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コンビニ惣菜ペアリング道 第26回「もうすぐ土用の丑の日、今回のテーマはスーパーで買った『鰻の蒲焼』です!」

コンビニ惣菜ペアリング道 第26回「もうすぐ土用の丑の日、今回のテーマはスーパーで買った『鰻の蒲焼』です!」

「…忘れちまったか、そうだよ俺だよ、マリアージュ師匠だよ。」

コラムシリーズ「コンビニ惣菜ペアリング道」、第26回となりました!コンビニ、スーパー、デパ地下などのお店で売っている市販のおつまみ・レトルト食品などで何の手間もかけずに色々なワインペアリングを楽しんじゃおう!というちょっとズボラなペアリングチャレンジ企画です。
実は前回が1月の終わりくらい「ランプフィッシュキャビアの回」でしたので随分と更新をサボってしまいました…申し訳ありません!!

 

「コンビニ惣菜ペアリング道」とは?

それではまず、今回初めてこのシリーズを目にされた方にまずご説明しておきますね。
コラムのタイトルは「コンビニ惣菜ペアリング道」とはしているものの、基本は「お手軽に手に入る、調理しなくて良いおつまみ」をペアリングチャレンジのテーマにしています。これまで25回分の記事はすべてアーカイブ掲載してありますので、是非これまでのチャレンジ結果も見てみてください。

これまでのシリーズアーカイブはこちらから!B級グルメとのペアリングも色々やっております。
↓↓↓
https://firadis.net/column/category/souzai-pairing/  

それでは続いて今回第26回のコラムテーマを発表!

日本人のスタミナ源!『鰻の蒲焼』

今回も「食べるものは決まっていて、それにはどんなワインが一番合うのか?」を検証していくスタイルの実験です。選んだテーマは『鰻の蒲焼』!コラムのページ公開日が本年の「土用の丑の日」の1週間ほど前ということで、急遽予定されていたテーマ「イクラ」を変更してお届けすることに致しました。

鰻、というと蒲焼や白焼き、鰻巻きにひつまぶしなどの食べ方で楽しまれる「日本の贅沢料理」というイメージが強く、合わせて楽しむお酒はビールや日本酒がメインになりますよね。
ですが、鰻は実は欧州などでも普通に食べられている食材です。
例えばワイン好きの皆さんにもお馴染み、フランスのボルドー地方には鰻(ただし、種類は「八目ウナギ」です)をニンニク、ポワロ―葱などの野菜と一緒に赤ワインで煮込んだ料理『lamproie a la bordelaise(ランプロワ・ア・ラ・ボルドレーズ)』があり、サン・テミリオンなど右岸地域のメルロ主体赤ワインと合わせて楽しむのが一般的です。また、川魚の料理が郷土料理であるロワール地方でも鰻の赤ワイン煮込みが家庭料理として楽しまれています。

そこでふと気付くのは、フランスでも鰻は赤ワインでじっくりと煮込み「甘辛」の味わいで楽しんでいるということ。フランスでは鰻は基本的に天然ものなので、泥の臭みや灰汁が多く臭い消しとしっかりとした風味を付けるために赤ワインで煮込まれます(白ワインを使う地域や料理法もあるようです)。

と、いうことは!
同じ甘辛の味わいである日本の蒲焼だってワインに合うということです。実際、一部の鰻専門店さんではワインの品揃えに力を入れ、様々な鰻料理とワインのペアリングを提案されています。
今回は赤ワインの中でも鰻に合うとされている3つの代表的な黒ブドウ品種を選び、それぞれと鰻蒲焼の相性を検証してみることとします。

今回選んだ鰻は、ご自宅で手軽に食べることを想定して普通のスーパーで売っている鹿児島県産1尾2,000円くらいのものを選定。加えて、より脂身が多い中国産の鰻蒲焼(こちらは半身で800円程)も比較のために用意してみました。
それでは早速家に帰って、マリアージュ実験開始です!

赤ワインブドウ品違い3種を用意していよいよペアリング実験開始です!

