ワインペアリング奮闘記 第143回 本格シャブリに圧倒されたことはありますか? / ジュリアン・ブロカール シャブリ・ボワッソヌーズ
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第143回
本格シャブリに圧倒されたことはありますか?
今回のペアリング課題は『ジュリアン・ブロカール シャブリ・ボワッソヌーズ』です。
久々のシャブリですね。究極のオーガニックとも言われるビオディナミ農法で栽培されたシャルドネを100%使用しています。こう書くのは簡単ですが生産者にとっては並大抵の苦労ではないでしょう。
テイスティング
ボトルは蝋キャップです。
グラスに注ぐと、グリーンがかったイエロー。
第一印象はやや還元的で、スワリングすると徐々に正体が見えてきます。
熟した洋梨やレモンの香り。蜜っぽさも感じます。黄色い花、ドライハーブ、白胡椒、貝殻。
口に含むと、滑らかです。熟した果実の甘やかさ、それに対抗する酸もフレッシュで、しっかりとしています。
樽のニュアンスは目立たず、ピュアで充実した果実のエキスを感じるフルボディの白ワインです。
ミドルからは、塩や石灰っぽいミネラルの下支えをしっかりと感じます。
少しメタリックにも感じるくらい、堅牢なストラクチャです。
全体的に、しっかりとした味わいとヴォリュームで、充足感のある一本です。
「すごいな」とつい口に出てしまいました。
本当に美味しい、素晴らしい白ワインだと思います。
合わせる料理『メカジキの香草パン粉焼き』
シャブリはものによって印象が変わるので試飲するまでは料理を決め辛いです。
テイスティングしてみて思ったのはこのワインに拮抗するためには、料理にも食べ応えが必要ということです。
素材は生ではなく、熱を通した魚介類が良いでしょうね。
このコラムでは乳製品を扱いませんが、バターや生クリームで少しこってりさせても良いかもしれません。
しっかりした食べ応え、というところに着目して、今回はメカジキの香草パン粉焼きをセレクトしました。
レシピ
オリーブオイルに微塵切りガーリックを加え、加熱して香りを移します。
塩胡椒で下味をつけたメカジキを加えて両面を軽くソテーします。
乾燥タイムを混ぜた細引きのパン粉を乗せ、グリルで焼き色がつくまで焼きます。
付け合わせはアスパラのグリル、卵のフィリングのせにしました。フィリングは多めなのでメカジキにのっけても良いですね。レモンはワインとの相性を高めるためのものなので、お忘れなく。完成です!
ペアリングレポート
【総合評価】 星3つ:★★★☆☆
【評価ポイント】
○料理とワインの方向性は違っていない。
○ワインの方向に香草や香ばしく焼けたパン粉の香りが加わり、華やかで豊かな印象に。
△・・・ただ料理との味わいバランスにおいては、ワインの存在感の強さが料理を圧倒してしまった。
うーん、今回はちょっと残念、料理がワインに負けてしまいましたね。
ワインのエキスがとても充実している分、淡白な料理の味が感じ辛くなってしまいました・・・。
白身魚を合わせるなら、ムニエルにしてしっかりソースを効かせたり、ソテーしてレモンと醤油をたらす、等のほうが合ったかもしれません。
また、メカジキは身が厚く中まで味が浸透しにくいので、より身が薄く柔らかいヒラメなどの方が適しているかもしれませんね。
まだまだ修行が足りません。
と、ペアリングに関しては課題の残る結果ですが、ジュリアン・ブロカール シャブリ・ボワッソヌーズは本当に素晴らしいワインで私は感動しましたよ・・・。
これ、うまくマリアージュしたら、とんでもないことになりそう!
是非ご家庭で、チャレンジしてみてくださいね。
それでは、次回もお楽しみに。
(西岡)
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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