コンビニ惣菜ペアリング道 第23回「コストコのロティサリーチキンとシャンパーニュ4タイプのペアリング実験!」

コンビニ惣菜ペアリング道 第23回「コストコのロティサリーチキンとシャンパーニュ4タイプのペアリング実験!」

「忘れちまったか、そうだよ俺だよ、マリアージュ師匠だよ。」
(…今回からこんな風に始めてみます)。
コラムシリーズ「店長五十嵐のコンビニ惣菜ペアリング道」、第23回となりました。コンビニ、スーパー、デパ地下などのお店で売っている市販のおつまみ・レトルト食品などで何の手間もかけずに色々なワインペアリングを楽しんじゃおう!というちょっとズボラなペアリングチャレンジ企画です。

 

「店長五十嵐のコンビニ惣菜ペアリング道」とは?

それではまず、今回初めてこのシリーズを目にされた方にまずご説明しておきますね。
コラムのタイトルは「コンビニ惣菜ペアリング道」とはしているものの、基本は「お手軽に手に入る、調理しなくて良いおつまみ」をペアリングチャレンジのテーマにしています。これまで22回分の記事はすべてアーカイブ掲載してありますので、是非これまでのチャレンジ結果も見てみてください。

これまでのシリーズアーカイブはこちらから!B級グルメとのペアリングも色々やっております。
↓↓↓
https://firadis.net/column/category/souzai-pairing/  

それでは第23回、コラムテーマはこちらです!

コストコ名物ロティサリーチキンに最も合うシャンパーニュは、どのタイプか

前回は「飲みたいワインが家にあったとして、それに合わせるおつまみを買ってくる」形式でしたが今回は逆。食べるものは決まっていて、それにはどんなワインを一番合うのか…を検証していく方式。
選んだテーマは「コストコのロティサリーチキン(1羽で税込699円!!/ブラジル産)」、たぶんフィラディスワインクラブのお客さまには、コストコのヘヴィーユーザーが多いのでは‥‥と思い、この時期のコラムネタに選んでみました。
(*このコラムの作成用に試食・試飲を実施したのは2021年11月20日です。)

コストコのチキンはいわゆる「丸鶏」の中でもかなり大きめのサイズ。それで699円というこの価格はなかなか無いのでは。ちなみにコストコ会員でなくても、普通に楽天やAmazonでも販売されていますので購入することは可能です。ただ、それだと冷凍での宅配送料が加算されるのでかなりお高め(2,000円以上になります)…そうまでしてコストコのチキンを選ぶ必要も無いですから、お近くにコストコが無い方、会員になるほど使わない方は普通にご近所のスーパーで丸鶏を買ってオーブン焼きにすればよいと思います。

「ロティサリーチキン」、まずはそのまま試食してみました

*チキンの切り分け方やアレンジ法などはこちらのページが参考になりました
https://tokubai.co.jp/news/articles/4698

それではまず、ロティサリーチキンを単体で試食してみます。
パッケージには「500Wレンジで8分加熱」と書いてありますが、もっとおいしい温め方などは様々な料理サイトなどで説明されていますので「コストコ ロティサリーチキン 温め方」などで調べてみてください。レンジ+オーブン、ジップロックに入れての湯煎など色々な温め方があるようですよ。

それでは実食(僕は丸鶏を切り分けるのが決して上手ではありませんので、上記の写真はお借りしたものです。)。
まず、全体的な味付けは結構濃いめ、甘めで少しスパイシーといった感じ。皮目の部分は特に味付けがしっかりしています。背肉部分は脂が無くややパサつきがあり、この部分は単体で食べると口の中の水分が全部持っていかれる感じですが 笑、ワインと馴染ませると旨みがじんわりと出てきそう。腿肉の部分は味も濃く脂身もしっかりしているので、ここはワインにも多少味わいの濃さが求められそうですね。部位によって食感=テクスチュアの違いは結構大きく、予想していたよりも合わせるときの難易度は高そうですね。
ですが、この一羽の丸鶏のどの部位と合わせて飲んでもおいしい1本、を探していくのを今回の主題にしたいと思います!

