詰める必要は無いかな、と思います。要は、若いフレッシュなワインに青々しく薫り高いハーブの印象がある、ということを表現するのが一番大事だということです。
タイムはパセリやローレルなどと一緒に合わせ「ブーケガルニ」として煮込み等に使われますので、このニュアンスのある香り高いワインにはやはりハーブを色々使用したお料理との相性が良いですね。薫り高い料理に、薫り高いワイン。味わいだけ無く香りでマリアージュを作っていく、というのもワインの愉しみ方の一つです。
是非、試してみてくださいね。
ちなみに僕はカリフォルニアなど暖かい地域のソーヴィニヨン・ブラン主体白ワインを、ハーブたっぷりの白身魚香草焼きに合わせるのが大好きです。
それでは今回はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
*今回も、やはりハーブ&スパイスについての詳しくはヱスビー食品さんのページが一番分かりやすく詳しく載っています。タイムを使ったレシピも色々、ペアリングのヒントにもなりそうです!
↓↓↓
https://www.sbfoods.co.jp/sbsoken/jiten/search/detail/00065.html
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