ワインペアリング奮闘記 第81回 ドメーヌ・デュパキエ ブルゴーニュ・コート・ドール×ガイヤーン
- 2021.01.15
- ワインペアリング奮闘記
- ペアリング
テイスティング:
抜栓直後はやや閉じこもった印象でしたので、コルクを抜き1時間ほどしてからのテイスティングです。色調は明るめで、やや紫がかったルビー。
香りはフレッシュなブルーベリーや赤系のベリー、イチジク、紅茶や枯れ葉。
口当たりは、するするっと軽快に入ってくるイメージ。
ボディはややライト。熟した果実がジューシーです。
すぐにフレッシュな酸味が現れますが、鋭さは感じません。
あくまでも優しく、じわじわと果実味が広がっていく印象。
バスケットに飾り付けられた、摘みたてのミックスベリーが目に浮かぶようです。
タンニンはさらさらと細かく、中盤から後半にかけてエキスの充実感を感じます。
2年前という若いヴィンテージですが、今、とても良いバランスではないでしょうか。
ブルゴーニュ的な品の良さに、果実の人懐っこさもあり近づきやすくて、正直、期待以上に美味しかったです。
これで2千円代ですから、掘り出し物の少ないブルゴーニュにしてはかなり素晴らしいパフォーマンスではないでしょうか。
合わせる料理:
上述の通り、とても美味しいブルゴーニュ赤ワインですが、プルミエ・クリュのような力強さはありませんし、合わせる料理としては、ブルゴーニュ・ルージュと大体同じで良いと思います。つまり、柔らかい鶏肉などですね。
調理法としては、普段であれば「煮たもの」を合わせたくなる局面です。
しかし、フィラディスの実験ではタレ焼き鳥にブルゴーニュ・ルージュが合ったという報告もあり、今回はちょっとチャレンジ。焼き物との相性を確かめてみたいと思います。
というわけで今回選んだのは、甘辛いタレにしっかりと漬け込んでからグリルで焼くエスニック料理、タイの焼き鳥『ガイヤーン』です!
レシピ:
タレによく漬け込んだ鶏肉をグリルするのがガイヤーンです。
タレはナンプラー、オイスターソース、醤油、砂糖、ニンニク・生姜・パクチー根のすり下ろし、ココナッツミルクを混ぜ合わせます。無い材料があれば省略で構いませんので、甘辛いソースにしましょう。
このタレに一晩つけておいた鶏もも肉を、魚焼きグリルで両面じっくり、弱火で20分ほど両面時間をかけて焼きます。焦がしすぎず、適度な焼き目が入るよう、後半は目を離さずに焼き上げましょう。
ペアリングレポート:
上手く焼けました!芳ばしい香りが写真からも漂ってくるようですねー。
レモンを絞り、スイートチリソースをつけて頂きますと、まずはタレの甘味が、そしてナンプラーやオイスターソースからくる塩味に鶏肉のジューシーな旨味さが加わり、生姜や鶏肉のおこげからくる複雑でエスニックなアロマを感じます。
早速ドメーヌ・デュパキエのコート・ドールを合わせていきます。
うーむ、これは・・・結論から言って相性は良好です!
鶏肉にしっかりと染み込んだ甘辛の味わいは、ワインの果実味を引き立てボディが膨らむような印象、よりリッチに感じられました。
脂の乗ったお肉料理に対して、ピノ・ノワールの酸味が程よいフレッシュ感を与えてくれるのも良いですね。
また少し意外でしたが、ナンプラーの風味も意外と合います。ワインの旨味も感じやすくしてくれます。
ネガティブポイントとしては、鶏肉を軽く焦している部分がワインのアフターに少し苦味を与えてしまっているようです。
でも個人的には、上手く相乗している部分の方が優っていて、邪魔になるほどのものではないと思いました。
さらにグレードの高いワインであれば、より緻密なマリアージュが求められるでしょうが、ご家庭で楽しむ範囲でそこまで気にする人はあまり居ないでしょう。
というわけで、トータルとして十分合格点に達したと思います!
いかがですか?もう一度言わせてください。このワインは、旨い!自分はブルゴーニュ好きだという自負がある方であれば、まずは一度お試しいただきたいですね。並のブルピノとは違います。できれば食事の数時間前に抜栓しておいてお楽しみくださいね。それでは次回もお楽しみに。
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