ワインペアリング奮闘記 第113回 トータス・クリーク ソーヴィニヨン・ブラン × 白身魚のライムソース
- 2021.09.24
- ワインペアリング奮闘記
- アメリカ, カリフォルニア, ソーヴィニヨン・ブラン, トータス・クリーク, ペアリング, 星5つ, 白ワイン, 白身魚, 蒸し料理
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第113回
今回の課題は『トータス・クリーク ソーヴィニヨン・ブラン』です。 アメリカ・カリフォルニアの生産者によるソーヴィニヨン・ブランです。
テイスティング
レッグが長めに見られ、少し粘性があるのかなと見受けます。
香りは熟したグレープフルーツに、グアバやパッションフルーツ、白胡椒、微かにハーブ。
口当たりはトロリとした印象。たっぷりと熟した果実味が広がった後、フレッシュな酸味が現れます。
ミドルから、ボリューム感をしっかりと感じます。アルコール度数もやや高めの印象です。
全体的に陽性で、よく熟したトロピカルな要素のあるソーヴィニヨン・ブランです。
相対的にフランス産ソーヴィニヨン・ブランに見られるような清涼感や酸味はやや控えめです。
アメリカらしく面白い個性のあるワインで、ペアリング師の血が騒ぎます(笑)
合わせる料理
※あっさりとした鶏肉や、豚肉を淡白に仕上げるのもアリだと思います。
調理法ですが、刺身など生ものはあまり似つかわしくないでしょうね。
ワインにそこまでシャープ感がないからです。
むしろ、熱を通してあげたくなる印象なので、蒸し料理としました。
プラー・ヌン・マナオは、白身魚を蒸してハーブやライムのソースを和えた、トロピカル&アロマティックな魚料理。今回のソーヴィニヨン・ブランにはぴったりじゃないかと思ってセレクトしました。
レシピ
ニンニク(たっぷり3〜4片程)、鷹の爪、パクチー茎をみじん切りにして器に。
ここにカップ1程度のチキンスープを注ぎ入れます。ライム果汁、ナンプラーを加えて味をみます。
白身魚は何でもいいのですが、鯛をセレクト。図らずも鯛のタイ料理に・・・(^_^;)
下処理として、内臓を取り除き、塩、酒をふります。
そしてお腹のスペースにレモングラスの茎、スライス生姜(本来はタイ生姜)、庭で収穫したレモンの葉(本来はコブミカンの葉)を詰め、20分ほど蒸します。
蒸し上がったらライムソースを回しかけ、輪切りライムとパクチーの葉を添えて出来上がりです。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★ アローイ!(美味しい)
【評価ポイント】
○ふっくら蒸し魚のテクスチャ&ボリュームが、白ワインのなめらかさ、厚みのある果実味にバランス
○ニンニクがしっかり効いたスープが、白ワインのコク、旨味を増強
○鼻に抜けていく柑橘+ハーブの香りが、ソーヴィニヨン・ブランのアロマとぴったり合致!
タイ料理なのに、不思議・・・カリフォルニアのソーヴィニヨンにぴったり合ってしまいました。
ペアリングのポイントは、料理を辛くしすぎないこと。
例え辛党でも、ワインとのペアリングを考えるなら、少し控えめが吉でしょう。
そして、ワインは冷やし目で。冷やしが甘いと、ダレてしまいます。
今回のワイン以外にも、フレッシュな辛口プロヴァンス・ロゼ等も、きっと合うと思います。
・・・最後に思い出話を一つ。
20代の頃、バックパッカーの一人旅でタイを訪れた時、レストランでプラー・ヌン・マナオを見かけました。
美味しそう、食べたいー!と思いつつ、お一人様では頼み辛くて、ありつけませんでした。
それだけに今回は夢が叶った気分です。
今回トータス・クリーク ソーヴィニヨン・ブランをテイスティングしなかったら、この料理を作る機会はずっとなかったでしょうね。様々な料理へのインスピレーションを与えてくれる、ワインに感謝です。
それでは次回もお楽しみに!(西岡)
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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