ワインペアリング奮闘記 第165回 「料理を美味しくする白ワイン」って、このことか! / ジーニ ソアーヴェ・クラッシコ
ワインペアリング奮闘記 の記事一覧目次
『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第165回
「料理を美味しくする白ワイン」って、このことか!
今回の課題はジーニ ソアーヴェ・クラッシコです。イタリアの白ワインとして随一の知名度を誇るソアーヴェですが、産地呼称の拡大により品質はまちまちに。そんな中このワインが冠する「クラッシコ」の文字は、伝統的ソアーヴェ丘陵部で取れたブドウのみで仕込まれた、本来の優良生産地ソアーヴェのワインであることを意味しています。生産者であるジーニは、ソアーヴェを代表する歴史ある生産者。これは楽しみでしかない!
テイスティング
グラスにワインを注ぐと色調はしっかりとしたイエロー。
グラスを近づけると、全体に火打ち石のような少しスモーキーな香りを纏っているのが印象的です。
果実香は完熟したレモンやリンゴ。そして蜂蜜や、白い花。
口に含むと口当たりは滑らか。熟した、落ち着きのある酸味を豊かに感じます。
中盤からはミネラルのカチッとした感覚。味わいの重心は低めで後半にかけて余韻の長さを感じます。
全体として腰の座った白ワインです。主張は強くないけれど、内側にエネルギーをぎゅっと蓄えている。そんな印象です。
ソアーヴェから連想していたフルーティーで軽いスタイルとは全く違うなと、意外でした。
白ワインを飲み込んでいる人が「おっ。これ良いな・・・」と思うようなスタイルだと思いますよ。
合わせる料理『鶏胸肉の蜂蜜レモンソース』
アロマはそこまで主張がなくて、しっかりとした密度やストラクチャを持ったワインですので、合う料理の幅は広く、しかも料理をぐっと美味しくしてくれるはずです。
魚介から白身の肉料理、洋食、和食と合わせて楽しめるでしょう!
今回は淡白な鶏胸肉を、ワインの香りと味わい要素に寄せてレモンを効かせたソースでいただきます。
レシピ
鶏胸肉は常温に戻しておきます。調理前に縦半分に切って塩胡椒。溶き卵、小麦粉と順につけて、フライパンでソテーします。揚げ焼きのイメージで脂は少し多めにしてください。
裏表しっかりと焼いたらフライパンから引き上げましょう。
フライパンを洗ってからソースを作ります。
ニンニク微塵切りをオリーブオイルで熱し、レモン汁、輪切りレモン、白ワイン、蜂蜜を加えて軽く煮詰めます。そこに鶏肉を戻し入れて軽く絡め、パセリを振りかけて出来上がりです。
ペアリングレポート
【総合評価】 星5つ:★★★★★
【評価ポイント】
○ハニーレモンの甘酸っぱさ・ほろ苦さに、白ワインの味わいがマリアージュ!
○鶏胸肉の筋肉質な噛み応えにソアーヴェ・クラシコの腰の座ったストラクチャが添い遂げて満足感アップ!
料理のレベルをワインが一段底上げしてくれるような素晴らしいペアリングです。ジーニ・ソアーヴェ・クラシコの力が発揮されたと思います。「良いワインは料理を美味しくする」の典型的な形だと思います。
ジーニ・ソアーヴェ・クラシコ、今回料理と一緒に飲んでいて、とてもレストランに向いたワインだなと思いましたが、ご家庭でもお料理好きな人にはとても向いたワインだと思いますよ。是非お試しくださいね。
それでは次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
今回の課題はジーニ ソアーヴェ・クラッシコです。「クラッシコ」の文字は、伝統的ソアーヴェ丘陵部で取れたブドウのみで仕込まれた、本来の優良生産地ソアーヴェのワインであることを意味し、生産者であるジーニは、ソアーヴェを代表する歴史ある生産者です。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
-
前の記事
ワインペアリング奮闘記 第164回 イカのアリオリソースと合う白ワイン / ジャスト・ビー 2022.10.01
-
次の記事
ワインペアリング奮闘記 第166回 フレンチトーストと赤ワインのペアリング / ボコパ コンデ・デ・アリカンテ メルロ・バリッカ 2022.10.15
コメントを書く