、4タイプを用意していよいよペアリング実験開始です

今回用意したシャンパーニュの4タイプは、以下の通りです。
1.ブラン・ド・ブラン(白ブドウのみで仕込んだタイプ シャルドネ100%、きりっとした辛口タイプ)
2.ブラン・ド・ノワール(黒ブドウのみ ピノ・ノワール100% フルーティでヴォリューム感のあるタイプ)
3.ブレンド(ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%ブレンド、柔らかでバランスの取れたタイプ)
4.ロゼ(ピノ・ノワール100%で仕込んだロゼ 14%は赤ワインをブレンドした色が濃くパワフルなロゼ)

この4本を合わせていくわけですが、チキン単体を試食してみての僕の相性予想順位は4⇒2⇒3⇒1かな、といったところ。味付けが結構濃いアメリカン・スタイルですので、それ相応の味の濃さ、ヴォリューム感、そして特に焼き目の部分には黒ブドウ由来のタンニン分があったほうが良さそうだな、と考えました。

それでは、早速一つずつ合わせてみましょう!

それでは早速シャンパーニュひとつひとつをチキンに合わせながら相性の検証をしていきたいと思います。

1. ブラン・ド・ブラン(白ブドウのみで仕込んだタイプ シャルドネ100%、きりっとした辛口タイプ)
1本目に選んだシャンパーニュは、こちらです。

『クロード・カザル カルト・オール ブラン・ド・ブラン グラン・クリュN.V.』

シャキッとフレッシュなブラン・ド・ブラン、酸がはっきりと前に出てミネラルも豊かなタイプですが、果実味が非常に豊かなので辛口過ぎない、硬すぎない。ブラン・ド・ブランならではの特性が非常に分かりやすく表現されていて、1本のシャンパーニュとしても本当に良くまとまっていておいしい1本です。
ただし、それでもこのチキンに合わせたところでは今ひとつ、ふたつといった感じ。特に焼き目の部分との相性が良く無いようで、焦げた部分の苦みなどが強調されてしまった感じ。背肉など白身の部分に合わせるには、ミネラルのパキッとした口当たりのため味わいが伸びない感じ。こんなにおいしいシャンパーニュなのに、残念な相性でした。

ペアリング度:★★☆☆☆

2. ブラン・ド・ノワール(黒ブドウのみ ピノ・ノワール100% フルーティでヴォリューム感のあるタイプ)
2本目に選んだシャンパーニュは、こちら。

『ティエリー・ウリー ブラン・ド・ノワール アンボネイ・グラン・クリュ・ブリュット N.V.』

グラン・クリュ アンボネイ産の丸みがあり柔らかリッチなブラン・ド・ノワール。ティエリー・ウリーのシャンパーニュはどれもふくよかで味わいが濃いめなのが食事に合わせやすいところ。それでいて、ピノ100%のベリー感や果実の甘さばかりが強く主張過ぎないので比較的合わせる料理の幅が広い1本だと思います。
こちらは当初の予想通り鶏の風味との相性がGOOD。スパイス感も良く馴染んでいます。特に焼き目の濃い部分ではブラン・ド・ブランのような苦みも出ず味わいが濃く、豊かに。脂身の少ない部位もワインの水分が溶け込むと、旨みが伸びやかに引き出されました。ただ、それでも味の濃さにシャンパーニュが若干及んでいないか・・・?

ペアリング度:★★★★☆

3. ブレンド(ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%ブレンド、柔らかでバランスの取れたタイプ)
3本目は、こちら。

『ベルナール・ブレモン アンボネイ・グラン・クリュ・ブリュットN.V.』

こちらも2と同じアンボネイ村の別生産者によるブレンドタイプ。このシャンパーニュはフィラディス取り扱いの中でもバランス度がずば抜けていて、シャンパーニュの味わいチャートを作ったらまさにど真ん中にくるような調和型スタイル。よって様々な料理と合わせやすく使い勝手が良いので、レストランのグラスシャンパーニュでの採用も非常に多い1本です。
ところが、このバランスの良さが今回は力を発揮できずなんとなく中途半端な結果に。まあまあ合うんだけど、それほどおいしくもなっていないんだよな…という印象でした。ピノ・ノワール70%使用で結構厚みもあるのですが、焼き目の部分の味の濃さには味わいが負けてしまう感じ。これよりピノ比率の低いブレンドだと、更に相性が低下するかもしれません。なかなか難しいですね!!!

