ワインペアリング奮闘記 第127回 筑前煮に合うピノ・ノワール / ドメーヌ・カンタン・ジャノ ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
- 2021.12.31
- ワインペアリング奮闘記
- ドメーヌ・カンタン・ジャノ, ピノ・ノワール, ブルゴーニュ, ペアリング, マリアージュ, 星5つ, 煮物, 筑前煮, 鶏肉
目次
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第127回
筑前煮をつまみにピノ・ノワールを楽しむ
さて、今年最後のペアリング課題は『ドメーヌ・カンタン・ジャノ ブルゴーニュ・ピノ・ノワール』
あれ、このワインまだ取り上げてなかったっけ?という声が上がるほど、フィラディスワインクラブでは定番のブルゴーニュ・ピノ・ノワールです。エントリークラスのピノ・ノワールで、まずはどれが良いかと聞かれたらこれと答えるでしょうね。
テイスティング
グラスに注ぐと、透明感のあるルビー。
香りはフレッシュなラズベリーや苺、ブルーベリーのミックスバスケット。その奥に湿った土のニュアンスが感じられます。
口に含むと、アタックから瑞々しい酸味を伴った果実味がするすると流れ込んできます。
優しく、繊細なジューシーさが心地よいですね。
ミドル以降は軽めのミネラル感、そして旨味を感じます。
序盤ややトーンは高めに感じましたが、時間が経つと落ち着きと強さが現れてくるようでした。
この生産者のワインを飲むといつも思うのは、飾らない造りだなぁという事ですね。
自然の大きな力と常に向き合っている作り手の考え方が現れているようで、親しみを感じます。
合わせる料理『筑前煮』
今回は和食です。筑前煮は、お正月休みに食べる方も多いのではないでしょうか。
鶏肉の旨味やゼラチン分が、根菜や椎茸にじっくりと染み込んだ筑前煮。
素材の味を生かした素朴な料理なので強いフルボディ赤ワインを合わせるのは難しいですが、今回のブルゴーニュ・ピノ・ノワールのように、繊細さのあるミディアム・ボディ赤ワインは合うと思います。そもそも鶏肉・根菜・キノコ類とは相性が良いのがピノ・ノワールですから、黄金のペアリングが期待できるでしょう。
レシピ
各ご家庭の作り方で大丈夫ですが、ここでは下記の材料を使用しています。
鶏もも肉/干し椎茸/にんじん/里芋/コンニャク/絹さや
里芋とコンニャクは下茹でしましょう。
鶏もも肉から自然に染み出した油で具材全体を炒めます。
その後鍋に移し、水、みりん、酒、醤油、砂糖を加え、落とし蓋をして煮ていきます。
最後に絹さやを軽く煮合わせて完成です。冷めてからの方が美味しいですよね。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★ 止まらなくなる
【評価ポイント】
○どちらかが強すぎず、余韻の長さのバランスも良好
○鶏肉と野菜から染み出したエキス分にピノ・ノワールが加わることで全体の深みが増す
○特にゼラチン分が染み込んだゴボウや干し椎茸との相性が最高・・・
△絹さやはワインとの相性ではなく「飾り」とわきまえよ
年末年始は、昼間からこのドメーヌ・カンタン・ジャノ ブルゴーニュ・ピノ・ノワールを開けて。
筑前煮をつまみにしてバラエティ番組でも見ながら飲みだすと止まらないと思いますよ。
それでは、次回もお楽しみに!(西岡)
今回のペアリングワイン
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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