気になるワイングッズ使ってみた!【第4回】ブルゴーニュのポテンシャルを限界突破で引き出せるグラスを見つけ出せ!
- 2021.01.25
- 気になるワイングッズ使ってみた!
- カリフォルニア, グラス, コルク, シャンパーニュ, ソムリエ, ソムリエナイフ, テイスティング, ピノ・ノワール, ブルゴーニュ, ボルドー, 価格, 実験, 樽, 温度, 試飲, 香り
コラムシリーズ『、気になるワイングッズ使ってみた!』第4回です。
これまで「より香りを楽しめるシャンパングラス」、人気のソムリエナイフ、電動ワインオープナーとシリーズを続けてきまして、今回のテーマは「ブルゴーニュワインのポテンシャルを限界突破で引き出せるグラスを見つけ出せ!」。
・・・もっと後になってやろうと思っていた大ネタ中の大ネタではありますが、出し惜しみせずやっちゃいます。
今回の実験を行った目的は、いちワイン愛好家としては非常に切実。
「いいブルゴーニュワインを買ったら、最高においしく愉しみたい!」
シンプルですが、それだけです。
お金を出していいワインを買ったら、満足度MAXで楽しみたいですもんね。
そのワインが秘めている本当のおいしさを「ぐわっ」と引き出してくれる、そんな素晴らしいワイングラスは無いものか・・・・・・ちゃんと見つけてご紹介しますとも!
是非是非、最後までお付き合いくださいませ!!
それではまず、今回の実験素材に選んだワインからご紹介。
いつもより贅沢して上質なブルゴーニュを・・・と思ったときに是非とも選んでいただきたい1本。
赤い果物のギュギュギュッと目の詰まった香りに、踊るように軽やかなフローラル感。
ワイン専門誌『Winart』では2020年度「1万円以下で買えるブルゴーニュ」でNO.1評価を獲得した、ブルゴーニュワインの魅力をこれでもかと楽しめる1本です!
『ドメーヌ・フィリップ・シャルロパン・パリゾ マルサネ・エシェゾー(実験時のヴィンテージは2018年)』
次に、今回検証をした4タイプのブルゴーニュグラスをご紹介していきましょう。
候補のグラスを探すのにあたっては、Amazonで「ブルゴーニュグラス」をキーワードに検索、価格は前述の通り上限を3,999円とし、このカテゴリーの中で形状がはっきり異なるものを選定していきました。類似したサイズ・形状のグラスも多いので、同系統の中で比較し価格が安くレヴュー点数の高いアイテムを採用しています。
(*毎回書いておりますが、グッズメーカーさんとのコミュニケーション・広告意図は一切ありません。これはあくまでも僕が個人的に勝手に実施している「使ってみた実験」です。)
【比較試飲した4つのブルゴーニュグラス(画像左⇒右順)】
グラス①:東洋佐々木ガラス デザイアー ブルゴーニュ/
高さ220mm、口径:約62mm容量590cc タイ製 クリスタルガラス(2,310円)
⇒底面が平たい個性的なスタイル、口の部分はかなり細く窄まっているので、香りをグラス内でしっかり立てて集め、楽しめるように設計しているようです。この形状のワイングラス、最近はテーブルコーディネーターの方などに人気だそうで、ドラマなどでも良く見かけます。
グラス②:リーデル ヴィノム ピノ・ノワール
高さ210mm 容量700cc ドイツ製マシンメイド クリスタルガラス(税込3,610円)
⇒いわゆる最も標準的なバルーンタイプの「ブルゴーニュ型グラス」。ボウル部分で一番広い部分の直径で10cmちょっとくらいでしょうか(スペックの記載が無いので、定規で測ってみました)。十分に大きなサイズ、基準にするグラスとしては最適かなと思います。
グラス③:リーデル ヴェリタス ニューワールド・ピノ・ノワール /
高さ235mm 容量790cc ドイツ製マシンメイド クリスタルガラス(税込3,980円)
⇒ニューワールドのピノ・ノワール用、ということで「甘みがふくよかに表現されやすいのかな?」と試してみることにしました。口部分はチューリップのように開いている形状、この価格にしては口の部分も薄手で上品な造りになっています。
グラス④:木村硝子店 ツル 28oz ブルゴーニュ/
口径74mm 高さ256mm 容量860ccスロバキア製 カリクリスタル (税込1,870円)
⇒こちらは僕が普段家でブルゴーニュを飲むときに愛用しているお気に入りのグラスです。画像で見て一目瞭然ですが、この価格とは思えないくらい非常に大きく背が高いんですよね。大きなボウルでぐるんぐるんワインを回すと、香りが本当に良く立つんですよ♪
さて、それでは4つのグラスに同時にワインを注ぎ、テイスティング検証スタートです。
時間経過によって香味の変化が現れないよう、短期決戦型で一気に香り・味わいを取っていきます。
ちなみに今回は検証用に選んだワイン『フィリップ・シャルロパン・パリゾ マルサネ・エシェゾ』をご紹介した際に僕自身がお勧めしていた温度設定・抜栓時間を採用。
温度は少し冷やし目、実験の1時間前にはコルクを抜いておきました。
それではいよいよ実験結果のレポートに入りましょう。
今回も、結論を最初に書いてしまいますね。
僕が選んだ「家でブルゴーニュワインを飲むなら、絶対持っておくべきグラス」はこちら!