ペアリング度:★★★☆☆

4. ロゼ(ピノ・ノワール100%で仕込んだロゼ 14%は赤ワインをブレンドした色が濃くパワフルなロゼ)
最後に個人的本命の、こちら。

『エティエンヌ・ルフェーヴル ブリュット・ロゼ N.V.』

ベリー感が強く、赤ワイン寄りタイプのロゼ・『エティエンヌ・ルフェーヴル』はフルーツの甘味やふくよかさをしつこくなく絶妙な強度で表現するのに長けた造り手ですので、このロゼ・シャンパーニュも果実感が実に的確。甘過ぎず辛過ぎず、飲みやすくて同時にしっかり飲み応えもある。
そんなシャンパーニュですから予想通り今回最高のペアリングが出現しました。焼き目の味の濃さとロゼの味わい強度がほぼイーブン、旨みがパワフルに広がります。脂身が無く淡白な味わいの背肉部分ではシャンパーニュがソース的な役割をしてくれて、味わい・旨み豊かに食べられました。ローストチキンにベリーソースをかけたような感覚…この食材を「一段上の別の料理」として昇華できたのは、今日の4本ではロゼだけでした。

ペアリング度:★★★★★

結論:結局ポイントは「味付け」に左右されます

上記の検証結果としては「コストコのロティサリーチキンには、味の濃いタイプのロゼ・シャンパーニュが一番合う」という結論になったわけですが、僕は結局「ソース/タレの味付け」との相性だったな、と考えました。

ロティサリーチキンのように、大きな肉の塊の表面にソースを塗って焼いただけのような料理は、まず表面と内部で味わいが全然違いますよね。ソースの味があまり浸み込んでいない内部はワインがそのままソース的な役割を果たすので「食材との相性が良いワイン=この場合は鶏肉と相性が良いワイン」を選べばよいのですが、外側はソース/タレの味付けで合わせるワインが大きく変わってきます。

塩味だけなのか、砂糖が多いのか、醤油味なのか、バターは使っている???などなど、味付けによって合うワインはガラリと変わるはず。ですから今回の検証結果はあくまでも「コストコのロティサリーチキンには、エティエンヌ・ルフェーヴルのロゼが一番合ったよ」というだけのものと考えて戴ければ幸いです。

もし皆さんが生の丸鶏を買ってきて調理する場合は、味付けの強弱・タイプを良く考えて合わせるワインを選んでくださいね。例えば塩麴なんかだったら、ブラン・ド・ブランが一番合うんじゃないかな・・と僕は考えています。是非是非、皆さん自身で色々試してみてくださいね。


それでは今回はこの辺で。長いコラムを最後まで読んで戴いてありがとうございました!
次回第24回も急遽2021年12月中に公開予定、テーマはお正月に向けて『鮪のお刺身 赤身&中トロ』
お正月の食卓に上ることも多い鮪のお刺身、ビールや日本酒だけでなくワインとしっかり合わせてワイン好きにしか味わえない贅沢な新年を迎えたい…そんな個人的な願望をネタにしてみようかと思います。
醤油も数タイプ用意、複合的にペアリング検証していきますのでご期待くださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。

CTA-IMAGE ワイン通販Firadis WINE CLUBは、全国のレストランやワインショップを顧客とするワイン専門商社株式会社フィラディスによるワイン直販ショップです。 これまで日本国内10,000件を超える飲食店様・販売店様にワインをお届けして参りました。 主なお取引先は洋風専門料理業態のお店様で、フランス料理店2,000店以上、イタリア料理店約1,800店と、ワインを数多く取り扱うお店様からの強い信頼を誇っています。 ミシュラン3つ星・2つ星を獲得されているレストラン様のなんと70%以上がフィラディスからのワイン仕入れご実績があり、その品質の高さはプロフェッショナルソムリエからもお墨付きを戴いています。 是非、プロ品質のワインをご自宅でお手軽にお楽しみください!
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