ワインペアリング奮闘記 第34回「トータス・クリーク ピノ・ノワール」
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『甘酸っぱさ』にもタイプがある
このコーナーは
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■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、
さて今回のお題は『トータス・クリーク ピノ・ノワール』です。
以前カベルネ・ソーヴィニヨンをご紹介したことのあるトータス・クリークの、ピノ・ノワールのご紹介です。
同じ生産者がカベルネもピノもプロデュースしている所がアメリカらしいですね。
早速グラスに注いでみると、色調は明るめのルビー。ほんのりと紫がかっています。
すぐにベリー系の香りがふわふわと上がって来ます。少しチャーミングな印象を抱かせるフレッシュなイチゴや、熟したチェリー。
黒コショウや、ヴァニラ、仄かに土のようなニュアンスも感じます。
口に含むとアタックから大変ジューシーな印象。酸は穏やかで、熟した果実の甘やかさを感じます。
香りで感じたのと同様の、赤いベリー類から、熟した黒系果実までのフレーヴァーが豊かに上がってきます。
このフレーヴァーがほんのりと心地よい苦みと共に、余韻として残っていく印象でした。
近づき易いチャーミングさと、柔らかさ、完熟感、飲みごたえのある、やや陽性のピノ・ノワールですね。
合わせる料理ですが、基本に忠実に「同調」で考えることにしました。
まずワインと料理のボリューム感をマッチさせること。
このワインはピノ・ノワールらしい軽快なキャラクタを持っていますので、軽めの肉料理から熱を通した魚料理といったレンジでしょうか。
甘酸っぱいジューシーさには、やはり甘酸っぱさを持ったソース類が合うはずです。
そして料理の食感にも、柔らかさを持たせたいですね。
では、酸味・甘みを兼ね備えたミート・ソースのパスタはどうでしょう?
貝殻状のパスタ「コンキリエ」をプリッとした食感に茹で上げ、ミート・ソースであえてみることにします。
ちょっとした変化球として、トッピングにナスとベーコンを加えます。
『ナスとミート・ソースのコンキリエ』に決定です!
料理レシピ:
フライパンにオイルをひき、ニンニクを加えて弱火で香りを移すよう炒めます。
玉ねぎとセロリのみじん切りを加え、玉ねぎがキツネ色になるまでしっかり炒めます。
挽肉を加え、挽肉から染み出す脂に透明感がでるまで炒めます。
ここに赤ワインとローリエとトマト缶を加え、汁気を飛ばすよう煮詰めればパスタソースの出来上がり。
別鍋でトッピング用のベーコンと輪切りナスを炒めておきます。
たっぷりのお湯でコンキリエを茹であげたらソースとよくあえ、トッピングのベーコンとナスを盛り付け、黒コショウ、お好みでバジルを散らして完成です!
ペアリングレポート:
ワインを飲みながらパスタを食べ進めてみると、バランスとしては良い感じです。
ただパスタはやや油分多め、お好みで少し控えても良いかなと思います。
今回は玉ねぎをしっかりと炒めて自然な甘さを引き出した所に、トマトを加え加熱することで、穏やかな酸と自然な甘みと演出してみましたのですが、じっくりと合わせてみるとピノ・ノワールのベリー系の甘酸っぱさと、ミートソースのじっくり煮詰めた甘酸っぱさは、少し趣が違う印象です。そして、やっぱりイタリアのワインが欲しくなってしまうんですよね 笑
そんな中、食材の中で最もしっくり来たのはベーコンでした。
スモーキーなニュアンスが、トータス・クリーク ピノ・ノワールの樽のニュアンスにとてもマッチしていました。
このワインにお料理を合わせる時は、ベーコンを加えてみること。これはお勧めできます!
如何でしょうか?今回はスコアをつけるなら65点くらいとちょっと平凡な結果です。
カベルネの時にハンバーガーを作ったように、アメリカらしいものにすればよかったなと反省していたら、次に試してみたい料理がふと浮かびました。それは・・・『ホット・ドッグ』です!あー今回思付けばよかった!!いつか絶対にチャレンジします!それでは次回もお楽しみに。
『トータス・クリーク ピノ・ノワール “ミッション・グローヴ”』
(USA / カリフォルニア州産赤ワイン クラークスバーグ&モントレーのブレンド
ブドウ品種:ピノ・ノワール100% 熟成:マロラクティック発酵後フレンチオーク樽で12か月熟成)
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