ワインペアリング奮闘記 第128回 鶏大根とピノ・ノワール / ドメーヌ・ルシアン・ミュザール サントネ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第128回
煮物&ブルゴーニュ赤シリーズ。そうだ、鶏大根とペアリングしよう
あけましておめでとうございます。今年最初のペアリング課題は『ドメーヌ・ルシアン・ミュザール サントネ・ヴィエイユ・ヴィーニュ』です。品種はピノ・ノワール100%です。ブルゴーニュ地方サントネ村は、黄金の丘「コート・ドール」の最南端にあたります。
テイスティング
ブルーベリーやチェリーの熟した豊かな香り。華やかさのある、薔薇のようなフローラルな香りも感じます。
その奥に、ほっこりとした土のような香りもありますね。色調も香りも健全で好印象です。
口に含むと、たっぷりとしたジューシーな果実味が印象的です。
ブルゴーニュ赤らしいベリー感のあるミドルボディですが、比較的果実の存在感は強いなという印象ですね。
タンニンは細かく、シルキーな感触です。若いワインらしく、つんつんっと舌を突くような刺激も感じました。
ミドル以降も味わいの持続がよく、エキス分の濃さを感じますね。
果実味が引いていくにしたがい、じわじわと広がるような旨味も感じられました。
喉越しが太さがあり、アルコールのボリューム感はしっかり目。
アフターにはほのかな苦味が残り、余韻はやや長いです。
全体的に、ジューシーさと華やかなアロマが印象に残るブルゴーニュ赤ワインです。
果実味主体で癖があまりなく、飲み応えがあり、素直においしいと思えるワイン。
評論家に受けるワインよりも、皆に美味しいと言って飲んでもらいたい!
勝手な解釈ですが、個人的にはそんな生産者の思いを感じたような気がしました。
合わせる料理『鶏大根』
前回の筑前煮がピノ・ノワールにとてもよくあっていたので、引き続き和食の煮物シリーズです。
鶏の煮物がピノに合うのは当然として、問題は大根の苦味でしょうね。
赤ワインとうまくバランスするのか、打ち勝ってしまうのか。
その辺りに着目して、ペアリング実験をしてみましょう!
レシピ
ニンニク、生姜のスライス、サッと熱湯をかけた鶏手羽元、一口大に切った大根を水から火にかけます。
煮たったら灰汁を取り除いて、酒、みりん、醤油を加え、落とし蓋をして煮ていきます。
煮汁が減って具材に照りがついたら出来上がり。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆ イケるよ!
【評価ポイント】
○タレの染み込んだ手羽元と、赤ワインの合うことよ・・・至福ですね
○問題の大根について、多少後味に苦味が残るが気になるほどではなく無問題
△とはいえ、前回の筑前煮のゴボウのような名脇役がないのは寂しいな
△赤ワインのフレッシュ感が少し浮く?
最後のポイントについて、このワインは2019年とまだまだフレッシュ感があり、煮物の素朴な感じとは少しギャップがある気がします。
まぁ5年くらいは熟成した赤ワインの方が、本来は煮物と合うかもしれません。
そんな赤ワインがやってきたら、また煮物を試してみたいと思います。
今回は前回の筑前煮と比べてしまい少しハードルが上がってしまいましたが、美味しいねと十分に楽しめるレベルですので、おすすめできますよ!
それでは、次回もお楽しみに!(西岡)
今回のペアリングワイン
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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