ソムリエ直伝!家飲みワインの楽しみ方 ~熟成赤ワインとキノコの絶品ペアリング~

ソムリエ直伝!家飲みワインの楽しみ方 ~熟成赤ワインとキノコの絶品ペアリング~

秋の味覚の代表格である”キノコ”。鍋でも良し、焼いても良し、ご飯やパスタと合わせても良しという優れものですが、実は”赤ワイン”とも相性がいいのをご存じでしょうか。

さらに、”熟成”している赤ワインだとより一層キノコ料理とマッチするのだとか。少しずつ秋風を感じるこの季節にぜひ試したくなる、「赤ワインとキノコのペアリング」を楽しむのはいかがでしょう。

 熟成赤ワインとキノコは相性抜群 

熟成赤ワインを飲んだときに、土のようなアロマを感じたことはないでしょうか。「土」というのはワインの熟成香としてメジャーな表現の一つです。この深みあるアロマから連想されて「トリュフ」や「農家の畑」「森の下生え」などもよくワインの表現に使用されます。

土は通常、口にいれることがないため、あまり食欲がそそらない表現に感じますが、この風味こそが多くのワインラバーを虜にしていると言っても過言ではありません。ちなみに、この熟成香は赤ワイン特有のものと思っている方も多いですが、実は白ワインやスパークリングワインでも同様に醸されます。

特に上質な熟成を遂げたシャルドネに多くみられ、ブルゴーニュの高級産地の熟成ものやヴィンテージシャンパーニュに対して、「モリーユ茸」や「マッシュルーム」のようなアロマは定番のコメント。これは白ワイン独特のクリーミーな質感やバターっぽさがキノコの特徴と相まった表現と言えます。

さて、もう勘のいい方ならここでお分かりのはず。このワインとキノコに共通する「土っぽい深み」こそ、両者のペアリングをより強固なものにしている鍵となるのです。

※当記事内の”熟成ワイン”とは、リリースから10年以上経っているものと仮定。

 熟成感のない赤ワインは合わないのか 

キノコと熟成赤ワインが好相性とされているのは両者に「共通する風味」があるから。</strong>その風味の代表格がいわゆる「土っぽさ」であり、そこから林床を思わせる湿った印象などが続くことで味わいに深みを演出してくれていました。

しかし、実はこのようなアロマは品種特徴香として、若いうちから大なり小なり備えている品種も存在するのです。その代表例が、メルロー、マスカット・ベーリー・A、サンジョベーゼ、ネッビオーロ、etc。

これらは”熟成赤ワイン”と呼ばれるほど年月が経っていないものでも、その品種特徴香によって十分キノコの風味とマッチします。

 簡単一手間!ワインとの相性を高めるキノコの調理法 

色々あるキノコの調理法ですが、中でもキノコの旨味を最大限に引き出す方法として知られているのが「乾煎り」。キノコのあの香りや旨味を引き出すには、酵素の活動が欠かせません。

その酵素が働く温度はおよそ40〜60℃とされているため、「乾熱」でゆっくり弱〜中火で火を通すことが理想的。そして旨味成分はもちろん、焼き目の香ばしさが赤ワインの渋みとも上手く同調してくれます。というのも、大事なのはキノコの種類よりも「調理法」だから。

以下の例を参考に、キノコの種類よりも味付けや調理法によってワインに合わせてみましょう。クリーミーな味付けには、「樽熟成のシャルドネ」。赤ワイン煮込みには、「重ための赤ワイン」。そして天ぷらなどの揚げ物料理には、「スパークリングワイン」がピッタリです。

【自宅で手軽に!】赤ワインと合うおすすめキノコ料理3選 

1. きのこ汁

洋風のスープならまだしも、料理としては比較的シンプルでライトな印象のキノコ汁がまさかワインと好相性だなんて…と思った方も多いのではないでしょうか。そんなキノコ汁に、熟成赤ワインの中でも他を寄せ付けない圧倒的なペアリングを披露してくれるのが熟成ピノ・ノワール。

