あ、せかんどおぴにおん 第4回「ヴィッラ・ダヴィーニ モンテクッコ・ロッソ」
目次
『あ、せかんどおぴにおん』第4回
「ヴィッラ・ダヴィーニ モンテクッコ・ロッソ」
このコラムについて
あなたが五感で捉える感覚と他人が感じる感覚は同じとは限りません。もしかすると、同じ言葉で表現される感覚でも人によって感じている実際の感覚は異なるのかもしれません。逆にたとえ同じ感覚を得ていたとしても、人によって別の言葉で表現することはよくあることです。
疑心暗鬼になりながらも、”自分はどう感じるか”、ワインをテイスティングする際の実際の感覚に最も適した言葉を必死に探す。相手にわかってもらえるようにワインの状態や魅力を伝えることが目的だとしても、どうしてもその人の個性が出てしまう。それもまた、ワインテイスティングの醍醐味であると思います。
このコラムは現在夜メルマガと『ワインと美術』のコラムを担当させていただいている、Firadis WINE CLUBの新人、篠原が当店のワインを飲み尽くしていくコラムです。
しかしただテイスティングをしていくだけでは面白くありません。そこで、すでにページに掲載されている店長による商品説明やテイスティングコメントを引用しながら、自分ならどう思うか。もう一つの意見を記していきます。当然店長に同意する場合も多いでしょうし、異議を申し立てることもあるでしょう。(あまりにも異議を申し立てるとFiradis WINE CLUBの信頼が揺らぎそうですが。。)また同じことを感じていたとしても、稚拙ながら別の表現で述べる場合もあります。そして時には商品ページの内容について、店長に質問することもあるかもしれません。
このコラムを読んでいただく物好きな方には、ぜひ同じワインを手元に置きながら、”自分はどう感じるか”を一緒に探ってほしいと思います。タイトルに「あ、」と不定冠詞「a」を付けたのはあくまで一つの意見にすぎないということです。皆様の意見についてはもしよろしければ、商品詳細ページのレビューにぜひご投稿ください。
それでは早速商品ページを見ていきましょう!
4回目にとりあげるのは、当店の人気まかない飯的イタリアワイン、ヴィッラ・ダヴィーニ モンテクッコ・ロッソです。
◆9年長期熟成の本格トスカーナ赤がこの価格で楽しめます!!!◆
と、その前にぜひこちらのテイスティング動画をぜひご覧ください。
店長が若いです笑。現在2012年ヴィンテージを販売していますが、販売当初は2006ヴィンテージ。しかも当時は120本限定という、希少な商品だったんですね。聞くところによるとリリースから1か月を待たずに完売してしまったそうです。そのような限定商品だったものが、今では安定して在庫を仕入れられるようになっているのというのは非常に有難いものです。
2012年ヴィンテージでもすでに9年熟成。このリリースの遅さがこのワインのポイントの一つであり、この生産者らしさでもあるのですが、順にみていきましょう。
産地について
伝統国の新興産地は、トップ産地よりも厳しい品質基準で勝負する!イタリア・トスカーナ州で今注目を集める新たなエリア「モンテクッコ」、今まさに飲み頃熟成絶頂の2012年ヴィンテージです!!
産地はトスカーナ州の新興産地。あのブルネッロやキャンティなどの銘酒で有名な伝統産地トスカーナ、その新しい産地です。あとで触れますがこの生産者はブルネッロのトップ生産者でもあります。その中でも新たなエリアを開拓し、新たなワインの可能性を探っているということです。
欧州伝統国でも毎年新しいワイン産地が生まれていますが、既に名を馳せているトップ産地を脅かす存在になるものはほぼ皆無。特にイタリアは産地呼称制度が緩やかなため、例えば20年前には20個以下だったDOCG(統制保証原産地呼称)がいまや70個以上、でも結局トップの座はバローロやブルネッロのままで変動はありません。そんな中、ある新興産地が今めきめきと存在感を増しています。
その地の名は『モンテクッコ』、トスカーナ州ブルネッロの南西に位置する小さなエリア。この地の生産者たちは、先行するトップ産地に品質で追いつき追い越すため、1haあたりのブドウ収穫量制限をバローロやブルネッロの8トンよりも大幅に引き下げた「7トン」に設定。1房、1粒の凝縮度を上げることで、伝統産地に対して大胆な挑戦状をぶつけました。
場所はブルネッロを生み出すモンタルチーノの南西部、下記地図のエリアです。
2011年にはサンジョヴェーゼを90%以上使用したワインがD.O.C.よりもさらに制約の厳しい、イタリアのワイン法の中で最上級の格付けであるD.O.C.G.(統制保証原産地呼称ワイン) に昇格するなど近年評価が一気に高まっている産地です。モンタルチーノよりも海岸寄りで、標高も最も高いところがモンタルチーノが600mに対しこちらは200mとより低くなっています。なので同じサンジョヴェーゼのワインでもより酸が穏やかで果実味が豊かになりやすいそうです。ちなみにこのワインの畑は南向きで豊富な日照を得られます。
生産者について
そんな産地でCLUB30が出会った優良生産者が『ヴィッラ・ダヴィーニ』。果実の圧倒的な凝縮度+たくさんの香辛料が複雑に入り混じった香りで、飲み手をめくるめく深い森に誘い込みます。前ヴィンテージは2回の入荷時とも1ヶ月も経たずに売り切れてしまった大評判の1本。熟成ワインの官能的な魔力を2000円台で・・・是非とも、体験してみてください!
