ワインペアリング奮闘記 第44回「ドメーヌ・デュ・ジョンシエ　リラック　ル・グルマン」

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第44回
食いしん坊必見の南ローヌペアリング

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。

コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品が使えません。

今回のお題は『ドメーヌ・デュ・ジョンシエ　リラック　ル・グルマン』です。

先々週に引き続き、南ローヌの赤ワインです。
品種は変わって、グルナッシュを中心としてカリニャン、シラー、サンソーとの混醸です。
「ル・グルマン＝食いしん坊」だそうですね。一食いしん坊としては、とても親近感のわく名前です！

グラスに注ぐと、クリアで輝きのあるダークレッド。
香りは、赤いベリー類からチェリー、スミレやバラ等のお花、ローズマリー、スパイス、上等の肉など。
口に含むと、フレッシュでピュアな果実味。中盤から綺麗な酸味と、軽く収れん性のあるタンニンを感じます。
飲み込むと喉にアルコールの温かみを感じ、果実とスパイス、そしてミネラルを思わせるフレーヴァー、そして舌に軽くほろ苦さが残ります。
ミドルボディで、知らずに口にすると一瞬ブルゴーニュ？と思ってしまうような、果実のピュアさ、繊細さを感じました。
それでも、飲み込んでみるとアルコール感やスパイス、ローズマリー、石や鉄、肉などを感じさせる要素から、ちゃんと南ローヌらしさも感じられるところが良いですね。
複雑味があって、ナチュラルで、個人的にとても魅力を感じる赤ワインです。

食いしん坊ワインだけあって、合わせる料理はいろいろと考えられそうです。
そこまでタンニンも強くないため、食卓に出しやすいワインと言えるでしょう。
ただそのアロマにはスパイシーさや、やや動物的なニュアンスもあるので、やはりメインはお肉が合うと思います。
豚肉からラム肉くらいがちょうど良いのではないでしょうか。
それに加えてこのワイン、自然派ワインならではのオーガニックな雰囲気を持っていますので、付け合わせに新鮮な季節のお野菜をたっぷり合わせたいですね。
というわけで、今回はたれに付け込んだ豚肉と、様々な野菜を全てグリルして、ちょっと甘いバルサミコソースでいただきます。名付けて『肉野菜の食いしん坊グリル』です！

料理レシピ：
ソースとして、小鍋にバルサミコ、ハチミツを加えて軽く煮詰めたものを用意。
豚バラ肉のカットに塩コショウ＆はちみつで下味をつけて、15分程おきます。
野菜はカボチャ、カブ、アスパラ、パプリカ、ズッキーニ、紫玉ねぎ、マッシュルームをセレクト。
全て火が通りやすいようにカットしてください。ローズマリーとタイムも用意しました。
具はすべてグリルパンをつかってグリルします。
仕上げにバルサミコソースをかけて出来上がりです。

ペアリングレポート：
健康のためには野菜から、と言いますがいきなり豚肉から、いただきます！
とても香ばしく焼けている柔らかい豚バラ肉にリラック　ル・グルマン、うーん。美味しい！
柔らかい肉質に溶け込むようなピュアな果実味、とても良いですね。
ワインの複雑味が、お肉のフレーヴァーをより豊かにしてくれていると感じました。
お野菜も一つ一ついただいてみると、どれをとってもワインと喧嘩することなく、自然に寄り添ってくれるようです。
バルサミコソースが一つ一つ異なる食材を、ひとつの料理としてまとめてくれています。
そして嬉しいことに、ワインとの橋渡しもしてくれているようですね。
ハチミツを加えたことにより、ワイン果実味や、そして豚肉の脂身、そしてお野菜の甘さも引き立てて、
全体の印象をよりジューシーに、美味しく感じさせてくれました。

如何でしょうか？
先々週とりあげた同じ南ローヌのシラー100%、フォン・クローズ　キュヴェ・シリュスとは、同じ南ローヌでも全く違うワイン。
しっかりと凝縮した、食べ応えのある肉料理を堪能するなら、キュヴェ・シリュスを。
野菜もふんだんに使って、もう少しライトに、ヘルシーに料理を楽しむなら、今回のドメーヌ・デュ・ジョンシエ　ル・グルマンをおすすめしたいです。
どちらもとてもお勧めのワインです！それでは次回もお楽しみに。（西岡）

今回のペアリング・ワイン

『ドメーヌ・デュ・ジョンシエ　リラック　ル・グルマン』

(フランス /コート・デュ・ローヌ リラック産赤ワイン　ブドウ品種：グルナッシュ60％、カリニャン10％、シラー20％、サンソー10％　熟成：コンクリートタンク13か月）