ワインペアリング奮闘記 第62回 「シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・サンタンヌ・ブリュットN.V.」
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テロワールにとことん拘ったシャンパーニュに、地元野菜をペアリング
このコーナーは毎回課題のワインに合わせたお料理を実際に作ってレポートするコラムです。
コラムの性質上下記について、ご容赦いただいております。
■失敗してもやり直しできませんので、その時は何がダメだったのか考察する回とさせて下さい。
■うちの子に乳製品アレルギーがあるため、チーズやクリーム、ミルクなど乳製品不使用です。
今回のお題は『シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・サンタンヌ・ブリュットN.V.』です。
そういえば、まだ取り上げていませんでしたね。
フィラディスの看板生産者の一人、社内でも熱烈なファンが多いシャルトーニュ・タイエのシャンパーニュです。
テロワールにこだわりぬく生産者のワイン、とても楽しみです!
テイスティング:
グラスに注ぐと、繊細で程よい泡立ち。液体はややゴールドがかっています。
パンのようなふっくらとした香りに、熟したリンゴや、ハチミツ。
口に含むと、軽やかな泡立ちとともに、味わいもどこか蜜リンゴを思わせます。酸味は穏やかですね。
フルーツのアロマが上方向に抜けて行き、熟した豊かな果実のエキスが、しっとりと舌に染み込み広がっていきます。
アフターには目の細かいタンニン、そしてミネラルのニュアンス、旨味と果実のフレーヴァーが程良く持続します。
美味しいですね!とても自然体なシャンパーニュだなと思いました。
飲むほどに、よく熟した健康なブドウや、健康な大地がイメージされて来ました。
造り込まれた感じはあまりなくて、果実そのもののエネルギーや、抽象的な表現ですが生命感を感じます。
個性的ですが、味わいは美しく整っていてすっと違和感なく楽しめる、素晴らしいシャンパーニュだと思います。
では、料理は何を合わせるか。ここは少し迷いました。
ちょっと言葉にし難い感覚を残すワインなので、考えすぎると分からなくなります。
そんな時は基本に立ち返って、シンプルに、シンプルに!香りや味わいの要素をマッチさせていきましょう。
パンや熟したリンゴ、そしてハチミツ。全て料理の材料として使えそうですね。
沢山の野菜とあえて、サラダ仕立てでどうでしょうか?
そしてテロワールにはテロワールをぶつけます。野菜は出来る限り、地元神奈川産の野菜をセレクト。
今回は『焼きリンゴと地元野菜のサラダ』です。
料理レシピ:
鶏胸肉は低温調理し、冷まして一口サイズに割きます。
リンゴは櫛形にスライスし、中火のフライパンでしっとりするまで加熱してから冷まします。
プラムはくし切りに。お好きなナッツ数種類、クルトン。これらを手でちぎったサラダ野菜にトッピングします。
粒マスタードにオリーブオイル、リンゴ酢、ハチミツ、塩少々を加えたドレッシングでいただきます。
ペアリングレポート:
焼きリンゴの甘酸っぱさ、ナッツやクルトンのカリカリ感。フレッシュな野菜のシャキッとした食感や清涼感、マスタードやプラムの酸味。渾然一体となって複雑ですが、体に良さそうなナチュラル感に溢れています。
このサラダの余韻の合わせるようにシャンパーニュを流し込むと、泡の感覚、そしてエキス分がじわじわと舌に広がる感覚、ドレッシングの酸味と共鳴して、心地よく染み渡って行きます。
サラダのクリスピーな食感と泡の相性も良いですし、やはり、焼きリンゴとのマッチングは最高でした!シャンパーニュの果実味と共鳴して、引き立つ感覚があります。
何よりも全体として大地の恵みそのものといったこのサラダに、癒し系シャンパーニュはよくマッチしていると思います。
サラダもシャンパーニュも心と体を癒してくれているみたいで、どちらも生きているなと感じました。
こんなペアリングもあるんだと、発見したような気持ちになりました。
如何でしたか?
シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・サンタンヌ・ブリュットN.V.
じっくりと向き合うことで、何かを語りかけてくるような不思議な魅力のあるシャンパーニュです。
様々なペアリングの形があると思いますので、自由な発想で楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・サンタンヌ・ブリュットN.V.
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