ワインペアリング奮闘記 第67回 「ドメーヌ・デ・リズ クローズ・エルミタージュ」
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ワインの香りの要素からレシピを決めよう!
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品不使用です。
さて、今回のお題は『ドメーヌ・デ・リズ クローズ・エルミタージュ』です。
テイスティング:
グラスに注ぐと、色調は紫がかった濃いルビー。
香りは熟したブルーベリー、ダークチェリー、黒オリーブ、すみれ、鉄、黒コショウ、チョコレート等、様々な要素が感じ取れます。
口に含むとボディは強め。煮詰めた果実の甘やかさと凝縮感をグッと感じた後、エレガントな酸味が現れます。
タンニンはしなやかでキメが細かく、心地良いです。
後半にはカカオのような苦味が残り、口内に程よくリセット感を与えてくれます。
全体として、よく日光を浴びたブドウを思わせる暖かみ、よく熟した甘やかさを親しみやすく感じました。
その一方、複雑なフレーヴァーや余韻の長さが、ワインの本格感や存在感を強くしている印象です。
とても良く出来たワインだなと感じました。素直に美味しいです。
初心者の方から上級者まで、幅広く楽しめるワインだと思います。
では、合わせる料理を考えてみましょう。
やはり濃厚さのある赤ワインでタンニン量もあるので、真っ先に浮かぶのは赤身のお肉ですね。
ローヌらしいスパイス感もあるので、少しペッパー類を利かせても良いと思います。
そして、このワインのエキス感、味わいがじわっと広がってくるような感じから、調理法としては、煮込みが合うんじゃ無いかなと思いました。
最後に、ちょっと個人的な感じ方かもしれませんが、シラーの香りにオリーブの要素を感じるんですよね。
そこで料理のアクセントとして、オリーブの実を使ってみたいと思います。
黒オリーブのコクをうまく利用すれば、少しライトな鶏肉にも合うのではないかなと思いました。
と言うわけで今回は『鶏肉のオリーブ煮込み』に決定です!
レシピ:
鶏モモ肉に塩コショウとカイエンヌペッパー少々で下味をつけ、フライパンで焼き目をつけます。
そこにスライスした玉ねぎ、ニンニクを加えて炒め合わせ、火が通ったら白ワインを注ぎます。
ここにハチミツ少々、バルサミコ、ローリエ、オリーブの実を加えて、中弱火で1時間ほど煮込みます。
ミニトマト、タイムを加え、塩味を整えて出来上がりです。
ペアリングレポート:
鶏肉はほろっと柔らかく、スープしみしみでジューシーです。
オリーブを合わせて頬張ると、しっかりとしたコクと香ばしさが鼻に抜けて心地よいですね。
ここにクローズ・エルミタージュを合わせると・・・うーん、さらに良い感じ!
よく煮込んだ玉ねぎやハチミツ由来の甘みと、鶏肉本来の甘み、そしてワインの果実の甘みが、お互いを引き立てあって、とてもリッチに感じました。
そして、ローストした鶏肉の香ばしさがワインのカカオのようなニュアンスにぴったり!
アフターのほろ苦さも、ソースのフレーヴァーと響き合って、複雑味や地味深さをプラスしてくれます。
まるでワインがソースの一部のように料理に馴染んで、全く違和感がありませんでした。
如何でしたか?オリーブの実を使って鶏肉を煮るという発想はシラーの香りのお蔭で思いつきましたが、地中海の方にこういう料理はあるみたいですね。この赤ワインと黒オリーブの風味、とっても合うと思いますので、是非試してみて下さい。それでは次回もお楽しみに!(西岡)
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