ワインペアリング奮闘記 第92回 カール・ローウェン リースリング・クアント × ジャーマン・ポテト
- 2021.04.02
- ワインペアリング奮闘記
- ドイツ 白ワイン, ペアリング, マリアージュ, リースリング
ドイツの歴史あるリースリング産地、モーゼル地方の白ワインです。
グラスに注ぐとグリーンがかった淡いイエロー。グラスの底には小さな気泡が見られます。
香りをとってみると、青リンゴやグレープ・フルーツの甘い香り。白い花、貝殻。
第一印象、少し還元的なニュアンスがありますが、グラスを少し回すとふわふわっと開いてきます。
口に含むと、フルーティで凝縮感のある果実味。辛口ですが、ほんの少し残糖感もありますね。
酸味は豊かでキリッとややシャープです。
中盤から、しっかりとしたミネラルを感じます。エキス分も強いため余韻は長いですね。
全体的に「ザ・リースリング」な味わいだと思います。キュッっと甘酸っぱくて、カッチリとしたストラクチャ。すーっと縦に伸びていくような、どこか高貴な印象もある白ワインです。
今飲んでもフレッシュでとても美味しいし、10年くらい熟成すれば、蜂蜜っぽいニュアンスも現れて、また別の魅力が出てきそうだなと思いました。
合わせる料理:
リースリングらしい甘酸っぱさがありますが、あくまで辛口の範囲内でのお話。
料理にもしっかりと合わせていける白ワインだと思います。
テイスティング用語に「切れ込むような酸」という言葉がありますが、シャープな酸は食材の内側まで切れ込むように入っていく力があります。ペアリングの中で生かしたいですね。
単体では味わいがぼやけてしまうような淡白な味の食べ物に対して、レモンを絞るように、リースリングをペアリングするイメージになります。
メインの食材は、熱を通したタラやサーモンなどのお魚、ゆでた豚肉等も良さそうです。
今回は、ちょうど淡白な味わいでドイツを想起させる食材があったので、こちらをメインに考えたいと思います。
それは・・・ポテトです!
というわけで、今回はポテトに前回ファバダを作った時の余ったソーセージを合わせて『ジャーマン・ポテト』を作りたいと思います。
レシピ:
ネットで作り方をチェックしていたら「ドイツにジャーマン・ポテトは存在しない!」という情報が沢山出てきてちょっと焦りましたが(笑)気を取り直して。
ジャガイモは下茹でして皮を剥き、輪切りに。ソーセージは斜め切りに。
これらをオリーブオイルで焼き色がつくまで炒め合わせ、塩胡椒で味付けし、粒マスタードとイタリアン・パセリとざっくり混ぜ合わせて出来上がりです。
ペアリングレポート:
つまみ食いしてみると、狙い通りほっくりと仕上がっています。
ではさっそく「カール・ローウェン リースリング・クアント」と食べ合わせてみましょう。
・・・うむうむ。なんというか、想像通りに良い感じです。意外性はないです(笑)
ほくほくジャガイモ、やはりリースリング・クアントの酸味との相性は良い感じです。
口の中がもこもこしている所に、スーッとジューシーな酸が流れ込んでくると、とても清涼感があり、心地よく感じられます。
また、ポテトに塩味と、オイルが効いているのですが、リースリング・クアントのミネラル感や、しっかりとしたストラクチャと相性の良さを感じました。岩塩を使用したことでコクが加わったことも、良かったと思います。
この料理、喉が渇くので、サッパリしたくてワインがグイグイ進んでしまう、ちょっぴり危険なペアリングですね。
一方、ソーセージに着目してみると、単体ではそれほどワインによく合っていませんでした。
パンやポテトと一緒に食べてこそ合うな、といった感じです。
ちょっと味が強すぎるのかも。ビールの方が合うかなと思ってしまいました。
例えばソーセージはベーコンに替えて、しっかりとポテトに肉の旨味を移す方が、ワインには合うかもしれませんね。
如何でしたか?
ポテトを使った料理は簡単にできるので、リーズナブルなリースリングには丁度良いメニューだと思います。ベーコンに替えたり、フライドポテトにして白身魚を添えるなど、自由に工夫してみて頂けたらと思います。このリースリング・クアントなら、問題なく寄り添ってくれると思いますよ。
それでは次回もお楽しみに!
今回のペアリングワイン:『カール・ローウェン リースリング・クアント』
-
前の記事
ワインペアリング奮闘記 第91回 セパス・イ・ボデガス ヴィリャカンパ・デル・マルケス × 白花豆のファバダ 2021.03.26
-
次の記事
ワインペアリング奮闘記 第93回 ヴィノジア ネグロアマーロ・オルス × スペアリブの赤ワイン煮 2021.04.09
コメントを書く