ワインボキャブラ天国【第157回】「タートヴァン」 英仏:tastevin
- 2023.01.15
- ワインボキャブラ天国
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「タートヴァン」
英仏:tastevin
今回は、ワインの利き酒に使う道具をご紹介
今回ご紹介の言葉は「タートヴァン(タストヴァン)」、フランスなどでは伝統的にワイン生産者・ソムリエが利き酒に使用している(主に)銀製のお皿です。写真で見て戴くと分かるかと思いますが、お皿の部分には凹凸が付いており、ワインを注ぎ光を当てると反射して色調・濃淡が良く見えるようになっています。ちょっとワインの量が多いですが、下の画像のような感じで使用します。
暗い地下カーヴなどで使用することを想定した道具で、かつて電気の無かった時代にも蠟燭の灯りによって色の状態が良く見えるように銀で造られています。真っ暗なカーヴで樽から少し注ぎだしたワインを蠟燭の火で眺めながら状態を見る・・・なかなか雰囲気ありますよね。
近年はあまり使われなくなっているのでは・・・?
フランスのブルゴーニュ地方には、この道具をシンボルにした「騎士団」があります。
その名も「シュヴァリエ・デュ・タートヴァン」。日本語で言うと「ブルゴーニュ利き酒騎士団」、ブルゴーニュのワインの普及・発展に寄与した方が叙任される団体で、その叙任式ではこんなメダルが首にかけられます。
そしてこの騎士団が年に2回実施するワインの試飲会で「優良なブルゴーニュワイン」と認定されたワインには「騎士団認定=“TASTEVINAGE”」のマークを付けることが許可されます。こんなマーク、皆さんワインショップなどで見たことがあるかもしれません。かつては実用的な道具だった「タートヴァン」も、今ではある意味象徴的なものに変わっていったわけですね。
そうそう、かつては山梨県の観光施設「勝沼ぶどうの丘」で、これを1,100円で購入すると地下カーヴでワインがテイスティングし放題、というのもありました。それも、最近は普通のグラスに変わってしまったようですが、あれはプロの気分を味わえるなかなか面白い体験だったなあ、と思います。
「タートヴァン」、欲しくなった方はAmazonでも手に入るようですよ。意外と高いですが、ワイン好きをアピールするためのアクセサリーとして使ってみてはいかがでしょう・・・首からぶら下げていたら、ちょっとHIP HOPファッション的かもしれません 笑
https://www.amazon.co.jp/「タートヴァン」
それでは今回はこのへんで・・・今日も、あなたの表現するワイン世界が少し広がりました!
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