「ワインラベルの読み方」 ワインはじめて講座

「ワインラベルの読み方」 ワインはじめて講座

ラベルを分割して見る

今回は「ワインラベルの読み方」です。 細かく一つずつ丁寧に説明していきます。ゆっくりと進んでいきましょう!まずは上のラベル画像を見てみてください。

「ワインのラベルなんて読めない」という方でも、 大きな文字が「ブルゴーニュ」であることや、数字が「年号」であること、 「ピノ・ノワール」というブドウの品種名が書いてあること、などは読み取れるのではないでしょうか。

ワインのラベルに書いてあることは、実は非常に限定された最低限の情報です。 「誰が、いつ、どこで、どうやって造った、何という名前のワインです」という、 5W1H的な基本情報が記載されているだけです。 ここには専門家にしか読み取れないような複雑な情報はありません。 あとはせいぜい「アルコール度数は12.5%です」とか「酸化防止剤、使っています」程度です。

When「いつ」

ラベルを各パートに分けて見ていきたいと思います。
まず、多くのワインに書いてある西暦の年号。
これが「ヴィンテージ」だということは誰もが理解できると思います。

では「ヴィンテージ」とは、何をした年でしょうか。
これはあくまでも「ブドウの収穫年」です。
ワインが瓶詰めをされた「製造年月日」のようなものではなく、 1年に一度実をつけ、晩夏から初秋にかけて収穫される作物であるブドウの収穫された年。

ワインが瓶詰めに至るのは、地域や生産者の考え方、熟成の期間などの影響で翌年以降になるのもごく普通。
もし「瓶詰めをされた年」だとすると、 例えば2015年に収穫して仕込み、3年間熟成させたワインを今日瓶詰めしたら「2018年ヴィンテージ」。
なんだか、折角熟成させたのに造ってすぐ詰めた早飲みワインのようになってしまいます。
ウィスキーなどは熟成を始めた年を起点として「10年物」「17年物」という表記をしますが、
ワインとは全く異なる考え方、ということですね。

ヴィンテージは、あくまでも「ブドウの収穫年」だということ。ここが第一のポイントです。

Where「どこで」

今度は、同じラベルの真ん中辺に書いてある「どこで」の部分に注目しましょう。
このラベルには大きく『BOURGOGNE』と書かれているのが見つかりますよね。
これが『ブルゴーニュ』で作られた、という意味です。

そしてもう1か所、産地に関する記述があります。
2行下には『Appellation Bourgogne Controlee』という表記があるのが見つかるでしょうか。
これが「ブルゴーニュの産地で造られたことが認定・保障されています」という意味です。
Appelationが「原産地」、Controleeは「コントロール=管理された」という意味です。

例えばこればボルドーワインなら、大きく『BORDEAUX』と書かれた下に、 『Appelation 【Bordeaux】 Controlee』と表記されます。
真ん中の【 】部分にそのワインの産地名が入り、 そこで造られたことが保証されているワインですよ、と表示していくルールは、 フランスワインなら共通となっています。

ワインが産地名を名乗る際にはこのような表記法が必須ですので、 この真ん中の部分を見れば「どこで造られたか」がすぐに判別できるわけですね。

Who「誰が」

さて、これで「いつ、どこで」造られたワインか、が読み取れたわけです。
そうすると次は「誰が造ったか」ですよね。
今回例に取ったワインは「Francois d’Allaines フランソワ・ダレン」さんが造ったワイン。
ラベル上部の真ん中に書いてあるのが、生産者の名前です。

但しこの「造った人の名前」は、必ずしも人の名前ではありません。
ボルドーワインなら「Chateau ●● / シャトー・●●」、 「△△ Winery / △△ワイナリー」のように、社名で表記されている場合もあります。

いずれにしても必ず生産者名は表面に大きく記載されておりますので、 『Appellation 〇〇〇 Controlee』の○○部分と同じ内容の表記以外で大きな文字の表記があったら、 それが「造った人の名前」と判断すれば良い、というイメージです。
(このワインだと、BOURGOGNEという表記は真ん中とその2行下に2回表記されていますよね)

これで、このワインの素性はほぼはっきりしましたよね。
後は、いくつかの細かいワイン情報がラベルに記載されています。

How「どうやって」

ラベルで読み解く部分はあと3行!
これで皆さんも、ボトルを手に取ってバックラベルを見なくても、 ある程度の情報は棚に並んでいる段階で把握できるようになっていきますよ。
(勿論、産地の名前などを覚えつつ、ですけどね。)