やっぱり「グラス④:木村硝子店 ツル 28oz ブルゴーニュ/」です!
(決して、愛用のグラスだから贔屓したわけではありませんので念のため・・・。)
このグラスに注いだブルゴーニュワインは確実に「最低でも格付1つ分くらいは上がる」んですよね。
このワインだと、果実味は分厚く、タンニン・酸は存在感が明確になり、そしてフローラルな印象はより凝縮されたドライフラワーのように強く・・・全体の構成が複雑性を帯び、ステータス値全てが上がってくる感じです。
このグラス、「そのワインのポテンシャルを、限界突破で引き出せるワイングラス」のひとつとして認定して良いのではないか?
いや、もう僕が認定します!
レストランやワインバーのソムリエにも大人気の木村硝子さん、幅広い価格帯と洗練されたおしゃれなシェイプで売れているというのもありますが、そこはもちろんグラスとしての機能も本物。
注がれたワインのポテンシャルを力任せに引き出してくれる税込1,870円のグラス。
大きく背高なのでスペースは取りますが、僕としては熱烈にお勧めしたいグラスですね。
このコラムを読んで興味を持たれたら、是非買ってみて戴ければと思います!
↓↓↓(木村硝子さんオフィシャルショップのページはこちらです)
https://www.kimuraglass.co.jp/zizi/products/8250
その他のグラスについても触れていきましょう。
今回は、どれもそれぞれ良いところがあり実に面白い実験になりました。
佐々木硝子さんのグラス①は、僕の印象だと「そのワインの強い要素が強調されるグラス」という印象でした。今回のお題ワインだと、果実感・甘さ、そして樽の印象が前面に出てきて、もともと控えめで程よい量のタンニンは後ろに引っ込みます。
ただ、底面が一番広くなっているため、そこそこの量を注がないと液面が高くならず香りがちょっと遠くなってしまう感じ。グラス設計者の思惑とは異なり、香りが広がっていくのを楽しむのには不向きなようです。
②はやはり一番「優等生的な役割・機能を安定的に果たしてくれるグラス」。
リーデルさんがブルゴーニュ・ピノ用に設計しているわけですから、非常にバランスよく、そして「ブルゴーニュ・ピノらしく」楽しめるんだろうな…と思って試飲したら、まさにその通りの印象でした。果実味と酸のバランスは実に適切、しなやかに、瑞々しくワインを楽しむことが出来ました。
これで「うわ、このグラスに入れたら一段上がったかも、なにこれ」という驚きがあったらなあ・・・・やはり優等生的でした。
そして今回実は一番気になっていた③の「ニューワールド・ピノ用グラス」。これ、本当に面白いです。ブルゴーニュワインをこのグラスに注ぐと、まるでカリフォルニアやオレゴンのピノ・ノワールみたいなスタイルに表現されてくるんですよね。
果実の香りはやや熱を帯びた甘いイメージに、そしてやや野性的・スパイシーなニュアンスが。味わいではボリューム感と甘さが強調され、タンニンはまろやかになります。ニューワールドのピノをこれで飲んだら、きっと全部の要素が素晴らしく引き出されるはず・・・近々、USAピノで試してみたいと思います!
ということで今回の検証はこれで終了。
シャンパーニュの時と同様に、1つのワインを4つのグラスに注いでみたことで全く異なる香り・味わい・表情が楽しめました。
それにしても、本当にワインとグラスの関係は面白く奥深い!!!
形状一つでこんなに味が変わってしまうのですから、ワインお評価やコメントが人それぞれ異なるのは当然ということですよね。今後はコメントを書くときにどんなグラスでテイスティングしたのか、まで書く必要があるかもしれません。
そしてこれからも引き続き、ワインの様々なタイプごとに一番向いているグラスを探していきますよ。シャンパーニュ、ブルゴーニュと来ましたので次にグラス実験をやるならはやっぱりボルドーグラスでしょうか・・・まずは、ワイングラスの通販サイトをぐるぐる回るところから始めておきたいと思います。
ということで今回はこのへんで!
シリーズ第5回は、飲み残したワインをキープする「アルゴンガス」。
こちらの効果を、1ヶ月かけて検証してみたいと思います。
皆さまからの「こんなグッズ、試して欲しい!」という実験リクエストもお待ちしております!!
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