ワインペアリング奮闘記 第61回 「ヴァグナー・シュテンペル　リースリング・トロッケン」

『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第61回
意外にやったことがなかった、独リースリングにあのドイツ国民食のペアリング。

このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。

コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品は不使用です。

今回のお題は『ヴァグナー・シュテンペル　リースリング・トロッケン』です。

ドイツ・ラインヘッセンからやってきた白ワイン。品種はリースリングです。

店長イチ押しだそうですが、私西岡も大好きな生産者です！

テイスティング：
グラスに注ぐと、微発砲しています。色調はグリーンがかった淡いイエロー。
香りはフレッシュなシトラスから熟した洋ナシ、白いお花、チョーク。
口に含むとアタックから、とてもフレッシュな酸を感じます。
もぎたてのスモモを頬張ったような、きゅっと引き締めのある新鮮な酸味です。
中盤以降はミネラルを強めに感じさせ、カチッとしたストラクチャーです。
味わい的にはドライですが、果実のフレーヴァーのおかげでフルーティさも感じます。
全体として涼やかで、集中感があり、瑞々しく整った印象のある白ワインです。
辛口リースリングのお手本のような味わい、やっぱり美味しいですね！

合わせる料理を考えてみましょう。
リースリングの特徴でもある切れ込むような酸は、さっぱりとした食材との相性が良さそうです。
「ハモ」なんて如何にも合いそうだなぁと思いました。
とはいえ、ドイツワインも久々ですし、折角ですからドイツ料理を軸に考えたいです。
やや単純すぎるかもしれませんが、ソーセージはどうでしょう。
個人的にドイツ料理と聞いて真っ先に思い浮かぶ食材、現地でもペアリングされる機会は多いと思います。
ザワークラウトという酸っぱいキャベツと合わせるのが王道、ということは酸の豊富なリースリングとの相性も期待できるのではないでしょうか？
と言うわけで今回は『ソーセージのザワークラウト添え』に決定しました。

料理レシピ：
ザワークラウトは本来発酵食品ですが、簡易的にお酢を使って作ります。
お鍋に千切りキャベツをたっぷり。塩、キャラウェイシード、ブラックペッパー、ローリエ、お酢、水を加え、蓋をして加熱。
キャベツがしっとりとしたらよく混ぜて、塩味、酸味を調整し、冷まします。
ソーセージは専門店で買ってきたもの。
種類に応じて、指示通りにボイルするか焼くだけなので、レシピは割愛します。
お皿に盛り付けて、ザワークラウトとマスタードを添えて出来上がりです！

ペアリングレポート：
プリっとしたソーセージにマスタードをつけ、さらにザワークラウトをたっぷりと合わせて頬張ります。
うーん！豚肉の脂分と塩味に、酸味のアクセント。王道の組み合わせ、イケますね。
そこへさらに、冷えた『ヴァグナー・シュテンペル　リースリング・トロッケン』を口に含むと・・・？
お。ザワークラウトやマスタードのお酢っぽい酸味と、リースリングの酸味、相性は良さそうですよ。嫌味が無く、どこか癖になりそう。
さらに両者を食べ進め、飲み進めていくと・・・
リースリングの、豚肉ソーセージにも負けない集中感。そして、それに続くミネラルが舌に残る旨味をしっかりと感じさせてくれます。
ソーセージの質感と、どこかつるっとしたリースリングのテクスチャの組み合わせにも相性の良いものを感じます。
アフターに残る果実のフレーヴァーはとても爽やかで、お口を綺麗さっぱりリセットしてくれます。
うーん、美味しいです。すぐに次のソーセージを食べたくなってしまいますね。これは、進む！

如何でしたか？
今回の料理、ちょっとビールが飲みたくなってしまうかもしれませんが（笑）。もちろんビールも良いのですが、乾杯のビールの後は『ヴァグナー・シュテンペル　リースリング・トロッケン』でじっくりと料理との相性をお楽しみいただければ、と思います。
それでは次回もお楽しみに！（西岡）

『ヴァグナー・シュテンペル　リースリング トロッケン　グーツヴァイン　2017年』
(ドイツ/ラインヘッセン産白ワイン
ブドウ品種：リースリング100%　熟成：ステンレスタンク＆ジャーマンオークの大樽)