ワインペアリング奮闘記 第68回 「ドメーヌ・カンタン・ジャノ(フィリップ・ジャノ) マランジェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」
- 2020.10.02
- ワインペアリング奮闘記
- ヴィエイユ・ヴィーニュ
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第68回
ピノ・ノワールと梅しその共通点を探る
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品不使用です。
さて、今回のお題は『ドメーヌ・カンタン・ジャノ(フィリップ・ジャノ)マランジェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ』です。
テイスティング:
色調はパープルがかったルビー。ブルゴーニュの赤ワインとしては、やや濃いめですね。
香りはフレッシュな木苺など、赤系果実のニュアンスから、熟したカシス等黒果実まで。
ブラックペッパー、仄かに鉄のようなニュアンスがあります。
味わいはジューシーで、果実の甘やかさがチャーミング。フレッシュな酸味がうまくバランスして甘酸っぱい印象です。タンニンはさらさらとシルキーです。
全体的に溌剌と、生き生きとしていて、果実味主体でやや陽性な印象を受けました。
日当たりの良いところで生育したブドウなんだろうなーと、ブドウそのものに思いを馳せてしまうような、素直な造りのワインで、飾らない雰囲気がとても好印象です。
では、合わせる料理を考えてみましょう。
ライトからミディアム・ボディくらいのピノ・ノワールですので、やはり白身のお肉は合うと思います。ピノと相性の良い鶏肉なら間違いないでしょうね。
ワインのテクスチャや、そのピュアな印象から、キメの細かい肉質の胸肉やササミ。焼くよりも蒸したり煮る料理があうのではないかなと思います。
味付けは、シンプルに塩を効かせて、と思ったのですが・・・ここでハタと思い付きました!
私はピノ・ノワールの香りの中に「梅しそ」の要素を感じることがままあって、このワインにも同様の要素を感じ取ることができます。※もう少し冷涼な印象のピノの方が、よりはっきりと感じるのですけどね。
今回は、鶏胸肉を梅しそ風味で仕上げてみるのも楽しいかなと思いました。
というわけで『しっとり鶏胸肉の梅肉ソース和え』に決定です!
レシピ:
パサつきがちな鶏胸肉をしっとりと柔らかく仕上げるのが肝です。
お肉に塩胡椒して、フリーザーバッグに入れ、タイムとオリーブオイル少々を加え、低温調理機を使用して63度で1時間加熱し、その後バッグごと氷水につけて冷却します。
鶏肉を加熱している間に、鰹節と昆布で出汁を取り、塩味を整えてよく冷ましておきます。
梅肉ソースを作ります。梅干を裏ごししてハチミツを加え、出汁で程よく伸ばします。
鶏肉をスライスし、スプラウト、茗荷の千切りを降って、梅肉ソースとしその葉の千切りを盛り付けます。
仕上げに冷たい出汁を注ぎかけて、出来上がりです。
※スミマセン・・・出汁を注ぐ前に写真を撮ってしまいました!
ペアリングレポート:
鶏胸肉、じっくりと加熱したので柔らかいです!甘酸っぱい梅肉ソースと薬味のアロマが爽やか。
ここに、マランジェ・ヴィエイユ・ヴィーニュをあわせていただくと・・・うわー!馴染みますね。
甘酸っぱソースに、甘酸っぱワイン。香りの要素も似ているので、とてもしっくりと来ます。
梅干しの酸っぱさのほうが強いので、対比されてワインの果実の甘みがより引き立つようにも感じました。
やはり鶏肉のしっとり感は、このワインのテクスチャ、シルキーなタンニンにぴったりですね。
そして出汁の旨味も、ワインと相乗して、より奥行きを感じることができました。
それと同時に、梅のフレーヴァーはとても特徴的で強いために、ピノ・ノワールがやや引っ張られてしまうような感じもしますね。風味と割り切って控えめな使用が吉かもしれません。
また冒頭にも書きましたが、もう少し冷涼感のある(酸の立った)ピノ・ノワールの方がより合ったのかもしれないと感じました。
如何でしたか?後半色々書きましたが、十分に相性は良く楽しめるディナーになりました!今回の料理、このワインだけでなく様々なブルゴーニュ・ルージュに合わせてみたいと思っています。皆さんも是非レパートリーに加えて下さいね。(西岡)
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