キノコの旨味が溶けこんだシンプルな出汁の効いたお吸い物に、熟成ピノ特有の出汁感ある旨味が同調します。おすすめの産地は、果実味と酸のバランス感に優れつつ、ピノ特有の熟成香が感じられやすいブルゴーニュ、ドイツ、日本あたりがベスト。

特に松茸のお吸い物と上質な日本ピノの組み合わせは、一度味えば「これが “UMAMI(旨味)”!!」と絶句すること間違いなしです。

おすすめワイン:熟成ピノ・ノワール

2. 鶏肉とキノコの赤ワイン煮込み

鶏肉とキノコをじっくり赤ワインで煮込むことで、鶏とキノコの旨味を最大限に引き出した料理がこちら。煮込み料理ゆえの味わいの濃さや鶏肉の食感に合わせるため、ワインも土のニュアンスだけではなく、料理に負けない果実味やしっかりとした骨格が必要です。

また、ここでのキノコは香りより旨味としての味わいに大きく貢献しているため、ワインも「繊細な旨味<まろやかな旨味」をチョイスしましょう。

おすすめワイン:メルロー、テンプラニーリョ、サンジョベーゼ、ネッビオーロ

3. キノコの和風パスタ

たっぷりのキノコを醤油や和風出汁で味付けするキノコの和風パスタは、料理のボリュームに合わせて軽めのガメイがおすすめ。品種特徴である土っぽさがキノコと好相性なのは言うまでもありませんが、実は日本の調味料や香味食材とも相性抜群です。

ボジョレー・ヌーヴォーのようなフレッシュなタイプも良いですが、樽熟成されたものの方がより好相性。樽由来の甘やかで香ばしいアロマが、醤油やみりんの風味と見事にマッチ!

また、土っぽさから連想される根菜類のような印象も、大葉や梅といった日本の食材との相性がよく、まるで和食の前菜を新たに口中で生み出してくれるようなペアリングを披露してくれます。

おすすめワイン:ガメイ

【当店のおすすめ】キノコと一緒に楽しみたいワイン 

ワイン専門商社 株式会社フィラディスが直営するFiradis WINE CLUBより、おすすめの熟成ワインをご紹介。

【10年以上の熟成&高評価】ボルドー赤ワインセット

「熟成ワイン」という言葉を聞くと一見取り扱いが難しそうにも見えますが、抜栓や温度、グラスの選び方など、ちょっとだけ手間を掛けて戴ければ、大丈夫!若いワインでは堪能できないワイン体験をご堪能ください。

   1,000円台で楽しめる優れた2010年熟成ボルドー 

1,000円台の熟成ボルドー…と聞いたら、若干の不安と疑いが頭をよぎるのはワイン好きの習性のようなもの。ご安心ください!Firadis WINE CLUBはお客さまにギャンブルをして戴くつもりはありません。買い付け前も、仕入れ後も徹底的に試飲して品質状態を担保できた上でリリースします。安心して、安かろう旨かろう、をご堪能ください。

ライター紹介:田中 純平 (Junpei Tanaka)

J.S.A認定ソムリエ、ワインエキスパート
J.S.A認定SAKE DIPLOMA
WSET Level3

大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われ、帰国後はスペイン語とワインの二足の草鞋を決意。在学中にヴィノスやまざきでインターンを経験し、同年にワイン関連の資格を諸々取得する。卒業後はフリーランスとして独立し、スペイン語レッスンや(株)楽天グループの翻訳担当を経て人気ソムリエが監修を務めるお酒のウェブメディアや西日本新聞社運営の焼酎メディアにて監修ライターを務める。現在は副業にて、ワインD2C会社であるHomewineに携わり、ワインに関する相談にお答えするソムリエコンシェルジュサービスを担当中。

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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