気になるワイングッズ使ってみた!【第7回】今、ボルドーグラスを買うならどれだ??
- 2021.04.26
- 気になるワイングッズ使ってみた!
- グラス, コルク, シャンパーニュ, テイスティング, フランス, ブルゴーニュ, プレゼント, ボルドー, 価格, 実験, 樽, 温度, 熟成, 試飲, 調和, 赤ワイン, 香り
シリーズ『気になるワイングッズ使ってみた!』、今回は「ワイングラス比較実験」の第3回をお届け致します。
これまで「より香りを楽しめるシャンパングラス」、「ブルゴーニュワインのポテンシャルを限界突破で引き出せるグラス」と検証をしてきましたので、次のテーマは当然のごとく「ボルドー用のグラス」です。
僕が普段ワインのご紹介ページやメールマガジンで「このワインにおすすめのグラス」をご提案する際には、基本的には「ボルドー型」「ブルゴーニュ型」の最低2種類は必ず試したうえでおすすめのタイプを書くようにしています。
時にはこの2形状でサイズを大小変えて試してみたり、時には全く異なる形状のグラス(例えばシャンパングラスやビアグラスその他)でも飲んでみたりして、そのワインの魅力を一番引き出しおいしく楽しめるグラスを選び出すのですが・・・
基本中の基本はやっぱりボルドー&ブルゴーニュ型。
この2タイプで適切なものを持っていれば、大概のワインを通常よりも上のおいしさで楽しむことが出来ると思いますよ。
という訳で、本日はボルドー型グラスのおすすめを探してみたいと思います!
それではまず、今回の実験素材に選んだワインからご紹介。
軽過ぎず重過ぎず、硬過ぎず柔らか過ぎずのバランス良い味わいスタイルで、自宅で普段楽しむのには十分贅沢な3,000円くらいのボルドーで試してみようかな、と思いこちらのワインをお題に選びました。
ブラックチェリーやラズベリーを煮詰めたような濃厚・濃密な果実感に、べた付かない甘さ・・・果実味と酸が丁度よく共存していて、飲んでいると食欲をそそられてしまう1本です!
『シャトー・デギュイユ セニョール・デギュイユ(実験時のヴィンテージは2018年)』
フランス/ボルドー産赤ワイン
次に、今回検証をした4種類のボルドーグラスをご紹介していきましょう。
候補のグラスを探すのにあたっては、これまで同様Amazon.co.jpで「ワイングラス ボルドータイプ」をキーワードに検索、価格は前述の通り1個あたりの上限価格を税込3,999円までとし、このカテゴリーの中で形状やサイズが異なるものを選定していきました。
類似したサイズ・形状のグラスも多いので、同系統の中で比較し価格が安くレヴュー点数の高いアイテムを採用しています。
(*前回の『アルゴンガス』と違い、今回はグラスメーカーさんからの提案による企画ではありません。僕が個人的に勝手に実施する「使ってみた実験」です。)
【比較試飲した4つのボルドーグラス(画像左⇒右順)】
グラス①:リーデル 赤ワイングラス オヴァチュア レッドワイン
高さ187mm、口径:約67mm容量350cc ドイツ製マシンメイド クリスタルガラス(購入時の価格:2個で税込3,000円=1個あたり1,500円)
⇒既にお持ちの方も多いのではないでしょうか、リーデルの大定番と言える小ぶりの赤ワイン用グラス。
最もスタンダードな形状・サイズ・ガラスの厚みで、強度も強く普通の家飲みには使いやすいと思います。
ペアセットで3,000円と、ちょっとしたプレゼントにも適したグラスだと思います。
グラス②:ル・クルーゼ レッドワイン ボルドー
高さ231mm 口径:67mm 容量650cc ドイツ製クリスタルガラス(購入時の価格:4個で税込8,162円=1個あたり2,041円)
⇒スリーブ型ワインクーラーをはじめ、実はワイングッズを色々作っているル・クルーゼさんのグラス、4個入りでなかなか手頃な価格帯だったので試してみました。
サイズは結構大きめ、口径は小ぶりの①と同じくらいということで結構細く窄まっています。
機能とは関係ないですが、台座にはちゃんと「LE CREUSET」のロゴ入り、こちらもプレゼントに良さそうですね。
グラス③:東洋佐々木ガラス デザイアー ボルドー赤ワイン用
高さ255mm 口径:62mm 容量700cc タイ製クリスタルガラス(購入時の価格:税込2,264円)
⇒今のところシャンパーニュ、ブルゴーニュグラスとも個人的にはあまり評価できなかった東洋佐々木ガラスさんなのですが、ボルドーグラスはどんなものでしょうか?
こちらのグラスは独特な形状でなかなか面白そうだったのと、なんとボウル部分の底に羽根模様の溝が入っており、これによってワインの酸化を促し滑らかにする・・・なんていうことが商品説明に書いてあり。
眉唾ものだけど試してみようじゃないの、と思い選んでみました。
グラス④:リーデル ヴィノム ボルドー・グラン・クリュ
口径:約80mm 高さ265mm 容量960ccドイツ製クリスタルガラス(購入時の価格:2個で税込7,324円=1個あたり3,662円)
⇒リーデルの大型ボルドーグラス定番、ヴィノムの『ボルドー・グラン・クリュ』です。
容量960mlとほぼ1Lに近く、高さも26.5cm。大きい!!!
(*食器棚に入れるとかなり場所を取りますので、購入前には高さなどを良く確認しておきましょう)
ヴィノムのシリーズはサイズ・形状で非常に贅沢な外観ですが、マシンメイドのため価格的には比較的手頃で良いですね。
「グラン・クリュ」と名付けられた自信のシリーズ、実際の飲み心地は如何に・・・?
