ワインボキャブラ天国【第64回】「ローリエ(月桂葉)」 英:laurel 仏:laurier
連載企画『Firadis ワインボキャブラ天国』は、ワインを表現する言葉をアルファベットのaから順にひとつずつピックアップし、その表現を使用するワインの例などをご紹介していくコーナー。
このコラムを読み続けていれば、あなたのワイン表現は一歩一歩豊かになっていく・・・はずです!
取り上げる語彙の順番はフランス語表記でのアルファベット順、ひとつの言葉を日本語、英語、フランス語で紹介し、簡単に読み方もカタカナで付けておきますね。
英仏語まで必要ないよー、という方も、いつかワイン産地・生産者を訪れた時に役に立つかもしれませんから参考までに!!
ということで今回ご紹介する言葉は・・・
「ローリエ(月桂葉)」
英:laurel
仏: laurier (男性名詞:発音は「ロリエ」)
このコラムの第61回『ハーブの印象がある』の回にて、ワインの香りに見つけることのできる代表的なハーブをご紹介しましたが、その中にも入っていたのがこの『ローリエ(月桂樹)』です。
『ローリエ(月桂葉)』はクスノキ科の植物である月桂樹の葉。
葉を乾燥させたドライローリエは肉料理などによく使われる非常に香りの強いハーブです。
この葉には油分が豊富に含まれており、その成分には唾液や胃液の分泌を促進する作用があるのだとか。
香り付けだけでなく、食欲・消化促進の効果も見込まれ、料理に使われるようになったようです。
ローリエの独特の青々とした香りが見つかるワインにはどんなものがあるか・・・
その香りからは白ワインが創造されますが、実は主に赤ワインに見つけられる香りです。
若いカベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フラン主体のボルドーワイン、南フランスの土着系品種例えばサンソーやムールヴェードルなどにもこの香りの印象を見つけることがあります。
赤ワインの中の青っぽい香り、例えばピーマンの香りなどのいわゆる「グリーンノート」は収穫段階で未熟果を原料として醸造をしたワインに見つかることの多いネガティヴな要素ですが、僕は乾いたローリエを想わせる香りは品種特製の一つとして良い方向に捉えて良いものと考えます。
時間経過・熟成を経てこの香りはワインに馴染んでいき、複雑性を形作る要素となります。
この香りを感じる赤ワインに出会ったら、その日に楽しむ肉料理には是非香草をふんだんに使ってみてください。
芳しい香りどうしのマリアージュを楽しんで戴くことが出来るはずですよ!!
というわけで今回はこの辺で。
今日、あなたの表現するワインの世界が少し広がりました!
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