ワインペアリング奮闘記 第117回 チョッリ シレーネ × 根菜たっぷりスープ・カレー
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第117回
滋味深系イタリア赤ワインとカレーのペアリング
今回の課題は『チョッリ シレーネ』。
イタリア、ラツィオ州の赤ワイン、土着品種のチェザネーゼ・ダッフィーレを100%使用。WINE CLUB30きっての個性派赤ワイン、満を持してこのコラムに登場です!
テイスティング
香りは最初やや還元的に感じたので、抜栓後20分ほど立ってからテイスティングしました。
チェリーやドライクランベリー。スミレ、チャービル等のハーブ、オレンジピール。それに、例えるのが難しいのですが、森の倒木?キノコ ?のような香りも取れました。酵母でしょうか?複雑な香りですが、不愉快な香りではありません。
口に含むと、比較的軽やかなボディで果実味はチャーミングな雰囲気がありますね。
アタックからフレッシュな酸味を感じ、ミドル以降は独特のハーブ感を伴ったフレーヴァーが上がってきます。
どこか土っぽいミネラルがアフターにかけて長めに残っていきます。
自然発酵でSO2も控えた作りをしているのでその辺りが影響しているのか・・・チェザネーゼという土着品種の特性が影響しているのか分かりませんが、複雑な香りと味わいはどこかクセになりそうな魅力を持っています。
合わせる料理『根菜スープ・カレー』
今回のワインにはどこか滋味深さを感じ、根菜やキノコが合いそうだなと思いました。
ミディアムボディくらいの赤ワインなので、根菜を中心にお肉を添えて、くらいでバランスは良いと思います。
チョイスした料理は、レンコンとキノコを軸として各種野菜を加えたスープ・カレー。
カレーといえばワインペアリングの一種の鬼門ですが、このチョッリ・シレーネのフレーヴァなら合ってくれるのでは、と思いました。
レシピ
玉ねぎ微塵切りに塩を加えて飴色になるまで炒め、適宜差し水をしながら、生姜とニンニクの摺り下ろし、角切りトマトを加え、しっかりと炒めます。大体炒め終わったら塩、カレー粉、ターメリックを混ぜてカレーのベースを作ります。
手羽元に塩胡椒をしてフライパンで焼き目をつけます。
大きい鍋にカレーベース、焼いた手羽元、人参、レンコン、乾燥タイム、ローリエ、水を加え、弱火で30分ほど。だいたい煮えたら鶏がらスープの素、舞茸、塩を加えて味を見ます。
トッピングのジャガイモは別茹でで。ナスとピーマンはグリルで焼きます。
具材が全て仕上がったら、スープに盛り付けて出来上がり。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆ ワインと料理の、良い関係!
【評価ポイント】
○赤ワインのさらっとしたテクスチャがスープに心地よくなじむ
○片方がもう片方を凌駕してしまわない絶妙なバランスと余韻の長さ
○生姜、根菜、キノコ、そしてカレー粉の大地系フレーヴァが、シレーネの独特な香りと共鳴
スープ・カレーとの相性は上々という結果になりました。
鍵は、具材のフレーヴァの豊かさを引き出すこと。
生姜とニンニクはたっぷり、逆にカレー粉は入れすぎないほうがワインには合うと思います。
辛味が足りなければ、一味をふって調整してくださいね。
それにしても、チョッリ シレーネの色彩豊かなフレーヴァは、カレーだけでなく案外色々な料理に合わせて楽しめそうですよ。
是非、お試しください。それでは、次回もお楽しみに!(西岡)
今回のペアリングワイン
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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