ワインペアリング奮闘記 第1回「マコン・クロ・ド・ラ・メゾン」
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「マコン・クロ・ド・ラ・メゾン」
フィラディスのお料理男子こと西岡です。
店長からの指名で、今回よりお料理コラムを開始させて頂きます。
とはいえ、私は料理のプロでもなんでもないただの「料理好き」。
料理といえば、ほぼ家族にしか作ったことがありません。レシピも書いたことがありません。
そんな素人の私ではありますが、フィラディスという会社で2年以上働いていると、否が応でもワインと食事のペアリングについて考えさせられることは多く、お料理の際は、ワインとの相性を考えるようにもなりました。
せっかく頂いた機会ですから、課題のワインに合う料理を精一杯考えたいと思います。
ちなみに、コラムの性質上下記の点について、ご容赦いただけますでしょうか。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■家庭の料理なので、冷蔵庫にたまたま余っていた物なども積極的に使います。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品が使えません。
それでは、初回のワインは私の最も好きな生産者であるドメーヌ・コルディエのマコン・クロ・ド・ラ・メゾンをセレクトしてもらいましたので、張り切って行きたいと思います!
この、ブルゴーニュのシャルドネ100%の白ワインは、何度も飲んだことがあります。
確認のために、少しだけ味見をしてみました。
おおっ!と思わせるような、まろやかでクリーミーな香り。少しハチミツのような香りの要素もありました。
しっかりとしたコクと、ブルゴーニュ・シャルドネらしい爽やかな酸味で、お世辞抜きに、この価格でこのクオリティ?!と思ってしまうような、素晴らしい白ワインです。
ちょっと大きめのグラスで飲みたい逸品ですね。
さて、私はワインとのペアリングを考える際、基本的に「同調のマリアージュ」から考えます。
つまり、ワインにクリーミーな要素があればクリーミーなお料理を、ワインがジューシーで甘やかであれば、甘みのあるソースで、と言った具合です。(お料理から考える場合も然り)
経験上この「同調」で考えていくのが最も無難なペアリング手法だと思いますので、是非お試し下さいね。
今回のマコン・クロ・ド・ラ・メゾンの場合、このように思考しながらメニューを決めました。
第一印象にクリーミーな要素があるので、バターやクリームを使った料理には合いそうです。
でも(前述のとおり)家は乳製品NGです。代わりに何をもってこよう?
・・・そうだ、アボカドはどうでしょうか?
しっかりとコクのあるワインですから、同じく淡白な中にコクのあるエビも合いそうですね。
クリーミーなソースでこの2つの食材を繋いでやれば・・・
というわけで、「エビとアボカドのオーロラソースサラダ」に決定しました。
作り方:
皮をむき、背ワタを取ったエビを、1分半ボイルします。
カットしたアボカドとあえて、塩コショウ、レモンで下味をつけます。
これにマヨネーズにケチャップを少し加えて混ぜた簡易オーロラソースを加えて和えます。
たまたま家の庭でタイムが花を咲かせていましたので、花ごと散らしてみました。
これをレタスやルッコラ等で、サラダ仕立てに盛り付けて、完成です!
次に、サラダだけではお腹が満たされないので、あわせて簡単で満足感のあるものを作ることにします。
マコン・クロ・ド・ラ・メゾンの香りに「ハチミツ」を見つけたこと、そしてボリューミーなシャルドネにポークやチキンなど白身のお肉が合うこと、そして丁度、ブルゴーニュディジョン名産マスタードが冷蔵庫にあったことから、「ハニー・マスタード・チキン」を作ることにしました。
作り方:
鶏肉は、食べ比べのために、胸肉とモモ肉を一枚ずつ用意しました。
塩コショウで下味をつけ、常温に戻しておきましょう。
鍋にオリーブオイルをひいて、皮目から順に中火でじっくりとソテーしていきます。
鶏肉がいい感じに焼けたらカットしてお皿に盛りつけ、フライパン残った油でマスタードとハチミツを温め、お肉の上からとろとろーっとかけていきます。
仕上げに、庭で摘んだローズマリーを少し焦がして飾り付ければ、完成!
ワインとパンも用意して、本日の食卓は御覧の通りです。いただきます!
実食:
まず、「エビとアボカドのオーロラソースサラダ」から。
狙い通り、エビのコクと、レモンの酸味、そしてアボカドとソースのクリーミーさが、マコン・クロ・ド・ラ・メゾンとなかよく寄り添ってくれています。うん。これは合格でしょう。
気づいた点は、レモンを多めに絞った方がフレッシュ感のあるマコン・クロ・ド・ラ・メゾンには合いました。
カットレモンをいくつかテーブルに出しておけば良いでしょう。
あとは、ワインとはあまり関係ありませんがアボカドをもう少し大切りにして存在感を出せば良かったな~と思いました。
次に、「ハニー・マスタード・チキン」です。まず、ハチミツのニュアンスで合わせたのは大正解でした。
お料理がワインをより高みに、ワインがお料理をより美味しく、という相乗効果がでています。
ハチミツとマスタードの「甘酸っぱさ」がまたマコンの酸味とよくマッチしていました。
このお料理はややもすればハチミツの甘みが目立つので、下味の塩味はしっかり目につけた方が良さそうです。
鶏肉の部位は、胸肉の方がこのワインには合います。これはモモ肉の脂っぽさを中和するほどマコンの酸が強くないためだと思います。
ごちそうさまでした!
どちらのお料理もマコン・クロ・ド・ラ・メゾンとはしっかり合わせることができると思いますが、特にハニー・マスタード・チキンは、このワインとの相乗効果が高かったのでお勧めです。
エビとアボカドのオーロラソースは、マコンに限らず幅広く白ワインに合わせられる、より汎用性のあるお料理だと思います。それでは、ご感想をお待ちしていますね。次回をお楽しみに!
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