さて、それでは4つのグラスに同時にワインを注ぎ、テイスティング検証スタートです。
僕のグラス比較実験では、時間経過によって香味の変化が現れないように短期決戦型で一気に香り・味わいを取っていきます。
香り・味わいともしっかり開いた状態で検証するために温度は少しだけ冷やし目、実験の1時間前にはコルクを抜いておきました。
それではいよいよ実験結果のレポートに入りましょう。
今回は最初に「ベストのグラス」は書かず、①から④まで1個ずつ感想を書いていき、最後に僕の考えた選定結果を書く流れで進めたいと思います。
【テイスティング検証結果:グラス①リーデル 赤ワイングラス オヴァチュア レッドワイン】
小ぶりのグラスで、じぶんの鼻とワイン液面の物理的距離が近いため香りを分かり易く感じ取ることができますが、口部分が閉じていないために香りの籠り・広がりには欠ける印象です。
味わいは果実の甘みが前面に引き出され、最初の段階ではタンニンはあまり感じず飲みやすく楽しめました。
気になったのは、樽香がそれだけ切り離されたようにやけに主張し、そのために全体の調和・まとまりが感じられなかったこと。
このグラスは軽めで飲みやすいカジュアルワインには適していますが、香りや味わいが濃密で複雑性のあるワインには向いていないかな、と思います。
【テイスティング検証結果:グラス②ル・クルーゼ レッドワイン ボルドー】
このグラス、なかなか優秀ですよ!口細の形状により香りがボウル内で良く広がり、最初にベリー系果実の瑞々しい香りが立ち上がり、そこから深みのあるアロマが展開し長く香りを楽しむことが出来ました。
香り・味わいともにバランス良く表現してくれるグラスのようで、豊かな果実味、綺麗な酸、程よく後半に締めてくるタンニンの重さとボルドーに欲する要素全てが期待通りに展開してくれる感じです。
僕は個人的に結構好きなグラスでした、今もちょくちょく使用しています。
【テイスティング検証結果:グラス③東洋佐々木ガラス デザイアー ボルドー赤ワイン用】
さて、ある意味今回一番疑っていた・・いえ、試飲するのが楽しみだったグラスです 笑
底に刻まれた羽根模様の溝が本当に香りや味わいをまろやかにしてくれるのか、試してみようじゃないですか。
グラスが急な角度で口細になり再度外向きに広がる形状のこのグラス、香りを取ってみると・・・おお、凄く香りが広がる!!
しかも非常にきれいなベリー感に、程良い樽熟成の印象。
味わいでもタンニンが非常に柔らかくまろやかに出ており、これまでに何度も飲んできたこのワインの魅力が十分に伝わってきます。
羽根模様の効果かどうかは正直分かりませんが、ワインの滑らかさはしっかりと楽しめました!
【テイスティング検証結果:グラス④リーデル ヴィノム ボルドー・グラン・クリュ】
今回の4種では最大サイズのグラス。
香りが大きくスケール感たっぷりに広がるのを期待していると・・・・あれ?なんだかあまり香りが立たない。
液面と鼻が遠すぎるのかな、と思い少し注ぎ足しても、色々な要素がほどけて緩み切ってしまった感じ。
味わいでも、折角の複雑性がゆるゆるになってしまい物足りない印象に。
そうか、これはやっぱり『グラン・クリュ』用のグラスということなんですね。
グラン・クリュ・クラッセのボルドーは強過ぎるほどに力強く、香り・味わいとも様々な要素がひたすらにギュウギュウに詰め込まれているので、それを少しだけほどき、広げてあげるために大ぶりのグラスが必要となる、ということ。
今回試飲した中程度クラスのワインだと、持っている要素が広がりすぎて魅力を損なってしまうんですね。
名前の通りふさわしいワインに使うべきグラスだということが良く分かりました!
ということで今回の検証はこれで終了。
シャンパーニュ、ブルゴーニュの時と同様に、今回も1つのワインを4種のグラスに注いでみたことで全く異なる香り・味わい・表情が楽しめました。
その中で僕が一つ選んでお薦めするとしたら②の『ル・クルーゼ』のワイングラスでしょうか。
このグラスは非常に軽く薄はりで飲み心地も良く、価格面でも手頃。
そして、僕を含め多くのワイン好きの方が自宅で楽しむ「ちょっと贅沢」くらいの価格帯のワインなら一番上手に香りや味わいを調和してくれると思います。
↓↓↓(Amazon.co.jpの商品ページはこちらです)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00ZBN1QJ0/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o05_s00?ie=UTF8&psc=1
リーデルの2種は書いた通り、注ぐワインをしっかり選べば確かな成果が得られるタイプ。
ここは彼らがグラスごとに設定しているテーマがそれだけ精緻で確かだ、ということでしょう。
そして・・・今回の一番の驚きはやはり東洋佐々木ガラスさんの③でした。
このグラス、すごく良いと思いますよ!
この羽根模様の機能については、一度メーカーの方に開発ストーリーを詳しく聞いてみたいところですね。
このグッズ検証シリーズで、今後はそんなインタヴューもできるといいな、と思っています。
ということで今回はこのへんで!
シリーズ第8回は、ワインを注いでくるくる回すと味わいがまろやかに柔らかく開く、という『BIRDYステンレスデキャンタ』を検証。
なんとハンドメイドの1点もので、3-4年前の発売時から長らく品薄が続いていたこのデキャンタを実際に使って検証してみますよ。
↓↓↓(こちらの商品です)
http://www.birdy.shop/shopdetail/000000000108
皆さまからの「こんなグッズ、試して欲しい!」という実験リクエストもお待ちしております!!
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