今回のワインの選定はシンプルに「赤ワインの代表的ブドウ品種で、鰻に合いそうなもの」という観点だけで以下の3つとしました。

1. メルロ主体のボルドー産赤ワイン
2. グルナッシュ100%のコート・デュ・ローヌ産赤ワイン
3. ピノ・ノワール100%のブルゴーニュ産赤ワイン

まずはメルロ、こちらは当然ボルドーの郷土料理を意識しての検証。
グルナッシュはたっぷりした果実の甘さと柔らかなタッチが食感として合いそうだから、というチョイス。
そしてピノ・ノワールは、甘辛の味わいに瑞々しい酸と旨みを加えることでマリアージュが完成するのでは・・・?という仮定からのセレクトです。
ちなみにここに入っていてもおかしくないカベルネ・ソーヴィニヨン、シラーを外したのは、そのタンニンの強さが鰻の柔らかな食感と相性が良くないかな。。。と思ってのもの。甘辛で強い味付けはしていますがやはり白身魚でもありますので、敢えて候補から外す判断をした形です。

これで準備は万端。実食を始めます。

ワイン3種類×鹿児島県産&中国産鰻の食べ方でペアリング実験開始!

ワイン1種に対し、2種類の鰻蒲焼を合わせていきます。鰻は蒲焼単体、ご飯は無し。
試食の順番は鹿児島県産⇒中国産、脂の多い中国産を後にしました。
評価は、3種のワインについて2通りのペアリング検証を5つ星中のいくつかで採点するいつものスタイルです。

それでは、1本ずつ検証の結果を紹介していきたいと思います!

 

1.メルロ主体ボルドー産赤ワイン

シャトー・デギュイユ セニョール・デギュイユ

(仏ボルドー産赤ワイン)

メルロ主体ボルドーの代表として選んだワインは、こちら。
メルロ85%+カベルネ・フラン15%という王道の「右岸スタイル」、しかもカベルネ・フランは同じ鰻赤ワイン煮込み文化のあるロワール地方の赤ワインを代表する品種ですから、これは当然大本命ということ。実験時に飲んだヴィンテージは2018年ということで、収穫から4年ほどの適度な熟成を経て獲得した滑らかさも鰻の食感と抜群に合いそうです。

【ペアリング結果】
鹿児島産鰻  ペアリング度:★★★☆☆
中国産鰻   ペアリング度:★★★☆☆

…あらら、合うようで、意外と合わない??鹿児島県産、中国産共に★3つというイマイチな評価となりました。
一番期待してたのにどういうことでしょうか。
ポイントはやはり「タンニン」でした。このワインは熟度が高くタンニンが高くなりがちな近年のボルドーとしてはまろやかなタッチではあるのですが、鰻の柔らかな食感に若干のごわつき感を与えてしまい、口の中で余計な締まりが発生して味わいが一体化せず。
中国産は脂分が多いので国産よりはバランス取れるかな…と思ったのですが、それでもやはりタンニンが強過ぎる印象。長期的に熟成させタンニンが落ち着いてきたら相性が変わるのかもしれませんが、そうすると今度は風味が合わない感じもします。これは別途調査が必要かもしれませんね。
ちなみに、山椒をパラッとかけてみたら中国産は★3.5くらいに評価UPしました。

 

2.グルナッシュ100%コート・デュ・ローヌ産赤ワイン

ドメーヌ・フォン・クローズ ラストー ル・オー・プラトー

(仏コート・デュ・ローヌ産赤ワイン)

グルナッシュ種の代表として選んだワインは、こちら。
さくらんぼやプルーン、ブルーベリーなどの砂糖漬けにナツメグや黒胡椒などスパイス色々の印象は、甘辛たれとの相性がきっと良いはず、と考えました。しかもこのワイン、僕はワインのページで絶品とお薦めしているのは「豚肉のスタミナ焼き」なんですよね。まさに甘辛醤油タレを使った料理。アルコール度数が15.5%と高めなのにもかかわらず、程良い酸があることもマリアージュ完成のポイントになりそうです。

【ペアリング結果】
鹿児島産鰻  ペアリング度:★★★☆☆(3.5くらい)
中国産鰻   ペアリング度:★★☆☆☆(2.5くらい)

こちらは期待値には届かなかったものの、鹿児島県産はそこそこの評価となりました。
脂身が控えめの鹿児島県産鰻には、グルナッシュのふくよかな果実味が重なると程良いヴォリュームUPに繋がる感じ。甘みの相性もそこそこ良く、平均点よりは良いところに着地した感じです。
一方で中国産鰻は、そのリッチな脂身にワインが負けてしまう感じ。タレと脂の甘味×果実の甘味という掛け算は結構な濃厚さになりまして、ここはバランスを取るためにもう少し酸が欲しいな、と思いました。
そしてこちらも山椒をかけることでどちらも0.5ポイントずつ評価UP。山椒のアクセントの重要性を段々強く認識することに・・・適量だとワインとかなり相性良いですね、山椒。

