ワインペアリング奮闘記 第86回 シャトー・レ・グラン・サラザン×ハンバーグ
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グラスに注ぐと色調は落ち着いた深みのあるルビー。
よく熟したフルーツの香りです。赤から黒系のミックスベリー、カシスやブラックチェリー。少しジャムのような印象もあります。
その奥にミントや針葉樹のような清涼感、ブラックペッパーやクローブなどのスパイスと、少しスモーキーなニュアンスを感じました。
口に含むと、ぐっと凝縮した果実味をやや甘やかに感じます。酸味はマイルドで、タンニンは軽くグリップ感があります。
中盤からカカオのような程よい苦味が現れ、後半まで続いていきます。余韻は中程度からやや長めでしょう。
全体として、若目のヴィンテージでありながら角がなくバランスが取れており、十分なボリューム感とジューシーさがあって、スパイスや苦味が程よく奥行きを与えている。
飲みやすく、分かりやすい美味しさと満足感を与えてくれる、優秀なボルドー赤ワインだと思います。
「迷ったらこれ!」とか言いたくなる感じですね(笑)
合わせる料理:
バランスよく、マイルドさもあるので家飲みに適している印象です。
味わいのバランスが取れた赤ワインなので、料理もあまり気をてらう必要は無いでしょう。
とはいえ、タンニンがそれなりにあるメルロー・カベルネ赤ワインですので、牛肉など、赤身の肉がより好相性なのは確かだと思います。それなりに脂も乗った、食べ応えのある料理が良いでしょうね。
調理法は煮ても焼いても良いと思います。味付けは、タレやソースを使って、甘味や凝縮感をプラスしてあげると、良く合うと思います。
以上を勘案して、今回はど定番『ハンバーグ』でいきましょう!
レシピ:
定番がテーマですから、それぞれのご家庭のハンバーグでOKです!
一応このコラムでは、ワインとのペアリングをより意識して、牛肉比率を多めにしました。合挽き肉に1に対し、牛ひき肉を0.5程プラスしています。玉ねぎはよく炒め甘味を十分に引き出して。繋ぎのパン粉は控えめにして焼き上げました。ソースは赤ワインベースで、味付けにケチャップ、醤油を加えて、お肉を焼き終わったあとのフライパンで煮詰めたものです。
ペアリングレポート:
ではでは、早速、食べ合わせてみましょう。
ハンバーグはビーフが効いて、歯応えがあります。妻曰くあまり家庭的な味ではないそうですが(笑)
でも、シャトー・レ・グラン・サラザンとのペアリングは上々でした!
赤ワインの全体的なボリュームや、タンニンのグリップに、肉感しっかりのハンバーグがうまくバランスしています。
甘酸っぱいソースは、赤ワインのジューシーさをより引き立ててくれますね。
また、ハンバーグの焼き目や軽く焦げた部分が、赤ワインのスパイシーさ、樽のニュアンスによくマッチしてくれることを感じました。
相性はとても良いですね。間違いなく、赤ワインがあることでハンバーグがより美味しくなっているので、今回はなんなくペアリング成功です!
如何でしたか?今回の赤ワインに限らず、フルボディの赤ワインにハンバーグといったスタンダードな組み合わせは失敗も少ないですし、是非ご家庭で試していただいて、ペアリングやマリアージュの楽しさを知るキッカケにしてもらえれば嬉しいです。
では、次回も金曜日にお会いしましょう。
今回のペアリングワイン:『シャトー・レ・グラン・サラザン ボルドー 2017年』
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