ワインボキャブラ天国【第105回】「ルモンタージュ/ポンピングオーバー」英:pomping over 仏:remontage

ワインボキャブラ天国【第105回】「ルモンタージュ/ポンピングオーバー」英:pomping over 仏:remontage

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「ルモンタージュ/ポンピングオーバー」
英:pomping over
仏:remontage (男性名詞 発音は「ルモンタージュ」)

収穫したブドウをタンク/樽などに入れて発酵させ果皮成分を抽出する際に、槽内の発酵の進度バランスを整えたり、酸素を供給したりするために行う作業として前回第104回では『ピジャージュ/櫂(かい)入れ』をご紹介しました。

『ピジャージュ』が「櫂=攪拌用の棒」を発酵槽のワインに入れ液面に浮かび上がってくる果皮などの固形成分=「果帽」を手動で押し入れる作業であるのに対し、今回取り上げた『ルモンタージュ/ポンピングオーバー』は、発酵タンクに据え付けられたポンプの力を利用、タンク下部から発酵中のワインを抜き出しタンク上部に流し入れて戻すことで液面の固形物を沈め攪拌する作業です。基本的に、実施している作業内容は同じということですね。

この2つの作業のどちらを採用するかは生産者の考え方によっても異なりますし、また同じ生産者でも仕込むワインによって作業内容を使い分けることもあります。
ポンプを使用してのルモンタージュは人の手による作業が不要であり、且つ発行中の二酸化炭素発生⇒酸素不足による事故などのリスクを回避することもできます。それでもポンプによるルモンタージュを嫌う生産者がいるのは、ポンプで抽出したワインは酸素が非常に多く含まれているため酵母の活動を過度に促進し、発酵のスピードが上がりすぎてしまうと考えるから。発酵のスピードを抑え、ゆっくりと丁寧に仕込んでいくには手作業による櫂入れの方がベター、ということです。
ちなみに、ワイン伝統国でかつて行われていた人の脚でブドウを踏みつぶしながら発酵させていく「ブドウ踏み」も、固形成分を沈めつつ酸素を供給するという意味では同じ作業ですよ。

それでは今回はこのくらいで・・・。次回も引き続き抽出工程の作業の一つを取り上げる予定。これで一旦技術用語の連続シリーズは終了しますので、もう1回分だけお付き合いください。

今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!

 

ワインボキャブラ天国【第103回】「抽出」英:extraction 仏:extraction

ワインボキャブラ天国【第104回】「ピジャージュ/櫂(かい)入れ」英:punch down 仏:pigeage

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
Translate »