ワインペアリング奮闘記 第126回 クリスマスイブにシャンパンと魚料理はいかが? / シャンパーニュ ギボラ モンテギュ
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第126回
クリスマスイブにシャンパンと魚料理はいかが?
今回の課題は『ギボラ モンテギュ』
毎年クリスマスシーズンの課題としてシャンパーニュがセレクトされますが、今回は特に上級品。シャルドネの聖地“白い丘”、コート・デ・ブランのシャルドネを100%使用し、5年と8ヶ月(長い!)も醸造元で熟成させてから出荷される特別なキュベです。
テイスティング
グラスに注ぐと、生き生きとした元気な泡立ち。透明感のある麦わら色が美しいです。
香りは、熟度の高い果実にカラメルやトーストのニュアンスが伴い、焼きりんごやアップルパイを思わせます。その奥にオレンジピールや、アニス、アーモンド、シェリー。熟成期間の長さを香りからも感じますね。
口に含むと、早い段階からシャープさのある酸味。そして、熟リンゴのような密度のある果実味が広がります。
ミドルからは舌に染み込むようなミネラル感があり、旨味やコクを感じます。飲み込み後のボリューム感も十分ですね。
アフターは深みのある味わいが舌に残り、軽くスモーク感のあるアフターフレーヴァが持続します。
全体的に熟成感がある中で、果実の生き生きとしたニュアンスがまだまだ感じられ、中盤以降は複雑味や深さを感じさせるシャンパーニュでした。
品質の高さをしっかりと感じられ、料理と合わせるのが楽しみになりました!
合わせる料理『カンパチのムニエル・アーモンドソース』
シャンパーニュに合う料理のスタイルは至極簡単に言えば淡白な素材にクリスピーな食感といった所ですが、シャンパーニュの味わい傾向によって、その中でも選ぶべき素材や調理法に違いが出ます。
今回のモンテギュの場合、複雑味やコクを感じさせる深い味わいなので、素材は淡白すぎずコクの強いカンパチをチョイスしました。調理法は熟成由来のロースト香が印象的なので焼き物にして、香ばしいアーモンドソースを合わせます。
ちなみにクリスマスに七面鳥を食べるのはアメリカ文化、ヨーロッパ各国では魚料理もよく食されるそうなのでクリスマス料理としても遜色ないでしょう!
レシピ
カンパチは刺身用柵を使用。塩を振って冷蔵庫で1時間程寝かしたら、流水で軽く洗ってキッチンペーパーで水を拭き取り、薄く全体に小麦粉をまぶします。
ナッツの香りを出したいため今回はマカダミアオイルを使用しました。フライパンの弱火で皮面から、10分くらいかけて全面焼きつけます。完全に熱を通すとパサつくので、中央部はしっとり感を残すイメージで。刺身用ですし多少レアでも問題ありません。あれば仕上げにバーナーで焼きを入れます。
再びマカダミアオイルを使って、スライスアーモンドを弱火でローストしていきます。
アーモンドが色づいたら、塩、シャンパーニュ少々、そして醤油を加え軽く煮立ててソースの完成です。
カンパチを厚めに切り分けてナッツソースをかけて、市販のフライドオニオンを散らして出来上がりです。(彩りにハーブを添えても良いですね)
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★ 食べ応えも、飲み応えもしっかり!
【評価ポイント】
○ナッツのフレーヴァと熟成シャンパーニュの香りの相乗効果
○パリッの内側にしっとり柔らか。シャンパーニュのシルキーなテクスチャとの相乗効果
○旨味の強いカンパチと醤油の風味、コクの深いシャンパーニュの味わいが相乗効果
○料理、シャンパーニュ共に豊かで奥深い余韻
手前味噌ですが、めちゃくちゃ美味しかったです。
今回はしっかりテイスティングし計算づくめで挑み、自分にできるベストなペアリングではないかと思います。
家族受けもバッチリでしたよ。
この時期カンパチの柵は手に入り易くリーズナブルで調理も案外簡単ですし、魚好きの皆さんのクリスマスディナーにいかがでしょうか?
それでは、次回もお楽しみに!(西岡)
今回のペアリングワイン
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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