ワインペアリング奮闘記 第84回 エレダート・デ・アルミズラ カベルネ・ソーヴィニヨン×巣篭もりバーベキュー
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グラスに注ぐと、色調はパープルがかった濃い目のルビー。若さを感じる色合いです。
香りは外交的で、熟したカシス、ブルーベリー、ブラックチェリー。ヴァニラ、クローヴ、ブラック・ペッパー。やや甘やかで樽のニュアンスを感じます。
口に含むと、アタックから滑らかで、果実の凝縮感を十分に感じました。酸味はフレッシュな輪郭を持っていますが、量はそこまで多くないですね。どちらかというと熟した果実の甘味を強めに感じます。タンニンはややグリップ感があり、少し尖った印象です。骨格のしっかりとした味わいで、黒い果実とヴァニラのフレーヴァーが続いていき、後半はタバコのようなほの苦さがふっと残りつつ消えていくイメージです。
全体として、まず果実味がしっかりです。エキスの凝縮したブドウを感じます。そして樽からくるヴァニラ香やタンニンが、しっかり溶け込むまで熟成されているのが好印象ですね。
・・・あれ?これって1,500円くらいのワインですよね?
うーむ。正直、舐めてました。安めのフルボディにありがちな、樽の香りがが浮いてしまった感じや、ツンツンした不自然な刺激が無い。凝縮した黒系果実がしっかりと感じられ、滑らか、しなやかなカベルネ・ソーヴィニヨンです!
合わせる料理:
凝縮した果実、樽のロースト感、グリップのあるタンニンに、スパイス・・・これはもう、豪快に焼いた肉を食べろというサインです!
この誘惑に逆らって変化球を投げることなんてできません。要求通りのストレートでいきましょう。
真冬だけど、巣篭もり中だけど、インドアで『バーベキュー』しちゃいましょう。
レシピ:
バーベキューは焼肉と違い、肉を焼きながら食べるのではなく、焼いた食材をお皿に持ってから食べるもの。だから美味しく、それっぽく焼くことさえできれば、キッチン調理で構わないじゃないかーと勝手に思っています。幸いうちにはグリルパンという強い味方が!ジュジュッと焼いて行きましょう。
具材、及び焼く順番は次の通りです。
玉ねぎ、パプリカ、ピーマン、エリンギ、キャベツ、チョリソー、そして塩胡椒で軽くした味をつけた牛ロースと、牛タンです。
ペアリングレポート:
バーベキューの香ばしい香りが漂う中、まずは赤ワインを・・・。
あーっ、この感じ・・・もう絶対合いますねコレは。食べる前からわかります。
赤ワインの余韻がしっかりと持続しているうちに、焼き立ての肉、いきましょう。
お肉に下味はつけていますがペアリング的にはここは濃厚なタレをプラスして。
今回はお手軽に、フルーツたっぷりの、エバラ「黄金のタレ」をつけて。
うおっ!旨!!
自然にグラスに手が伸び、さらに赤ワインをぐびぐびと飲み進めます。
はぁー、幸せ・・・。
エレダート・デ・アルミズラの凝縮した果実が、タレの甘味や牛肉の甘い脂を引き立てて旨さ倍増です!
脂の乗ったお肉を、しなやかなタンニンで流す感覚や、後に漂うシガーの余韻も、なんとも心地良く、官能的です・・・;
こんがり焼いた野菜やキノコも、タレをちょんとつければバッチリこのワインに合うし、ぴりっとした絡みの中にジューシーな甘味のあるチョリソーが、嬉しいことにまた合う!
まったく、こんな喜びを与えてくれるから、ワインはやめられないんですよね・・・。
というわけで今回のペアリングは、素晴らしいマリアージュを堪能できました!
如何でしたか?
今回は正直、リーズナブル系の赤ワインだからそこまでペアリングにこだわる必要がないと思っていたのですが、テイスティングしてみたところ、めきめきと食欲が湧いてきて料理にも思ったより力が入ってしまいました。エレダート・デ・アルミズラのもつパワーにひっぱられました。
スペインからやってきたお手頃で満足感バッチリの赤ワイン、おすすめです!
それでは、次回もお楽しみに!
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