気になるワイングッズ使ってみた!【第1回】シャンパーニュの香りを最高に引き出せるグラスを探せ!

気になるワイングッズ使ってみた!【第1回】シャンパーニュの香りを最高に引き出せるグラスを探せ!

『気になるワイングッズ使ってみた!』
第1回のテーマは「シャンパーニュの香りを最高に引き出せるグラスを探せ!」
先日の予告編でお知らせしていた内容です。

改めて今回の検証意図をご説明いたしますと・・・
僕がシャンパーニュを試飲しご紹介する際には「香り・味わいのイメージ」を一言で表現することが多いのですが、銘柄×グラスの形状によってなかなか香りが取れない、ということも多くあります。
これでは、折角のシャンパーニュの愉しみが半減、そのおいしさを100%堪能することができません。
誰でも香りを取りやすいグラスを見つけてご紹介することで、シャンパーニュの魅力を更に深く楽しんで戴けるのでは、と思いました。

今回は1脚3,000円台までの比較的手頃なものから、形状を変えて4タイプ程を購入。
それらを、あるシャンパーニュ生産者に戴いた小さめサイズのノベルティグラス(でも、結構良いグラスです)を
基準に比較してみました。
(*予告編でも書きましたが、グッズメーカーさんとのコミュニケーション・広告意図は一切ありません。
あくまでも僕が個人的に勝手に実施している「使ってみた実験」です。)

それではまず、今回のコラム企画に選んだシャンパーニュからご紹介。
今回の検証対象には大型のグラスもありますので、香りに力と広がりが十分にあるシャンパーニュを、ということでやはり『シャルトーニュ・タイエ』を選びました。
このシャンパーニュを5つのグラスに注ぎ、香りの立ち方・口に入れた時の味わいを検証していきます!

『シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・サンタンヌ・ブリュットN.V.』

次に、今回検証をしたシャンパーニュグラスをご紹介していきましょう。
候補のグラスを探すのにあたっては、Amazonで「シャンパングラス」をキーワードに検索、価格上限を3,999円とし、香りをしっかりと楽しめそうな形状、という基準で選定していきました。
類似したサイズ・形状のグラスも多いので、同系統の中で比較し価格が安く人気の高いアイテムを採用しています。

【比較試飲した5つのシャンパーニュグラス(画像左⇒右順)】

グラス①:あるシャンパーニュ生産者に戴いたノベルティグラス 口径55mm (容量・価格不明)
⇒いわゆる小型のチューリップグラス、一番ごく普通のタイプなので比較の基準用に用意しました。
容量もちょうど良く持ちやすいので立食パーティなどにも向いています。
僕は仲間内のバーベキューやピクニックにも持って行ったりしています。

グラス②:イタレッセ シャンパングラス グランバルーン/
口径88mm 高さ231mm 容量380cc スロバキア製 クリスタリンガラス(1,760円)
⇒バルーン型のフォルムが個性的なグラス。
アロマをダイレクトに楽しめる、がテーマとのことでこれは是非とも試してみねば…と思いました。

グラス③:東洋佐々木ガラス シャンパングラス「デザイアー」/
口径45mm 高さ250mm 容量240mlタイ製 クリスタルガラス (税込2,025円)
⇒窄まった口が再度外側に開く形状(ちょっと古いスタイルですかね)のものも検証してみたかったので選びました。
グラスの性能とは無関係ですが、とにかく洗いにくく拭きにくい・・・・のが難点。

グラス④:木村硝子店 ピーボ オーソドックスワイングラス/  
口径54mm 高さ262mm 容量440ccスロバキア製 カリクリスタル (税込3,980円)
⇒スティルワイン用のグラスの中で小ぶりでシャンパーニュにも向きそうな形状のものを選びました。
*こちらかなり脚が長く背高のグラスなので、洗う時には注意が必要です。

グラス⑤:木村硝子店ツル19oz ワイングラス /
口径60mm 高さ266mm 容量570ml スロバキア製(税込1,430円)
⇒今回の中では最も大型でチューリップ形状に近いタイプ。香りを大きく広げられるか??
ビールグラスにもできそうなくらいの大型サイズ、結構重いです。
*各グラスの表示価格は2020年11月下旬の購入時点のものです。

