ワインペアリング奮闘記 第12回「シャトー・カップ・ドール サン・ジョルジュ・サン・テミリオン」
- 2019.10.16
- ワインペアリング奮闘記
- サン・テミリオン, シャトー・カップ・ドール, フランス, ペアリング, ボルドー, マリアージュ, レシピ, 赤ワイン, 魚介料理
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』 第12回
鉄のニュアンスで合わせる、ボルドー赤×炙りカツオ!
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■家庭の料理なので、冷蔵庫にたまたま余っていた物なども積極的に使います。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品が使えません。
さて今回のお題は『シャトー・カップ・ドール2015年』です。
ボルドー右岸、サン・テミリオンの北方に位置するサン・ジョルジュ・サン・テミリオンからやってきた、メルロ主体の赤ワインです。
グラスに注ぐと、色調はダークルビー。深く沈んだ赤色。
軽く香りをとってみると、すぐにふわふわっと人懐っこいベリーの香りが漂ってきます。
とても香り高いですね。ピンクペッパーを思わせるような、スパイスの香り、土のような香りもとれました。
口に含むと、香りの印象を裏切らない、優しくどこかノスタルジックな果実味を感じます。
酸は穏やかで、鉄分を思わせるミネラルの要素もあります。
タンニンはそれほど強くありません。しなやかで、細かい印象です。
飲み込むと、喉にアルコールの温かさを感じ、しっかりとしたボリューム感を感じます。
しっかりとした飲みごたえがありながら、刺々しさがなく、近づき易い印象の赤ワインですね。
このワイン、実は商品選定の時に一口飲んで気に入った私にとって愛着のある一本。
とても飲みやすくて美味しい赤ワインですよ!
ペアリングするお料理として、真っ先に思い付くのは、やはりお肉です。
薄切りの牛肉をささっと焼いて、塩胡椒をふって、赤ワインとお醤油を垂らして・・・これだけで間違いなくハッピーになれそうです。
ワインのタンニンがそれほど強くなく、口当たりが柔らかいので、ガシっとしたお肉よりも、柔らかい食感のお肉のほうが合うでしょうね。もう少しソフトに考えて、お魚でもいけるかもしれません。
そう考えた時に、ふと表面を香ばしく焼いたカツオのタタキが思い浮かびました。
というわけで、今回は『炙りカツオのカルパッチョ』に決定です!
作り方:
生カツオの柵をバーナーであぶり、氷水で冷やします。※火気注意!
普通にカツオのタタキを買ってきても、もちろんOK。
キッチンペーパーで水分をふき取ったら表面に塩胡椒をしてスライス。お皿に盛り付けます。
オリーブオイル、レモン、醤油、バルサミコをよく混ぜてドレッシングを作ります。
ドレッシングをカツオに回しかけて、レッドオニオン、オリーブの実、イタリアンパセリ、スプラウトをトッピング。
今回は夏らしくトマトとキュウリを添えて、完成です。
食べるときは、お醤油皿にバルサミコを入れてお刺身のようにつけながら食べると美味しいですよ。
より赤ワインにマッチするので、一度お試しください。※バルサミコはなるべく良いものを。
実食:
ワインに対してお魚がやや負けるかな?とも思っていたのですが、炙りカツオのボリューム感は十分、赤ワインとのバランスが取れていました。
そして焦げ目が付くまで焼き付けたカツオの香ばしさが、ワインのオーク樽からくる香ばしさやスパイシーさによくマッチしていました。
何よりも、カツオ独特の「鉄っぽい風味」に、シャトー・カップ・ドールの持つ鉄分のニュアンスが同調し、旨味をさらに引き出してくれます。
ワインがお料理をより引き立てるこの感じは、マリアージュと言っても過言ではないと思います!
いかがでしたか?あえてお肉を避けた今回のペアリングですが、両者美味しくいただくことができました。
赤ワイン=お肉という定式から逸脱したとしても、ちゃんとワインの特徴をとらえて考えればペアリングは可能ということですね。
それでは、ご意見、ご感想お待ちしておりますね。次回もお楽しみに!
『シャトー・カップ・ドール サン・ジョルジュ・サン・テミリオン 2015年』
(フランス / ボルドー産赤ワイン サン・ジョルジュ・サン・テミリオン
ブドウ品種:メルロ種86%、カベルネ・フラン種14% / オーク樽で6か月間熟成)
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