ワインペアリング奮闘記 第11回「ヴァンサン・ボワイエ グロワール・ド・モン・ペール コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴィザン」
- 2019.10.10
- ワインペアリング奮闘記
- ヴァンサン・ボワイエ, コート・デュ・ローヌ, シラー, フランス, ペアリング, マリアージュ, レシピ, 肉料理, 赤ワイン
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第11回
ローヌ赤ワインと「カラシビ」の相性を検証!
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、何がダメだったのか考察する回とします。
■家庭の料理なので、冷蔵庫にたまたま余っていた物も積極的に使います。
■子供に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルク等は使えません。
さて今回のお題は、『グロワール・ド・モン・ペール コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴィザン』です。
フランスはローヌ地方からやってきた、シラー主体の赤ワインですね。
グラスに注ぐと、色調はダークで紫がかっています。
香りはとても豊か、熟したブルーベリーやブラックベリーなどの果実、そしてシラー主体のワインによく感じるオリーブのような香り、また、ブラックペッパーやリコリスなどのスパイスも感じます。
熟度の高い果実味の中に、爽やかな酸味の芯が通っていて心地よいです。
渋みはしっかりと感じますが、荒々しさはなく、きめ細かい印象。
親しみやすく、どこかセクシーな気配のあるワインですね。美味しいです!
合わせる料理ですが、やはりこの凝縮感とタンニン、間違いなくお肉です。
そしてスパイスを思わせる香りと、鉄分のような、血を思わせるようなニュアンスもあり、少し癖のあるお肉にもよく合いそうですね。
というわけで、今回はまずラム肉をチョイスしました。
ラム肉を焼いて、黒コショウなどのスパイスでまとめれば、すんなりと合うでしょうね。
ただ、無難にまとめても面白くないので、少し実験してみましょう!
あえてワインとはあまり縁のなさそうな「四川風」はどうでしょうか?
独特の「痺れ」がやみつきになるあの花椒をたっぷりと効かせてみては?
というわけで今回は、「羊肉のクミン&花椒たっぷり炒め」に決定です!
作り方:
花椒とクミンはホールで用意し、あらかじめよく擦っておきます。
ラム肉の肩ロースを半口サイズにカットし、塩コショウで下味をつけ、片栗粉をまぶします。
中華鍋を熱し、油をひいて強火でラム肉を炒めます。
ある程度火が通ったら、紹興酒を降って、花椒、クミン、一味唐辛子を加えて、よく鍋をふります。
仕上げに醤油をひとたらし。お皿に移したらカットした長ネギと、香草をトッピングして出来上がりです!
実食:
羊とクミンのちょっとしたクセ、そして香草のオリエンタルな香り。ワンテンポ遅れて花椒の痺れがやって来ます!
これはのどが渇きますね。早急にワインを流し込みました。
おっ!赤ワインが入ってきた瞬間、花椒の痺れがすっと鎮まりましたよ。
ひんやりとした感触と、爽やかな酸味に束の間、口内が癒されます。これは良いですね!
スパイスの強さがワインの様々な要素を壊すことなく、双方楽しむことができています。
今回、スパイス配分は花椒により比重をかけていたので、次は試しに一味唐辛子を増量してみました。
わっ。これはキツイ・・・。口の中で唐辛子と赤ワインが出会った瞬間、口内が燃え上がる感じがします。水が欲しいです。泣
まとめると、赤ワインは、花椒の辛さを鎮静化することができますが、唐辛子の辛さは引き立ててしまいました。
つまり花椒の「痺れ」主体でスパイスを構成する分には、赤ワインを合わせて楽しむことができるようです。
そして今回の赤ワイン、グロワール・ド・モン・ペールであれば、お料理のオリエンタルな風味やお肉との相性の良さも楽しむことができますね。
いかがでしたか?今回のペアリングはパワー感があって、夏バテ対策にもぴったりですよ。
ご意見、ご感想お待ちしておりますね。次回もお楽しみに!
『ヴァンサン・ボワイエ グロワール・ド・モン・ペール コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ヴィザン 2017年』
(フランス / コート・デュ・ローヌ産赤ワイン ブドウ品種:シラー95%、グルナッシュ5%
熟成:コンクリートタンクタンクで8カ月)
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