ワインペアリング奮闘記 第148回 繊細なブルゴーニュ赤を「邪魔せず、引き立てる」ペアリング / シャルル・ノエラ ショレイ・レ・ボーヌ2007年
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第148回
繊細なブルゴーニュ赤を「邪魔せず、引き立てる」ペアリング
※アレルギー負荷試験を乗り越えて最近バターOKになりました
今回のペアリング課題はシャルル・ノエラ・エリタージュ ショレイ・レ・ボーヌ 2007年です。
ショレイ・レ・ボーヌは少しマイナーですが、その分価格の高騰激しいブルゴーニュにおいてお買い得感を得やすい産地ですね。15年と長めの熟成を経たのブルゴーニュ赤ワインは、街の酒屋さんなどでは中々狙って買えるものではないので狙い目ですね。では、早速テイスティングしてみましょう。
テイスティング
色調はクリアで明るめのガーネット。エッジにはオレンジが見られしっかり熟成していることが見て取れます。
香りはフランボワーズやさくらんぼのドライフルーツ。紅茶やドライフラワー、シナモンなどの茶系スパイスの香り、僅かにシェリーのような酸化的なニュアンス。
口に含むとさらっとした口当たり、ベリー系の甘酸っぱい果実味が広がります。フルーティーというよりは、少し乾いたような、セピアな印象ですね。
中盤からはシルキーなタンニンを感じつつ、じわじわと心地よく旨味が広がっていきます。
重心は高めで、少し乾いた果実やスパイスのフレーヴァが、アフターにかけて軽やかに抜けていくような印象でした。
全体として少し儚い繊細な印象のブルゴーニュ赤ワインで、熟成ブルゴーニュの独特の魅力を感じることができる貴重な一本だと思います。
ペアリングのコラムなのに何ですが、単体で十分楽しめる赤ワインだと思います。
合わせる料理『鶏のガランティーヌ』
繊細な赤ワインの風味を消してしまわないように、軽めの肉料理が良いと思います。
単体でも楽しめる赤ワインなので、料理はワインを邪魔せず、軽く引き立ててあげるくらいの意識で・・・選んだのは鶏肉の蒸し物、ガランティーヌです。
レシピ
鶏挽肉に微塵切りにした玉ねぎ、パプリカ、オリーブ、ピスタチオ、水で戻したポルチーニの微塵切り、塩胡椒、オールスパイスを練り合わせます。
鶏もも肉を綿棒で叩いて伸ばし塩胡椒して、挽肉だねを乗せてラップで巻き込みます。
これを沸騰するかしないかくらいの湯温で30分ほど茹でます。
茹で上がったら氷水に移して急冷し、ラップを外し、表面にバーナーをかけた後にスライスします。
バルサミコを半量に煮詰めて醤油を加えたソースの上に盛り付けて出来上がり。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆
【評価ポイント】
○料理とワインの重心が一致することで、両者がすっと馴染む。
○ワインのシルキーなテクスチャと、しっとりとキメ細かいガランティーヌのテクスチャも一致。
○ポルチーニやピスタチオの香りが、熟成ピノ・ノワールの香りとさりげなく共鳴。
○煮詰めたバルサミコソースとの親和性もバッチリ
今回はマリアージュというよりも邪魔せず・・・を意識しましたが、蓋を開けてみるとガランティーヌは思ったよりもワインのニュアンスを引き出してくれました。
熟成したブルゴーニュの旨味をじっくりと楽しむことができましたよ。それでは次回もお楽しみに!
(西岡)
今回のペアリングワイン:
今回のペアリング課題はシャルル・ノエラ・エリタージュ ショレイ・レ・ボーヌ 2007年です。
このコラムのライター
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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