ワインペアリング奮闘記 第162回 モーゼルの白ワインと水餃子 / マーカス・モリトール ピノ・ブラン
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第162回
モーゼルの白ワインと水餃子のペアリング
今回の課題はマーカス・モリトール ピノ・ブラン ハウス・クロスターベルク・トロッケンです。ドイツ、モーゼルの白ワインで品種はピノ・ブラン。ヴィンテージは2019年。
マーカス・モリトールといえばモーゼルを代表する鬼才、楽しみです!
テイスティング
色調は淡くグリーンがかったイエロー。スパークリングではありませんが、グラスの底には微発砲が見られます。
香りは青リンゴ、洋梨、マスカット。フーセンガムや香水のような甘い香り、その奥には石や金属をイメージするような香りも取れました。
口に含むと、アタックはフレッシュでキレのある酸味を豊かに、そのすぐ後にふくよかで丸みのある甘味を感じます。
ミドル以降は舌に染み込むように残るミネラルを苦味や旨味として感じます。その余韻がアフターまでじっくり長く尾を引くようでした。
全体的にはアロマティックで、甘酸っぱい印象の白ワインです。ミネラルの骨格はしっかりとしているものの硬い感じはなくて、むしろ柔らかく瑞々しい印象が残りました。
合わせる料理『水餃子』
白ワインですがドイツといえば肉食文化、特にソーセージやアイスバインなど豚肉のイメージが強いですよね。ローストポーク、煮込みと様々なアイデアが浮かびましたが、今回はピノ・ブランのふわっとしたイメージに寄せて、ちょっと変化球。もっちりとした水餃子を作りたいと思います。
レシピ
餃子皮の生地は、薄力粉と強力粉を半々に塩を少し。水を加えながら箸で混ぜ、そぼろ状になったら手で捏ねて1つにまとめます。ここにラップをして1時間ほど寝かせると滑らかになります。
具は豚ひき肉に塩胡椒、塩を振って水気を絞った白菜、長ネギ、ニラ、生姜です。肉はよく練って、野菜を加えたらざっくり混ぜ込むイメージでまとめます。
寝かせていた生地を棒状に伸ばし、餃子の数にカット。十分に打ち粉をして伸ばしていきましょう。私が包み皮係、具を包むのは妻と息子にやってもらいました。
出来上がったら、たっぷりのお湯で浮かび上がるまで茹でれば完成です!
たれは酢醤油にごま油、針生姜を浮かべていただきます。
ペアリングレポート
【総合評価】 星3つ:★★★☆☆
【評価ポイント】
○水餃子のつるっもちっとした食感に、白ワインの柔らかいテクスチャが綺麗に重なる
△酢醤油の直線的な酸味に、白ワインのフルーティな酸味がどこかチグハグ?
△フレーヴァーの相性もイマイチ
うーん。残念ながら今回は皆さんにおすすめできる水準には達していないと思います。
料理とワインはどちらも美味しいのに、お互いを高め合っていない。
どこかよそよそしいペアリングになってしまいました。
特にお酢のツンとした酸味とニラの野性的な香りは、ふんわりフルーティなマーカス・モリトール・ピノ・ブランとは要素がぶつかってしまいましたね。ワインの甘味が浮いてしまうというか。
今回は豚肉や餃子皮が合わないわけではないですが、味付けや風味づけに問題があったようです。
残念ですがこれも勉強・・・次このワインを飲むときは、ローストポークにしてみようかな。皆さんもご意見くださいね。
それでは次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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