ワインペアリング奮闘記 第155回 カスレと南ローヌ赤ワインのペアリング / ドメーヌ・フォン・クローズ ラストー ル・オー・プラトー
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第155回
カスレと南ローヌ赤ワインのペアリング
※アレルギー負荷試験を乗り越えてバターの使用や多少の乳製品混入はOKになりました
今回の課題はドメーヌ・フォン・クローズ ラストー ル・オー・プラトーです。
南仏・南ローヌ地方ラストーという産地からやって来た赤ワイン、品種はグルナッシュです。バレル・セレクション(樽単位でテイスティングし、特に品質の優れたものを選別)された上級キュベということで・・・楽しみですね!
テイスティング
グラスに注ぐと色調は黒味を帯びたルビーです。
香りはダーク・チェリー、カシス、スミレ、ローズマリーに黒胡椒とややフローラルで華やかな印象。その奥にはヴァニラや、ロースト香も。
口に含むと、よく熟した甘やかな果実味。そして間をおかずにフレッシュな酸が豊かに広がってきます。
タンニンはやや厚みがありますが刺々しさはなく、よく溶け込んでスムースな印象。ミドル以降は苦味や鉄っぽいミネラルの複雑味をしっかりと感じました。
アフターにかけてこの苦味とシガーのようなフレーヴァが心地よく残ります。
全体的に少し樽感があってカチッとまとまったストラクチャ、熟成を経てダンディにスムースにバランスが取れてきている印象です。綺麗な酸味も特徴的で、エレガントさを感じますね。
合わせる料理『カスレ』
いつもはワインを起点に考えるんですが、最近「カスレ作ってみたいな〜」と思っていて。
丁度合わせられそうな赤ワインがやってきたので、作ることにしました。
カスレはフランス南西部の郷土料理、白インゲン豆と各種肉の煮込み料理です。
肉のエキスが凝縮した味わいになるので、やや強めの赤ワインが合うと思います。今回のような南仏モノは地理的に相性も良いのではないかと言うことで決めました。
レシピ
まずは材料。地域によって色々と流儀のある料理みたいですが、複数種の動物肉を使うことが多いようですね。地元のスーパーで手に入るもので組み立てます。
骨付きソーセージ、鶏手羽中、合鴨のつみれ、ボンレスハム。これらをカリッと焼き目がつくまで炒めます。本場では鴨のコンフィを入れたりするみたいですね。
同じフライパンで玉ねぎ、人参、ニンニク、トマトペーストに塩を加えて炒めます。
肉をフライパンに戻して、白インゲン豆水煮、セロリ、ローリエ、タイム、鶏がらスープ、赤ワイン少々を加えて汁気を飛ばすように煮詰めます。
耐熱容器に移して、オーブンに・・・と言いたい所ですがうちにはオーブンがないのでグリル弱火で。最初はアルミホイルを被せ、仕上げには取り除いて、時々具材の向きを変えたりしながら焼き目をつけていきます。
美味しそうに焼きあがれば、我が家のカスレの出来上がり!
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○香ばしく力強い味わいのカスレに、しっかりと詰まった赤ワインの果実味がバランス
○グルナッシュの甘やかさが、カスレの素材の甘みを引き立てる
○それでいて酸とタンニンのリフレッシュ感が心地良い
とても美味しいです!
素材バラエティに富んだカスレを、複雑みのあるル・オー・プラトーが色々な角度から楽しませてくれました。上級キュベだけあって気高さも感じる、どこか凛としたワインですね。
今回のワインはグルナッシュ単一ですが、料理はちょっとごった煮感があるので、多品種を使ったコート・デュ・ローヌなんかも合わせてみると楽しいと思います。
お好みでお楽しみください。
(西岡)
今回のペアリングワイン:
今回の課題はドメーヌ・フォン・クローズ ラストー ル・オー・プラトーです。
南仏・南ローヌ地方ラストーという産地からやって来た赤ワイン、品種はグルナッシュです。バレル・セレクション(樽単位でテイスティングし、特に品質の優れたものを選別)した上級キュベにあたります。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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