ワインペアリング奮闘記 第147回 ブルゴーニュに浸りたい、そんな夜に / シャトー・ド・マルサネ マルサネ・ルージュ 2019年
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第147回
ブルゴーニュに浸りたい、そんな夜に
※アレルギー負荷試験を乗り越えて最近バターOKになりました
今回のペアリング課題は『シャトー・ド・マルサネ マルサネ・ルージュ 2019年』です。
ブルゴーニュのコード・ド・ニュイ最北端の村、マルサネ村の村名クラス、品種はピノ・ノワールです。
プルミエ・クリュ制定の噂で持ち切りのマルサネ村の、いろんな意味で今オイシイ区画をブレンドした赤ワインです。
テイスティング
色調はややパープルがかったルビー。レッグがやや長めに出ていました。
香りは第一印象やや還元的なので、早めに抜栓しておくのが良さそうですね。
10分ほど経ってからスワリングしていくと、フレッシュなラズベリーやブルーベリー、アールグレー、リコリス、バラと華やかさのある香りが上がってきました。
口に含むと、香りの印象と違わずフレッシュなベリー系の甘酸っぱさを感じます。
緻密に詰まったエキスに、タンニンはシルキーで、ミドルからはややほろ苦いニュアンスが現れます。
アフターにかけて、ミネラルの複雑味と瑞々しい果実のフレーヴァが持続していきます。
全体として、ピュアで整った印象のエレガントなミドル・ボディの赤ワインで、コート・ド・ニュイらしい繊細な魅力を楽しむことができました。
合わせる料理『コック・オー・ヴァン』
ミドルボディで全体的にトーンがやや高め。ストライクゾーンは鶏肉や鴨肉かなと思います。
ブルゴーニュの赤ワインらしさが綺麗に現れているので、料理もできれば土地のものが良いと思いました。というわけで今回はブルゴーニュの家庭料理である、鶏肉の赤ワイン煮込みコック・オー・ヴァンを作っていきます。
レシピ
鶏胸肉の皮目に切れ込みを入れて2時間ほど赤ワインに漬け込んでおきます。骨付きがあればベターですね。
水気を拭き取って塩胡椒でしっかりと下味をつけたら、皮目がこんがりとするまで焼きを入れます。
鶏肉を一旦取り出し、同じフライパンでニンニク、人参、玉ねぎを炒めます。
そこに鶏肉を戻し入れ、赤ワインをたっぷりと注ぎ込んでローリエを加えたら、1時間程とろ火で煮込みます。
鶏肉を取り出して、残りはブレンダーでソース状にします。※ブレンダーがなければ野菜は姿のままで構いません。
付け合わせは茹でたスナップエンドウと、ソテーしたマッシュルーム。ピンクペッパーとローズマリーをトッピングして完成です。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○ほろっと崩れるほど柔らかい鶏肉に、繊細な赤ワインのテクスチャがマッチ
○コック・オー・ヴァンの適度な酸味が赤ワインの酸味と非常に相性が良い
○素材が溶け込んだ料理にマルサネ・ルージュが重なると、旨味、複雑味の余韻が更に長くなる
赤ワイン煮込みと赤ワインのペアリングは鉄板ですが、鶏肉を使うコック・オーヴァンは重心が高めな分、今回のマルサネ・ルージュとは特に相性の良いものを感じました。後半までフレッシュな果実味と複雑な旨味を楽しむことができて、正にマリアージュと呼べる組み合わせになりました。
ちなみに煮込みに使った赤ワインは、スーパーで売っている南アフリカのライトボディ。
ブルゴーニュのピノ・ノワールと共通点がありつつ価格が安いので、今回の料理にぴったりでした。
それでは、次回もお楽しみに!
(西岡)
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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