ワインペアリング奮闘記 第161回 ボルドー赤と「レア肉シンプル塩胡椒」を検証 / シャトー・レ・ギヨネ
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第161回
ボルドー赤と「レア肉シンプル塩胡椒で」を検証
今回の課題はシャトー・レ・ギヨネ カディヤック・コート・ド・ボルドーです。ヴィンテージは2018年。
このレ・ギヨネは新しくラインナップに加わったボルドー赤ワインですが、カディヤック・コート・ド・ボルドーという産地は古株のシャトー・スオウも同様ですね。メルロを主体として他のボルドー品種をアッサンブラージュするのも同じです。
テイスティング
色調は輝きのあるルビーレッド。香りは熟したカシス、ブルーベリーやラズベリー、ブラックペッパーやリコリス、コーヒー、鉄、しめった土。
口に含むと甘酸っぱく熟した果実味がじゅわっと広がります。ボディはミディアム・フルくらいですね。
中盤からのタンニンはキメが細かく、軽く収斂する程度です。
後半にかけて樽由来の軽い苦味が良いアクセントになっていて、同時に瑞々しい果実がじわりと染み込むような旨味とジューシーさを感じます。
全体的にクセがなくバランスが良い印象ですね。
飲みやすさと品の良さを兼ね備えた、非常に使いやすいボルドー赤ワインに仕上がっていると思います。
合わせる料理『牛もも肉のたたき』
ボルドーらしいスタイリッシュさ、かちっとしたストラクチャ。ステーキのボルドレーズソースあたりかなと思ったのですが、フィラディスのソムリエは「赤身肉をレアな焼き加減×塩胡椒のみで、味付けは最低限」と言い切っているので、試してみたくなってしまいました!ということで、今回は塩胡椒のみのレアな「牛肉のたたき」を実際に合わせてみました。
レシピ
赤身肉指定ですのでモモ肉を使用。交雑種のトモサンカクです。
2つにカットして塩胡椒。軽く叩いて馴染ませます。
フライパンに油を熱して薄切りガーリックを焼き、取り出したら肉を入れ強めの火で表面をしっかりと焼きつけます。
焼き上がったらアルミホイルで包んで15分ほど静置します。その間に付け合わせの準備をしましょう。
斜めに削ぎ切りして盛り付け、仕上げの黒胡椒を削りかけて出来上がりです。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○赤ワインが肉の旨みをしっかりと引き出している
○血(鉄)のニュアンス、黒胡椒のニュアンスで上方向に抜けていくフレーバーが同調し心地良い
△赤ワインのタンニンレベルを考慮するとローストビーフのようにもっと薄切りでも良かった
味わいのマリアージュについては、流石ソムリエ・・・本当に肉シンプルに焼いて赤ワインを合わせるだけで、レベルの高いペアリングを楽しむことができました。ソースが無くても全く問題ありません。(あっても勿論美味しく合うと思います)△のついた切り方に関しては、肉の歯応えがそこそこあったために赤ワインの余韻が先に切れてしまう印象でした。肉をしっかりと休ませて、写真よりも薄切りにすることをオススメします。
今回のシャトー・レ・ギヨネ カディヤック・コート・ド・ボルドーですが、本当にバランス感がよく様々な食事と安心して合わせられそうな印象でした。価格もリーズナブルですのでまずは1本お試しいただければと思います。
それでは次回もお楽しみに。
(西岡)
今回のペアリングワイン:
シャトー・レ・ギヨネ カディヤック・コート・ド・ボルドーです。ヴィンテージは2018年。
メルロを主体として他のボルドー品種をアッサンブラージュした、味わいのバランスの取れた安定感のある1本でした。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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