実はこの生産者『ヴィッラ・ダヴィーニ』、商品ページの説明文ではこのように書いてあってわかりにくいのですが、、まず商品ページの最上部、キャッチコピーの最初にこのように書かれています。
【ブルネッロ有名生産者が「まかない飯」的に造るワイン】
そして「生産者」の欄にはこのように書かれているのです。
レッチャイア ヴィッラ・ダヴィーニ / VILLA DAVINI
そうですこの生産者はあの当店トスカーナの人気生産者、レッチャイアなのです。
どの生産者でもそうですが、フィラディスは扱う生産者のすべてのワインを取扱っているわけではありません。膨大なワインの中から、フィラディスの基準を満たし皆様に自信を持ってお届けできるワインを選定しています。このレッチャイアも膨大なワインを製造していて、別名義で出しているワインもあるのです。このワインはその中でも自信を持っておすすめできるということで、当店限定で販売しています。
レッチャイアといえば、ブルネッロの一流生産者。ブルネッロ生みの親ビオンディ・サンティのすぐ側という好立地に畑を持つというだけではなく、伝統的な大樽(なんと11300L)を使った醸造による旨味たっぷりの病みつきになる味わい。しかもどのワインもリリースを遅らせることで熟成感をたっぷり楽しめ、それにもかかわらず手ごろな価格という「お値打ちな極上ワイン」を生み出す生産者です。ブルネッロは言わずもがな、同品種のロッソ・ディ・モンタルチーノ、国際品種を用いたロッソ・ディ・トスカーナ、カベルネ・ソーヴィニョンやメルローも当店の人気ワインです。
そんな人気生産者が新たな産地を模索して造っているワインが、この「モンテクッコ・ロッソ」なのです。レッチャイアのワインだからこそ税込2,200円という手ごろな価格で上質な味わいを楽しめるというわけです。ますます飲みたくなってきました。。
いよいよテイスティング
≪店長のテイスティングコメント≫
果実の圧倒的な凝縮度+たくさんの香辛料が複雑に入り混じった香りで、飲み手をめくるめく深い森に誘い込みます。前ヴィンテージは2回の入荷時とも1ヶ月も経たずに売り切れてしまった大評判の1本。熟成ワインの官能的な魔力を2000円台で・・・是非とも、体験してみてください!
【おすすめの飲み方をご紹介】
抜栓:ゆっくりと開いていくワインですので、少なくとも食事の3時間以上前には開けておきましょう!
設定温度:抜栓したワインを飲む30分前から冷蔵庫に。熟成による旨味がきれいに感じられます。
ワイングラス:ボルドー型のやや大きめのものがおススメです。複雑な要素が一体感を持って感じられます。
(ワインレヴュー担当:Firadis WINE CLUB店長 )
この商品は他の商品に比べてテイスティングコメントが少ないような気もしますね。
しかしそれでもおすすめの飲み方はしっかりと書いてある、ということで、それに従ってとにかく早めに抜栓を済ましておきました。
さていよいよテイスティング。
先に言っておきますが、このワイン、私の大好きなワインです。売るためにポジティブに書いていると思われても仕方がないというほど、絶賛のコメントとなっていますのであしからず。ぜひ皆さんの意見を聞きたいです。
まず香りから。香りが上ってくるというのはこのことか、というような、赤系のベリー、ラズベリーやカシスのような香りが一気に上ってきてそれと共に店長のコメントにもあるように、香辛料の芳香が鼻をくすぐります。胡椒、シナモン、ナツメグなど複雑なスパイス。ハーブ系の爽やかな香りも混じっています。またどこかチョコのような甘い香りも感じます。複雑な香りが気持ちを落ち着かせるとともに味わいに対する期待感を否が応にも高めました。
そして味わい。口に入った時の果実の厚み、というか重さをたっぷりと感じます。果実の凝縮感、タンニンもしっかりと量があり支えつつ、口の中でまだまだ広がる果実の旨味。ページのグラフでは「渋み」が強いとなっていますが、渋みというのは果実の凝縮感が高くてあまり感じません。それよりも深み、という印象でしょうか。そして香りで感じたスパイスが舌を痺れさせるような感覚もあります。
そして極めつけ。私が特に良いと思ったのはのど越しでした。のどを通り過ぎるときにまた旨味を改めて感じます。
もちろん単体でも楽しめますし、ページにもある通りステーキと合わせたら最高なワインだと思います。
以上、嘘くさい絶賛のコメントとなってしまい申し訳ございません。
ぜひ皆さんには期待と共に疑いを持って、だまされたと思ってこのイタリアワインを楽しんでいただきたいです。
たくさんの異論反論をレビューにてお待ちしております。
Firadis WINE CLUBの新人、篠原がお送りいたしました。
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