さて、それでは5つのグラスに順にシャンパーニュを注ぎ、テイスティング検証スタートです。
時間経過によってシャンパーニュそのものに香味の変化が現れないよう、今回は短期決戦型で一気に香り・味わいを取っていきました。

そして・・・もうここは最初に書いてしまいましょう。
僕が選んだ「シャンパーニュをおいしく楽しむために絶対買った方が良いグラス」は、断トツでこちら!
「②イタレッセ シャンパングラス グランバルーン(税込み1,760円)」です!

このグラスはとにかく香りが本当にふくよかにふんわりと出ます。
バルーン型で回しやすく香りを立てやすい・広げやすいのもポイントで、注いですぐのフレッシュな林檎のイメージから、あっというまに甘―い香りに変化させられました。
味わいも全体的に密度が濃く感じられるタイプで、グラスに注いでから少し時間が経ってから飲んでも果実の甘さが柔らかで本当においしく楽しめました。

「イタレッセ」さんはイタリア北部トリエステ生まれのグラスメーカーで、ケータリング業界出身のオーナーがその経験を生かし1979年に創業したとのこと。
料理人が料理の香りや味わいを最大限に演出できる食器を選び取る感覚で、形状をデザインしたのかもしれません。

これだけリッチな香りと味わいを楽しめるシャンパーニュグラスが1脚1,760円とは・・・
もし割ってしまってもそこまで深く後悔しなくて良い安心な価格、ありがたいですね。
ちなみにこのグラス、日本酒やブランデーなども非常にヴォリューミーに楽しめました。
今やすっかり僕の家飲み定番グラスになっております。

その他のグラスですが、まず③はちょっとシャンパーニュには向かないかも、と思いました。
非常に長細いため液面と鼻の距離がどうしても遠くなるので、正直香りを楽しむのに全く向いていません。
味わい的には炭酸が強く感じられ、全体がタイトに引き締まる感じがありました。
カジュアルなスパークリングワインをのど越しでスカッと楽しむのならOKです。

④のワイングラスは素晴らしく良い香りが楽しめ、且つ味わいも「蜜っぽさ」が強く感じられました。
シャンパーニュがまるで濃密な白ワインのように感じられて非常においしいのですが・・・
惜しむらくは「炭酸が優しくなり過ぎる」こと。
爽快感と飲みごたえ・果実の熟度を両方楽しみたいと思っていたら、チョイ物足りないはず。

⑤はワイン全体のスケール感が非常に大きく感じられました。
香りが非常にゴージャスに、大きく膨らんで展開します。
若干味わいの色々な要素が分散して締まりのない感じになるのが難点ですが、「香り」に焦点を置くなら非常に良いグラス。
若くフレッシュなブラン・ド・ブランなどで「酸がちょっと強いな」と思った時にこのグラスに移し替える、というのは一つの手段かと思いますよ。

そして基準の①ですが、小型のグラスはやはり香りが近く取りやすいですね。
ただ、やはりグラス容積が小さいため味わいの広がりでは大きいグラスに負けてしまう。
僕は以前から何度かコラムで
「長細いフルート型シャンパングラスはお洒落だけど、香りやおいしさは楽しめない」
と書いてきましたが、やはり上質なシャンパーニュは大きめのグラスに注ぎ、ポテンシャルとして持っている香り・味わいのパワーを存分に解放してあげるのが大事かと思います。
・・・あと、僕は小さいグラスや細長のグラスで炭酸ガスが一気に鼻に入り「うっ」となるのが苦手です 笑

同じ1本のシャンパーニュでも、5つのグラスで全く異なる香り・味わい・表情が楽しめました。
やはりワインとグラスの関係は深いですね。
これから引き続き、ワインの様々なタイプごとに一番向いているグラスを探していきたいと思いました。

ということで今回はこのへんで!
シリーズ第2回はどんなワイングッズを検証しましょうか・・・
皆さまからの「検証リクエスト」もお待ちしております!!

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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