今日は下から二番目の行を見てみてください。
「Mis en bouteille par FRANCOIS D’ALLAINES, Demigny, Saone-et-Loire, FRANCE」
やや長い文ですがここは「瓶詰め場所」が記載されています。
「Mis en bouteille」は、「瓶詰めをされた(bouteilleは、bottle=ボトルの意味です)」。
あとは、France=フランスの、Saone-et-Loire=ソーヌ・エ・ロワール県の、Demigny=デミニー村で、
FRANCOIS D’ALLAINES=フランソワ・ダレンによって瓶詰めされた、と書いてあります。
これは、生産したフランソワ・ダレンが瓶詰めまできちんと蔵元で実施しています、という意味。
生産者が最後の瓶詰めまで一貫してやりました、ということを保証しています。
桶売り・買いしたワインを、どこか別のところで詰めたような素性の怪しいワインではないですよ、 ということをしっかりと主張している訳ですね。

生産国には、ブドウを栽培農家から買って仕込んだり、 既にワインに仕込まれた状態で買ってブレンドして詰めたりするだけの
「ネゴシアン(ワイン仲買業者)」と呼ばれる会社もありますが、うちは全部自社でやっています、 という主張をしているわけですね。

いつ、だれが、どこで、どうやって作ったか・・・
ラベルに書かれているのは、全てそんな自己紹介に繋がるわけですね。

その他の情報

残りはあと二行です。ここまでくればもう怖いものはありません。
『BOURGOGNE』の上にあるやや難しいフランス語は最後に残しておきましょう。
殆どのワインでラベルの一番下に記載されているいくつかの文言をご説明します。

まず左下の「12.5% vol」、これはこのワインのアルコール度数。
必ず表記する義務がありますが、ワインによってはバックラベルの中に記載されています。
大体のワインは11.5%~14.5%位の範囲に入りますが、度数の高いワインは南の温かいエリアのワインが多い傾向。
日照に恵まれた果実はアルコールの元となる糖分が多いので、 味わいのバランスを取るためにもアルコール度数が必然的に高くなります。

反対側の右下「750ml」これがワインの容量だということは誰にでも分かりますよね。
そして真ん中の2つのうち左側「Produit de France」は、フランスで造られました、という表記。
詳細な産地名も表記しつつ、国名もきちんと表記しています。

最後はその右の「contient des sulfites」、これは「亜硫酸塩を含んでいます」という表記です。
酸化防止剤として亜硫酸塩を添加したワインには、表裏ラベルのどこかに必ずこの表記があります。
(「亜硫酸塩」については、先日アーカイブメールで詳細な記事をお送りしましたので、 そちらのメールまたはCLUB30ホームページ上のコラムを参照してくださいね。)

樽熟成

最後はこのラベルに記載された内容で唯一残った部分・・・
つまり、真ん中の『BOURGOGNE』の上に書かれた『Eleve on fut de chene』という部分についてです。
(フランス語のアクセント記号がフォント上抜けておりますので、その点はご了承ください)

これは「樽で熟成させました」という意味の文言です。

実はこの表記は法律で必ず表記しなければいけないものではないので、 生産者が記載したければ書く、という内容。
ですから、これが書いていないから樽熟成をしていない・・・というわけではありません。
樽熟成をしているなら、表記をするのは自由ですよ、という項目です。

ですがやはり「樽で熟成した」なんて書いてあると、 それだけで高級感も感じさせますし、 何より「丁寧に仕込んだ、クオリティの高いワイン」という印象を与えられます。
だからこの表記については、文字の大小はあっても、記載する生産者は結構多いです。

では「ワインを樽で熟成させる」とはどういうことなのでしょうか。
熟成したワインは、何が変わるの??
というのは、ワインに興味を持って暫くすると必ず出会う疑問だと思います。

ワインの熟成について、またこちらのページで分かりやすくご紹介しています。
「ワインは寝かせれば寝かせるほど良いのか??」というところから始めていますよ。

それではここまで最後までお読みいただきありがとうございました。本当にお疲れさまでした!
これだけ様々な情報がラベルには詰まっています。ワインそのものから多くを感じ取るだけではなく、ラベルからもたくさんのことを読み取ることができるのです。


今日も1歩、あなたはソムリエに近付きました!

 【当店のおすすめワイン】 

今回は「ワインラベルの読み方」というテーマでしたので、フランスのブルゴーニュとボルドーからラベルが読みやすい2本をご紹介。まず、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールでお奨めしたい ドメーヌ・ルイ・ギョーム ブルゴーニュ・ピノ・ノワール は、フルーティで明朗快活な1本。次に、シャトー・ベルヴュー・ラ・ランデ ボルドー はボルドーのサン・テミリオン・グラン・クリュから掘り出したワインで、シルキーな口当たりとボルドーの醍醐味がこの価格で存分に楽しめる1本。

ドメーヌ・ルイ・ギョーム ブルゴーニュ・ピノ・ノワール

シャトー・ベルヴュー・ラ・ランデ ボルドー

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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