 

3.ピノ・ノワール100%ブルゴーニュ産赤ワイン

シャトー・ド・マルサネ マルサネ・ルージュ

(仏ブルゴーニュ産赤ワイン)

そして最後の1本はブルゴーニュのピノ・ノワール。
マルサネ村を選んだのは、石灰の感じや鉄っぽさなどミネラル分が強過ぎずしなやかな味わいで、瑞々しい果実の甘味・酸味が十分に感じられるスタイルだから。ジュヴレとかだとちょっとワインの個性が勝ってしまう、かといってブルゴーニュ・ピノ・ノワールくらいでは鰻の味付けに厚みで負けてしまうのでは…と考え、中間点位に位置するマルサネを選んでみた、というセレクトです。その他の村だったら「サントネ」なんかもスタイル的に良さそうですね。

【ペアリング結果】
鹿児島産鰻  ペアリング度:★★★★☆
中国産鰻   ペアリング度:★★★★☆

遂に来ました最高得点!・・と言っても4つ星くらいなんですよね。完璧なマリアージュとは言えませんでした。鹿児島県産は鰻の肉の旨み、たれの甘辛味にワインの酸が味わいを適度に重ね、なかなか上手にまとまったマリアージュとなりました。ただ、何かちょっと足りない感じがしたので★4つ止まりというところ。
中国産も脂身をピノの瑞々しさがきれいに中和し、味わい全体が口の中でさっぱりと仕上がる感じ。食感もきちっと揃っていて、口の中で嚙み始めたところにワインを加えると丁度一緒に無くなる感じでした。
そして‥‥ここで遂に発見したのが山椒の役どころ。
まず香りの段階でピノの華やかなアロマと山椒のツンと来る薫りが絶妙にマッチ。そして味わいではピリッとアクセントと微かな苦みが最初のマリアージュに加わり、、、遂に★★★★★マリアージュが完成しました!
山椒、すごい!

マリアージュで酸が果たす役割、そして香りのマリアージュの重要性

という訳で鰻と黒ブドウ3品種のマリアージュ実験も無事終了となりました。
結果は「鹿児島県産(国産)に山椒適量×ピノ・ノワール」が最も合った、ということになります。
この組み合わせ、本当に、素晴らしくおいしかったです!

今回の気付きとしては2点。
まずは「マリアージュにおいて酸が果たす役割の重要性」ですね。日本料理では酸味のあるものというと酢の物みたいなものしかなく、後はレモンなどの柑橘類を絞る、梅肉を加えるなど薬味的な扱いが多いので、五味の揃ったバランスの良い味わいを完成させる、となるとどうしても一緒に楽しむお酒や飲み物でプラスすることになってきます。
その際にワインが持つブドウ果実由来のフレッシュで甘さのある酸味は料理の甘さ・塩味と調和しやすく、役割を的確に果たしてくれるんですよね。
勿論、甘み×甘みで味を同方向に同調させる、という戦略もありますが、やはり「マリアージュ」という一つ上の段階に持っていくには複数の味覚要素が必要かと思います。

そしてもう1点は「香りのマリアージュ」
今回の実験では、山椒についてはどうしても好き嫌いの分かれる薬味なので「後から足してみる」程度の気持ちでいたのですが、実験を1口1口進めるにつれその重要性が際立って見えてきました。
特にピノ・ノワールの香りと山椒の香りが交わったフレイヴァーが口の中に広がったときには、思わず「うわっ、良い香り!」と口に出てしまったほど。
スパイシーなワインを飲むときには、料理にも香辛料を加えて…といった形で料理をワインに近付けていく戦法がありますよね、例えば、黒胡椒の香りのするカベルネ・ソーヴィニヨンには挽き立て胡椒たっぷりのペッパーステーキ、とか。
ワインのペアリング、最後の余韻・残響までが嚙み合ってこその完成。残り香の構築に関しても、より意識的になることで更なる素晴らしいマリアージュが生まれるのだ、ということを強く認識することができ、有意義な実験となりました!シンプルに、おいしいものたっぷり食べられて幸せでしたしね。

さて、それでは今回はこの辺で。毎回毎回、長いコラムを最後まで読んで戴いてありがとうございます!

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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