ワインボキャブラ天国【第102回】「ドザージュ」英:dose 仏:dosage

ワインボキャブラ天国【第102回】「ドザージュ」英:dose 仏:dosage

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!

取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!

ということで今回ご紹介する言葉は・・・

「ドザージュ」 
英:dose
仏:dosage (男性名詞 発音は「ド」)

初めて聞いた方は驚くかもしれませんが、シャンパーニュやスパークリングワインは醸造工程の最後に「門出のリキュール(リキュール・デクスペディション/Liqueur d’expedition)」と呼ばれる甘味調整のリキュールを添加しています。この工程が「ドザージュ」です。日本では一般的に「ドサージュ」と表記していることも多いですが、本来の正しい発音は「ドージュ」ですので、出来れば正しく覚えておいたほうが良いと思います。

これは、ワインを造るための第一次発酵(=アルコール発酵)、泡を造るための瓶内での二度目の発酵を通じてブドウの持っていた糖分、二次発酵用に再添加した糖分までも酵母が消費してしまうため、出来上がったワインの最終的な味わいバランスを取るために甘味リキュールを加えて味わいを調整するものです。甘味リキュールは、ブドウ由来のリキュールだけでなく、穀物由来のものを使用されているケースもあります。

この作業によるシャンパーニュの甘辛のスタイルで、甘辛度の名称が決まってきます。ほとんどのシャンパーニュのラベルに記載されているので、その名称を覚えておくと甘辛度が一目見てわかります。一般的に多く流通しているのが、「Brut(ブリュット)」で、フィラディスで取り扱いをしているものでもこの名称が最も多いので、その味わいを基準に甘辛度をイメージしてみて戴ければと思います。
ブリュット以外の名称をまとめると、以下のような分類になります。

近年はシャンパーニュなど北部の地域でも温暖化の影響でブドウの完熟度・糖度が上がったため、最後の甘味調整を必要としないくらいの熟度のブドウを収穫できるようになり、あまり多くのドザージュを必要としなくなってきました。
大手有名メゾンのスタンダードクラスですと10g/Lを超えるドザージュ量のものが今も主流ですが、「RM(レコルタン・マニピュラン)」と呼ばれる栽培醸造家のシャンパーニュですと、栽培段階でブドウ果実の熟度・凝縮度を高めることでドザージュは6-8g/Lくらいに抑えられているものが多くなってきました。

そして、甘味リキュールを一切加えない極辛口スタイルのものもトレンドに。「ブリュット・ゼロ」「ブリュット・ナチュール」「ノン・ドザージュ」「パ・ドゼ」など、様々な名称でリリースされています。ブドウの熟度を極限まで高めないとただ酸っぱいだけのものになってしまうが故、これを上手く造れる生産者はやはり高く評価されますよね。

それでは今回はこのくらいで・・・。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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