ワインペアリング奮闘記 第153回 スペイン赤の奥深さと、そのエレガンスに酔う / アナヨン・カリニェナ
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第153回
スペイン赤の奥深さと、そのエレガンスに酔う
※アレルギー負荷試験を乗り越えてバター、多少のコンタミはOKになりました
今回の課題はアナヨン・カリニェナです。
アナヨン・シリーズを手がけるグランデス・ビノス・イ・ビニェドスは造りの巧みさを感じさせるワイナリーで当ショップでも非常に人気がありますが、フラッグシップにあたるのが原産地で収穫されるカリニェナ。早速テイスティングしましょう。
テイスティング
色調は少し紫がかったダークチェリーレッド。レッグはやや長め。
グラスに注いだそばから香りが上がってきます。熟したダークチェリーやプラム、ブルーベリーのガム、赤や紫の花のアロマ・・・トーン高めで、豊かに、グラマラスに感じます。モカ・コーヒーのような、上品なロースト香もありました。
口に含むとスムースな口当たりのブルボディ、アタックから爽やかな酸味が広がり、フレッシュな赤い果実をイメージさせます。タンニンは粗くはないですが軽く収斂味があり若さを感じます。
飲み込んだ後に上がってくるアルコールの温かみは中程度。
ミドル以降、程よく樽のタッチを感じますが、苦味はあまり残りません。
アフターにかけてふわっと漂う熟した果実の印象が残りました。
カリニャンという品種について一般的に言われる強いイメージ、またスペインの赤ワインからステレオタイプ的にイメージする濃厚で重めの味わいとは少し異なるようですね。
華やかなアロマと、ピュアでよく熟した果実の酸味を豊かに感じました。優美な印象の、非常に巧くバランスの取れたエレガントな赤ワインだと思います。
合わせる料理『鶏のコンフィ・ベリーソース』
どこか華やかでトーン高めの印象、ブルゴーニュのようなベリー感もあるので、鶏、もしくは鴨肉が良いかなと思います。
という訳で今回は、ベリーソースのコンフィを作ることにしました。
本当は鴨のもも肉にしよう思ったのですが手に入らなかったため、鶏もも肉を使用しました。
鴨が手に入る場合、同じレシピでそのまま置き換え可能です。
レシピ
鶏肉に塩胡椒、ドライハーブとニンニクで下味をつけて、ラップで包んで冷蔵庫で一晩寝かせます。
ジップロックに入れてオリーブオイルを足して真空状態にし、74度で8時間低温調理します。
その後取り出して、余分な油はペーパーに吸わせます。
フライパンで焼き目をつけましょう。身がホロホロになっていて崩れてしまいそうなので、全面に焼き色をつけるのが難しくバーナーも併用しました。
次はソースです。バルサミコに砂糖を加え、半量に煮詰めます。水を足してさらに半量に。塩、胡椒、醤油で味を整え、ブルーベリーを軽く煮詰めて出来上がりです!
付け合わせはベイクドポテトを用意しました。お皿に盛り付けて完成です。
何だか、クリスマスみたいですね〜。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○ワイン、コンフィどちらにも共有するしっとりと柔らかいテクスチャが相乗
○ワインの煮詰めたベリー感のある果実味とベリーソースが直球のマリアージュ
○華やかでエレガントなフレーヴァが食事の間ずっと続いて行く幸福感
とても満足感の高いディナーになりました。改めてアナヨン・カリニェナの品質の高さを感じましたね。
とても良いワインです。ブルゴーニュ・グラスを使用するとよりエレガントに楽しめるでしょう。
是非お試しください!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
今回の課題はアナヨン・カリニェナです。
アナヨン・シリーズを手がけるグランデス・ビノス・イ・ビニェドスは造りの巧みさを感じさせるワイナリーで当ショップでも非常に人気がありますが、フラッグシップにあたるのがこのカリニェナです。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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