連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「コルク臭のついた」
英:Corked 又はCorky
仏:Bouchonne (形容詞:発音は「ブゥショネ」*最後のeには右上がりのアクセント)
『ブショネ』は皆さんもご存知かと思いますが、一般的には「コルク臭」と呼ばれるワインの劣化臭(最近は「オフフレーヴァー」と呼びます)です。
カビのような、プラスチックの溶けたときのような香りと味がワインに付いてしまい、果実の香味はほとんど感じられなくなってしまいます。
一般的には発生率は全ワインの5%程ですので、週に1回ワインを飲むくらいの頻度だと、この香りに出会うことはあまりないかもしれません。
それに仮にブショネのワインに当たったとしても、そもそもどんな香りなのかを知らなければ「このワインはこういうものなのかな」とそのまま飲んでしまうこともあるでしょう。
そして・・・この香りは人によって感じる閾値(いきち)に非常にばらつきがあり、また微弱なケースでは抜栓後の時間経過によって消えてしまうこともあるので、更に認識をすることが稀になります。
だから、知らずにブショネのワインをやり過ごしてしまったことも、あったかもしれません。
この劣化はこれまでずっとワインのコルクに付着した微生物に由来するものと言われており、そのために『ブショネ=コルクの香り』という名前で呼ばれていました。
ですが実はこの劣化を引き起こす「TCA=トリクロロアニソール」という物質は、コルク以外からも由来することが判明しています。
例えば、ワイナリーが木造だった場合にはその壁や柱の木材から、樽熟成をする場合、その樽材も発生源になる場合がゼロではありません。
だから極端な話ですが、スクリューキャップやプラスティックコルクにしたとしても、ボトル詰めの前の製造環境に木材があれば、どこでも発生してしまう可能性がある。
つまりもはやこれは『コルク臭』ではなく、『TCA』という名のオフフレーヴァー、ということです。
最近では、ブショネの発生を可能な限り抑えるため、製造環境から木材を除去するワイナリーなども出てきました。
荷したワインの5%が不良品として返品されてきたら、生産者にとっては死活問題ですしね。
ちなみに、フィラディスではお客さまにお届けしたワインがブショネだった場合、必ず交換品をお送りしておりますのでご安心くださいね。
もしちょっとでも「あれ?変な味だな?」と思ったらお気軽にフィラディスにご相談くださいね。
それでは今週はこのへんで。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。
これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。
主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。
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是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!