ワインボキャブラ天国【第156回】「遅摘み」 英:late harvest 仏:vendange tardive
- 2023.01.08
- ワインボキャブラ天国

連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「遅摘み」
英:late harvest
仏:vendange tardive(ヴァンダンジュ・タルディヴ)
実ったブドウ、すぐには収穫せずにギリギリまで待つ・・・
「遅摘み」とは、実ったブドウの収穫時期をギリギリ(腐る寸前??)まで遅らせ、水分が蒸発によって失われることで糖度・凝縮度が最大限高くなった段階で摘み取ること。
上記のように、英語では「late harvest(レイト・ハーベスト)」、フランス語では「vendange tardive(ヴァンダンジュ・タルディヴ=vendangeが収穫、tardiveは遅い、の意味)」、ドイツ語では「spatlese(シュペトレーゼ/シュペートレーゼ)」などと呼ばれます。
「遅摘み」のブドウによるワインを造っている代表的な地域はフランスのアルザス地方や南西地方の「ベルジュラック」「モンバジャック」「ソーシニャック」等のアペラシオン、ドイツやイタリア、オーストラリアや北米など。これら「遅摘み」の表記をする際には産地毎に定められた規定の糖度を満たす必要があり、出来上がりのワインは基本的には甘口のスタイルとなります(*遅摘みの辛口ワインも存在します)。
「遅摘みワイン」の生産に適しているのは・・・
「遅摘みワイン」の生産に適しているのは、強い日照・高い気温でブドウが過熟しない冷涼な地域、且つ収穫時期に雨があまり降らず気候が安定している地域。通常のブドウに比べ1週間~数週間もハングタイム(ブドウが樹にぶら下がっている期間)が長いため、当然気候変動のリスクに晒される時間が長くなるからです。
遅摘みワインは概して価格の高いものが多くなっています。これは、収穫を遅らせて水分を失ったブドウから造るため、750mlフルボトルのワインを1本造るために必要なブドウの房数が通常よりも多くなるから。そして、安定的な原料確保が難しいことから少量生産の場合が多く、遅摘みワインは360mlハーフボトルなど小容量のサイズでリリースする生産者も少なくありません。
凝縮感たっぷり、とろけるような甘口の遅摘みワインはデザートワインとしてスイーツと合わせてもおいしく楽しめますし、そしてやはりブルーチーズとのマリアージュは絶品…是非ともお試し戴きたい組み合わせです。
それでは今回はこのへんで・・・今日も、あなたの表現するワイン世界が少し広がりました!
【今回紹介の用語「遅摘み」に関連したその他のコラム】

-
前の記事
ワインボキャブラ天国【第155回】「棚仕立て」 英: pergola 仏: pergola 2022.12.25
-
次の記事
ワインボキャブラ天国【第157回】「タートヴァン」 英仏:tastevin 2023.01.15