ワインペアリング奮闘記 第15回「フィンカ・ヴィリャクレセス プルノ」
- 2019.10.22
- ワインペアリング奮闘記
- スペイン, フィンカ・ヴィリャクレセス, ペアリング, マリアージュ, レシピ, 肉料理, 赤ワイン
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第15回
お料理を『もう一歩』ワインに引き寄せる!
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、何がダメだったのか考察する回とします。
■家庭の料理なので、冷蔵庫にたまたま余っていた物も積極的に使います。
■子供に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルク等は使えません。
さて今回のお題は『フィンカ・ヴィリャクレセス プルノ』です。
来ましたね、プルノ!私のお気に入り赤ワインの一つです。
スペインの名産地リベラ・デル・デュエロ産、品種はティント・フィノと記載がありますが、テンプラニーリョの別名ですね。
大ぶりのグラスで香りをとってみると、よく完熟したブルーベリー、ブラックベリー、カシス。とても香り豊かです。
ブラックペッパーやクローブ等のスパイス、樽由来のヴァニラがはっきりと感じられ、コーヒーのようなニュアンスもあります。
口に含むと、口当たりは滑らか。香りの印象と同様に、黒いベリーを中心とした凝縮した果実味を感じます。
印象に残ったのは、中盤から現れる綺麗な酸。全体の味わいをうまく引き締めてくれています。
タンニンのグリップはやや強め。骨格はしっかりです。調和がとれていて、飲みごたえも十分。満足度の高い一本ですね。
お料理との相性ですが、やはりお肉ですね!
厚めのカットで、噛み応えのあるしっかりとしたお肉を、濃い目のソースでいただくと良いかなと思います。
このワイン、実は、我が家では焼き肉用の常備ワインなのですが・・・「お家焼肉」はこのコラムで既に採り上げていますよね。
ここは、何か変化球を投げなきゃいけないですね。
それでは、同じ焼き肉でも『豚肉』ではどうでしょう?
牛肉に比べやや淡白、白ワインをペアリングすることも少なくない豚肉ですが、より赤ワインに寄り添うよう工夫することはできないでしょうか・・・?
そう思いネットを検索したところ、ありました!うってつけのメニューが。
それは豚肉を赤ワインによーく付け込んでから、豪快に焼く『ワイン・サムギョプサル』です!
しっかりと赤ワインがしみこむことで豚肉にコクや厚みが生まれ、濃厚赤ワインとの親和性アップが期待できそうです。
お料理の味わいを、もう一歩ワインに近づけていくイメージですね。
作るのも簡単そうですし、早速やってみましょう!
作り方:
豚バラ肉ブロックを厚めに、繊維と平行にカットします。
1cmの厚みで、とお肉屋さんに頼んだら快くカットしてくれました。ニュークイックさんありがとうございます。
このお肉を、赤ワインと、ローズマリー、ローリエ、塩でしっかり数時間漬け込みました。(密閉バッグを使うとワインは少量で済みます)
焼く時に水分を切って、フライパンで両面しっかりと焼きます。
出てくる脂分はフライパンの端に寄せ、スライスしたニンニクを揚げました。
お皿にサニーレタスとエゴマを盛り付けます。薬味として、刻み長ネギを一味と酢であえたものも。
タレ(サムジャン)は、コチュジャン、味噌、すりごま、酢、ごま油を和えたもの。
焼けたお肉はハサミで切り、薬味とタレをつけて、お野菜で巻いていただきます。
実食:
まずやってくるのは、レタスのさくっとした食感と、エゴマの特徴的なアロマ。爽やかですね。
さらに噛みしめると、豚肉からじゅわっと熱くて甘い脂が染み出して来ます。
待ちきれずにフィンカ・ヴィリャクレセス プルノを流し込むと・・・うんうん。いけます!
プルノの持つ凝縮した味わいが、ソースの一部ようにお肉に馴染んでいます。
お肉を赤ワインに付け込むことで、確かに味わいにコクと厚みがプラスされ、ワインとの相性もアップしている印象でした。
コチュジャンを使った濃厚なタレも、ワインとの組み合わせの中で、さらなるコクを与えてくれています。
そしてやはり、しっかり厚みのあるお肉とプルノの強めのタンニンのバランスは非常に良いですね。
とても楽しく、ワイン・サムギョプサルとプルノの相性を楽しむことが出来ました。
いかがでしたか?
今回は、一見食材とワインが相性としてベストと思えない時でも、アイデア次第で引き寄せることができるという一つの例になったと思います。
そしてプルノは本当にお肉と合わせると最高ですので、肉食系の方はこのワインを是非常備して下さいね。
ご意見、ご感想お待ちしております。それでは次回もお楽しみに!
『フィンカ・ヴィリャクレセス プルノ 2017年』
スペイン/リベラ・デル・デュエロ産赤ワイン
ブドウ品種:ティント・フィノ(テンプラニーリョ)種90%、カベルネ・ソーヴィニヨン種10%
熟成:フレンチオーク樽で12ヶ月熟成
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