ワインペアリング奮闘記 第88回 ドメコ・デ・ハラウタ リオハ・ソトマジョール×金目鯛の煮付け
- 2021.03.05
- ワインペアリング奮闘記
- ペアリング, マリアージュ, ワイン, 黄色ワイン
スペインNo.1の知名度を誇る、名産地リオハの赤ワインです。
色調は中央にかけて深いルビー、濃い目です。
香りは、カシスなどの黒系果実が主体です。よく熟している印象。シナモンや黒胡椒のようなスパイスのニュアンス、ヴァニラのような少し甘い香りもします。実は、もっと樽が強いかなと予想していたのですが、そこまででもないですね。
口に含むと、おお。凝縮した果実味が一気に広がってきますよ。結構ジューシーですね。
フルーツの甘味が感じられて、酸味は程よく爽やかです。
タンニンは豊富な印象ですが、溶け込んでいて質感はなめらかです。
中盤から後半にかけて、鉄っぽいミネラルや、心地よい苦味を感じました。後からフレーヴァとして上がってくる、樽由来のヴァニラやスモーキーさと相まって、複雑味を感じます。余韻は長めです。
全体としては、ヴォリュームも飲み応えもあり、力強さも感じます。その一方でピュアな果実の印象、どことなくエレガントさを感じる部分があり、落ち着きと優美さのある赤ワインになっています。
どことなくフィラディスが選びそうなワインだなーと思いましたが、どうでしょうね?
合わせる料理:
合わせる料理ですが、自分の印象では、お肉をタレに漬け込んで焼いたら合うんじゃないか、と思います。タレの甘味とワインの果実味の相乗を狙い、そしてワインのスモーキーなニュアンスを生かすように、軽く焦げ目をつけて焼く、という感じです。
でも、意外なことにこのワイン、Firadis WINE CLUB30のマリアージュレシピは白身魚の煮付けをおすすめしているんですよねー!
テイスティング動画でも、あの大越ソムリエが「意外と思われるかもしれませんが、お魚の煮付けとの相性が良いんです」と仰っています。
濃いめの赤ワインに煮付けを合わせるなんて、自分には発想すらできない・・・やはり大御所ソムリエは違う!(笑)
これは是非、私も試させていただき、自分の中のマリアージュの引き出しを増やしたいです!
というわけで、今回は『金目鯛の煮付け』を作って実証実験という形にしました。
レシピ:
金目鯛は切り身を使用。しっかりと鱗を取って、内臓周りの余分な箇所などは洗い落としておきます。
皮に切れ目を入れ、熱湯少々をかけて霜降りに。氷水にくぐらせて、キッチンペーパーで水気を拭います。
鍋に酒と水を1:1の割合で魚が被るくらいの量を、砂糖を大さじ2杯入れて沸騰させます。
魚を加えて、でてきた灰汁を取りながら2分くらい煮ます。
醤油、みりん、生姜、長ネギを加えて、落とし蓋をして中火で8分ほど煮れば完成。
ペアリングレポート:
やわらかい煮付けをいただいてから、リオハ・ソトマジョールを一口流し込んでみました。
おおおっ!・・・合うぞ。赤ワインと煮魚が、何の違和感もなく、すんなりと合っている!
ワインを口にした瞬間から「あっ」と思うくらい同調感がありました。
重心の位置がぴったりなんですよね。ワインも煮魚も、お口の中のやや低めのところにおちついて、少し横に広がるような感じです。
また、やはり甘辛い煮汁の味は、ワインのジューシーさを引き立ててくれますし、ワインの中盤からの鉄っぽいミネラル感も、煮魚の旨味を一段押し上げてくれているように感じます。美味しいー!
これは言うことないですね。料理とワインがお互いを引き立て合う、まさにマリアージュです!
というわけで今回は、「大御所ソムリエのおすすめマリアージュに楯突くなど100年早いわ!」という結果に終わりました。(笑)
ちなみに、この時一緒に食べたカツオのタタキとも、このリオハ・ソトマジョール、よく合っていましたよー。鉄分を含むお魚とは相性が良さそうですね。
もっとちなみに言うと、そのタタキで食当たりして、この後ほぼ2日間絶食状態に・・・。
暖かくなってくるこの季節、皆さんもくれぐれもお気をつけて。(泣)
それでは次回もお楽しみに!
今回のペアリングワイン:『ドメコ・デ・ハラウタ リオハ・ソトマジョール』
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