ワインペアリング奮闘記 第170回 フレッシュ白ワインと季節のサラダ / トラミン ミュラー・トゥルガウ
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フレッシュ白ワインと季節のサラダ
今回の課題はトラミン ミュラー・トゥルガウです。
イタリアの一大白ワイン産地、アルト・アディジェの白ワイン。品種はミュラー・トゥルガウです。栽培しやすく品質も安定しているため、日本ワインの原料として北海道等でも栽培され知名度が上がってきている白ワイン品種ですね。
色調はクリアで淡目のレモンイエロー。
香りは豊かでアロマティック。青リンゴや洋梨、マスカット、白い花、チョーク。
口当たりは滑らか、フレッシュな辛口で、柑橘っぽい少しツンとした酸味があります。
ただ、そこまで酸が強いという印象はなく、果実の甘味とのバランスは取れた、中庸な印象ですね。
ミドルからは少し塩味があって、舌に染み込むようなミネラルを感じます。
全体的には華やかな印象の白ワインで、フレーヴァは上方向に抜けていくような軽やかさですが、その一方ミネラルによる味わいの下支えがしっかりとしていて、全体としてのバランス、ストラクチャを保っている所に好感を感じます。飲みやすいけれど本格的な白ワインです。
合わせる料理『生ハムと秋のフルーツのサラダ』
とてもフレッシュで、ぴちっと表面が張ったような印象のある白ワイン。
新鮮な野菜やフルーツに合いそうだな、というのが第一印象。
フレッシュ系チーズにも合いそうですね。
あとはワインと料理に共通項を持たせることを意識して、作ってみます。
レシピ
ペアリング的に鍵となるのはマスカットと生ハム。あとは季節感を出すよう、柿やイチジクを添えました。野菜はお好きなもので大丈夫ですが、玉ねぎなど刺激の強いものは少しチャレンジかもしれませんね。ドレッシングはシンプルに、オリーブオイル、レモン、塩胡椒です。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○レモンを使ったドレッシングが白ワインの酸味に同調
○アロマの華やかさが前面に、野菜の青臭さなどは全く気にならない
○生ハムの塩味が白ワインのミネラルを引き立て完成度を高めている
書くほどではないのですが、少し△かなと思ったのは柿の軽い「ぬめり」くらいですかね。
ほとんど気にならない次元というか、私は逆に楽しんじゃいます!
ライトでヘルシーに、白ワインを楽しみたいならトラミン ミュラー・トゥルガウ、非常におすすめです。
(西岡)
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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