ワインボキャブラ天国【第67回】「ブルーベリー」 英:Blueberry 仏:myrtille

ワインボキャブラ天国【第67回】「ブルーベリー」 英:Blueberry  仏:myrtille

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「ブルーベリー」
英:Blueberry
仏:myrtille  (女性名詞:発音は「ミルティユ」)

青々とした色合いが瑞々しいブルーベリー。
ジャムやソース、煮詰めてスイーツに使うなど、そのギュと詰まった濃密・濃厚な甘味を楽しめるフルーツですよね。
ブルーベリーの香りイメージは他の「黒系果実」、例えばカシスなどに比べても分かりやすいので、ワインテイスティングに慣れていない人でも簡単に感じ取ることができます。

このニュアンスが感じられるワインは、非常に分かりやすく果物のイメージとぴったり一緒。
ブドウ品種で言えばカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなど、果皮が厚く色素を多く含むブドウ品種で造られたワイン、特に収穫年から年を経ていない若い段階で見つかります。
ワインの外観を見た時に、青~紫色っぽい色調が見られたらそのワインには必ずと言って良いほどブルーベリー的なニュアンスが存在しているはずです。
収穫年から2-3年までの赤ワインで、ボルドー型の瓶(肩のある形状のボトル)に入っていたらまずこの表現を出しておいて間違いはないのでは、と思います。

次にその表現をちょっとだけ発展させてみます。
以前もご紹介しましたが、ベリー系のフルーツを表現に使う際に果実の熟度の度合いや火が通っているのかどうか、など状態・甘みの度合いのコメントを付け足すことで具体性がより高くなります。

例えば僕は大体、こんな風に順序を付けています。

まだ瑞々しく摘みたて、甘酸っぱく酸味のあるベリー系果実

完全に熟していて、生の状態では今が甘みのピークにあるベリー系果実

砂糖やシロップに漬け込んであり、甘味が加わったベリー系果実
又は
ソースのように煮詰めて甘みの密度が増しているベリー系果実(火の通ったニュアンス、がポイント)

砂糖を加えて煮詰め、濃密で強い甘さを持つジャムのような状態

日照に恵まれた暑い産地のワインには、ヴィンテージの若い段階でもフルーツに火を通したニュアンスがあります。
つまり「ベリー系果実」という一つの表現にもこういった「幅」があるということが分かっていれば、仮にワインの銘柄が分からないグラスワインを飲む時にも
「若いのに煮詰めたようなニュアンスがあるから、きっと暑い産地で出来たワインなんだろうな」
などの予想が出来て、推理できる楽しみも生まれてきます。
ひとつの果実の表現に奥行きを加え、ワインを表現する言葉をもっと豊かにしていきましょう!

ということで今回はこの辺で。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!

【ブルーベリーの印象がすぐに見つかるワインは例えば…】

『ドメーヌ・ド・ラ・バスティード コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴィザン “レカルラート”』

 

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