ワインペアリング奮闘記 第142回 魅惑!たれに漬け込んだ肉とフルボディ赤ワイン / マイケル・デイヴィッド プティット・プティ
ワインペアリング奮闘記 の記事一覧目次
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第142回
魅惑!たれに漬け込んだ肉とフルボディ赤ワイン
今回のペアリング課題は『マイケル・デイヴィッド プティット・プティ』です。
象のラベルが印象的なカリフォルニア・ローダイ産のワイン。メインで使用されている品種はプティ・シラーで、カリフォルニアではジンファンデルなどと共に広く栽培されている赤ワイン品種です。
テイスティング
グラスに注ぐと、グラスの底が透けないくらい、濃く紫がかったダークチェリーレッド。
スワリングすると、レッグも太長でややグリース感があるようです。
香りはカシスやブラックベリーのジャム。ローズマリーの花、オリーブ、タールやスモーク。
口に含むとなめらかな口当たり、こっくりと濃厚な甘味、凝縮された果実のエキスを感じます。
つづいて酸の引き締めも程よく、爽やかに感じられました。バランスは取れています。
タンニンは、収斂性はそれほどありませんが厚みを感じます。
ミドル以降もこの濃厚な果実味がまったりと広がっていくのを感じます。
飲み込むとアルコールの温かみをはっきりと感じました。
アフターにはシガーのフレーヴァとダンディなほの苦さが残ります。
全体として若々しいパワーとヴォリューム感に溢れたフルボディの赤ワインです。
果実味たっぷりで親しみ易い印象ですので、そこまで飲み慣れていない人も美味しく感じてもらえそうですね。
合わせる料理『壺焼きカルビ』
第一印象から、バーベキューに合いそうなワインです!
ワインの厚みのあるテクスチャや濃厚な果実味は、ソースやタレをつけた肉がバッチリ合いそうです。
樽感があるので、香ばしく焼きを入れるのがポイントです。
という訳で今回は、タレにしっかりつけ込んでから焼く壺焼きカルビをセレクトしました。
レシピ
味をしっかり馴染ませるため、また筋きりを兼ねて、まずはカルビ肉に切れ込みを入れます。
そして私が勝手に親近感を感じている、フィラディスと同じく横浜みなとみらいに拠点を持つ会社、エバラ食品さんのエバラ焼肉のたれ 中辛を揉み込んで、冷蔵庫で2時間ほど漬け込みます。
これをグリルパンで焼きつけます。
付け合わせのレタス、トマトとお皿に盛り付けて完成!
市販のたれのおかげで簡単ですね。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○甘味のあるたれと、ワインの果実の甘やかさがリッチさや満足度を高める。
○たれが染みたカルビの旨味が舌に残り、そこにワインが触れることでぐっと旨味が増幅する。
△樽感との相乗が思ったよりも欠けた。もう少しこんがりと焼けていれば。
今回は、選んだ料理自体はとても良かったですが、家庭でカリっと肉を焼くのが難しかったです。煙を避けるために後半グリルパンに蓋をしたので、蒸し焼きっぽくなってしまいました。
できれば炭火で、エッジが少し焦げるくらいに仕上げて、その香ばしさがワインのロースト感と相乗すれば、また別次元の美味しさがあったのだろうと思います。
でも、家庭には家庭ならではの味があり、ワインペアリングがあります。私も家族も、ディナーを存分に楽しみました。
皆様も、皆様のペアリングを是非お楽しみください。
それでは、次回もお楽しみに。
(西岡)
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
-
前の記事
ワインペアリング奮闘記 第141回 2,000円台カベルネ主体ボルドーとステーキのペアリングを考察 / シャトー・プティ・フレイロン ボルドー 2022.04.09
-
次の記事
ワインペアリング奮闘記 第143回 本格シャブリに圧倒されたことはありますか? / ジュリアン・ブロカール シャブリ・ボワッソヌーズ 2022.04.23
コメントを書く