ワイン職人に聞く、10の質問【第80回】ドメーヌ・デュパキエ・エ・フィス(フランス・ブルゴーニュ地方)
- 2021.04.11
- ワイン職人に聞く、10の質問
- アペラシオン, コート・デュ・ローヌ, ピノ・ノワール, フランス, ブルゴーニュ, マリアージュ, 価格, 哲学, 熟成, 生産者, 発酵, 白ワイン, 職人
≪ひとりのワイン職人の頭の中を覗く一問一答インタヴュー!≫
『ワイン職人に聞く、10の質問』 第80回
ドメーヌ・デュパキエ・エ・フィス(フランス・ブルゴーニュ地方)
オーナー・醸造家:ヴァンサン・デュパキエさん
連載シリーズ『ワイン職人に聞く、10の質問』、今回話を聞いた生産者は、1900年にブルゴーニュのニュイ・サン・ジョルジュ村に設立された5世代続くドメーヌ『ドメーヌ・デュパキエ・エ・フィス』のオーナー、ヴァンサン・デュパキエさんです。
ドメーヌを受け継いでから環境負荷を可能な限り減らすサステイナブル農法に転換、フランスではHVE(=Haute Valeur Environnementale 高環境価値)生産者にも認定されています。
ジルベール&ガイヤールを始め数々の受賞・高評価を誇る他、白ワインでも高い評価をされている職人的生産者です。
日本ではFiradis WINE CLUBが独占リリース中の『デュパキエ』の旨味たっぷりにおいしいブルゴーニュ。
作り手の想いに今日も10の質問で迫ります!
Q1:ワイン造りを一生の仕事にしよう、と決意したきっかけは何ですか?
⇒カッコいいエピソードがあれば良かったんだけど・・・実はきっかけも何も無いんだ。
僕は家業の5世代目、弟と2人でワイン造りを継ぐことが当たり前のように育てられてきたから。
Q2:これまでワインを造ってきて、一番嬉しかった瞬間は?
⇒ほかのワイン生産者もみんな同じことを言うと思うけど、やっぱり毎年の収穫の時だね。
1年間の畑仕事が終わり、また新しいワインとの出会い・新たな発見が始まる瞬間だから。
Q3:その反対に、一番辛い(辛かった)ときは?
⇒それも同じように収穫の時。
いつも天候の心配をしているのがワイン造りの仕事、みたいなものだろう?
だから、今年は素晴らしいブドウが取れそうだ!と思ったら、とにかくスピーディに働かなくてはいけないんだ。大変だよ 笑
Q4:ワイン造りで最も「決め手になる」のは、どの工程だと思いますか?
⇒僕にとっては、発酵状態の管理かな。
アルコール発酵をきれいに、しっかりと完了させることがアペラシオンやそのヴィンテージの個性を正しく反映させることになると思うから。
Q5:あなたにとっての「理想のワイン」とは?
⇒分かりやすくおいしいフルーツ感と、複雑性が混在しているワイン。
そして、家族や友達と楽しく飲めるワインであること。
Q6:今までに飲んだ中で最高のワインを1本だけ選ぶとしたら?
⇒我が家にあった、ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュの1945年。
この年は素晴らしい年で、ワインは複雑性と多層性に恵まれた。
それが何十年も熟成して、途方も無く多様なアロマとフレイヴァーを装っていたんだ。
家族の誰もが絶対に忘れることの無い、デュパキエのマスターピースだと思う。
Q7:自分のワインと料理、これまでに一番マリアージュしたと思った組み合わせを教えてください。
⇒ワインはその土地の料理文化と根深く繋がっているから、やはりブルゴーニュの郷土料理をお薦めしたいね。
デュパキエのワインに『ブフ・ブルギニヨン』や『コック・オー・ヴァン』は素晴らしく合うよ!
Q8:もしあなたが他の国・地域でワインを造れるとしたら、どこで造ってみたいですか?
⇒コート・デュ・ローヌ地方を選ぶかな。
とても個性的で良質なワインが数多く生まれる産地で、ブルゴーニュ地方とはブドウ品種も仕込みの方法も全く異なっているから。
折角だから、ブルゴーニュにいては出来ないことにチャレンジしてみたい!
Q9:あなたの「ワイン造り哲学」を、一言で表現してください。
⇒「哲学」なんて大袈裟なものではないけど「自分が本当に好きなワインを造り、仕事の全てを楽しむ」ことだよ。
Q10:最後に・・・日本にいるあなたのワインのファンに、メッセージを!
⇒僕たちの造ったワインを飲むときは、僕たち以上に楽しんで飲んで欲しい!
うちの畑の様子や仕込みの風景などをFacebookに公開しているから、良かったらフォローして欲しいな。
いつかブルゴーニュにも遊びに来て!
『ドメーヌ・デュパキエ・エ・フィス』のFacebookページ
↓↓↓
https://www.facebook.com/domainedupasquieretfils/
・・・ヴァンサン・デュパキエさんへの一問一答インタヴューは、以上です。
今回のインタヴューは如何でしたか??
1945年の『ドメーヌ・デュパキエ ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ』、飲んでみたいものですね!!
第二次大戦の終わったこの年は、フランス全土が素晴らしい作柄に恵まれ、20世紀最高のヴィンテージと評されることもあるほど。
現存しているワインは非常に希少となりましたが、もしかするとデュパキエはまだ残しているのか・・・?
今度、ヴァンサンさんに聞いてみようと思います。
Firadis WINE CLUBでの『デュパキエ』のアイテムは今日ご紹介するブルゴーニュ・ルージュ1品種の取り扱いからスタートしましたが、現在新規アイテムの採用を検討中。
今年中には、白ワイン含めて幾つかの新規ラインアップが揃う予定です。
滋味・旨味たっぷりで日本人の味覚にとてもよく合うタイプのエレガントなピノ・ノワール、価格も税込3,000円以下とお手頃ですので、ぜひ一度お試しください!
『ドメーヌ・デュパキエ・エ・フィス ブルゴーニュ・ルージュ・コート・ドール』
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