ワインペアリング奮闘記 第171回 鰻と赤ワイン、これはいける! / エレンシア・アルテス クパージュ
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鰻と赤ワイン、これはいける!
今回の課題はエレンシア・アルテス クパージュです。
スペイン北東部、カタルーニャ地方、テッラ・アルタの赤ワインです。品種はシラー 50%、ガルナッチャ・ネグラ 30%、 カリニェナ 20%のブレンドです。ヴィンテージは2019年。
色調は輝きのあるダークルビー。ややパープルを帯びています。
香りは苺や砂糖漬けのチェリー、クランベリー、バラのようなフローラルな要素に、仄かなスモーク香。
口当たりはなめらかで、アタックは甘酸っぱいフレッシュな果実味が印象的なミドル・ボディです。
早い段階からタンニンを感じました。量は多くありませんが、少しくっつくような収斂性は感じます。
アフターの苦味は控えめですが、金属的なミネラルを感じます。
エレガントで、しなやか、落ち着いた、ストラクチャのある赤ワインです。
特にブルゴーニュが好きで、スペインの赤ワインにはパワフルな印象しかお持ちでない方には、是非一度お試しいただきたいですね。
眼から鱗が落ちるかも・・・?
合わせる料理『鰻のちらし寿司』
やはり基本は肉料理でしょうね。上品さのある赤ワインなので、繊維の細かい、柔らかい肉をチョイスしたいです。
などと考えながら、お店を物色していたら、目に留まったのはなぜか「鰻」(笑)。
鰻の柔らかさ、タレの焦げたニュアンスに、このクパージュ・・・もしかして合うかも。いや、合う気がする!
というわけで、まぁ失敗するかもしれませんが、久しぶりに鰻×赤ワインにチャレンジします。
レシピ
鮨飯を用意します。(レシピは割愛)
鰻はリーズナブルな輸入物です。水で洗ってタレを塗り直し、グリルで焼いて切り分けます。
その他の具は白ごま、錦糸卵、海苔、大葉、刻み梅、紅大根のかいわれを用意。
ごまと刻み梅は鮨飯に混ぜ込んで。あとの具材は盛り付けます。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○蒲焼の燻製香や大葉、海苔など様々な香りがクパージュのアロマと同調し華やかに
○鰻のタレの甘み、身の旨味やミネラルが赤ワインの果実味やアフターを強調
○梅と鮨飯の酸味が、クパージュのエレガントな酸味と同調
○強すぎないタンニンが鰻ちらし寿司に丁度良い
全然いけますね。美味しい!
鮨飯は意外と砂糖を使うので甘酸っぱく、ワインの果実味とも意外に相性が良かったです。
あと刻み梅を入れたのもワインとのマリアージュにおいて正解でした。良いアクセントになっています。
全体として、とてもおすすめできるペアリングになりました。
(西岡)
今回のペアリングワイン:
今回の課題はエレンシア・アルテス クパージュです。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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