ワインペアリング奮闘記 第115回 モルカ フロール・デ・ゴダ × カポナータ
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『お料理パパのワインペアリング奮闘記』第115回
赤ワインと野菜のペアリングはいかが?
今回の課題は『モルカ フロール・デ・ゴダ』です。
大人気の赤ワイン、シルバー・ラベルを生産するフアン・ヒルが手がける新ブランド「モルカ」のラインナップです。
産地はカンポ・デ・ボルハ、品種はガルナッチャ・ネグラと、フアン・ヒルとは全然異なっていますので、どんな味わいかが気になるところですね。
テイスティング
香りは熟したブルー・ベリー、チェリーのリキュール、満開のバラ、ヴァニラ。
香り豊かで、甘く誘い込まれるようです。
口に含むと、熟した果実の甘やかさが一気に広がっていきます。
一瞬後に爽やかな酸味。こちらも豊かに感じました。
タンニンには厚みがあります。きめは細かく、ヴェルヴェットのような感触ですね。
ミドルまで濃密な果実の印象がしっかりと残り、鼻に抜けていくフレーヴァには複雑な要素を感じます。
アフターにはタールのような大人っぽい苦味が残りました。
全体として、モルカ フロール・デ・ゴダはフローラルな香りと芳醇な果実で、セクシーな印象です。
シルバー・ラベルと比べると、スパイシーな要素は控えめで、ストラクチャもより柔軟で滑らかでした。
合わせる料理『カポナータ』
赤ワインなので、肉料理をイメージされた方が多いと思いますが、今回私が合わせてみたいと思ったのは野菜と果実の煮物。
イタリア・シチリアの郷土料理カポナータです。
色とりどりの野菜やオリーブ、レーズンなどを甘酸っぱく煮た料理ですが、パプリカやトマトの熟した印象や鮮やかなカラーが、果実味たっぷりのモルカ フロール・デ・ゴダに合うのでは、と思いました。
どちらかというと前菜メニューになりますので、お好みでメインにお肉を用意しても良いですね。
レシピ
材料はすべてみじん切りです。
ナスにオリーブオイルをまぶしてグリルに入れ、こんがりと色付くまで弱火で20分ほどローストします。
後で加えますので、火を止めたらナスは待機。
ローリエ、セロリ、パプリカを加え、全体が柔らかくなるまでさらに炒めます。
トマト、レーズン、オリーブ、蜂蜜、赤ワインビネガー、塩を加え、程よく汁気を飛ばすように煮詰めます。
最後にナスを加えて炒め合わせ、味をみて、室温程度まで冷めるのを待ちます。(冷たいのがお好きなら冷蔵庫へ)
器に盛り付けたら、イタリアンパセリをあしらいます。
カリッと焼いたパンにのせて、ブルスケッタ・スタイルでいただきましょう。
ペアリングレポート
【総合評価】 星4つ:★★★★☆ 満足感あり!
【評価ポイント】
○果実を煮詰めた、甘酸っぱさのマリアージュ
○アフターにかけて増していく複雑味
○トーストしたパンと、ワインの樽感の相性
この料理にこのワイン、すごく満足感がありました。お肉、いらないです(笑)
カポナータでメインになってくる野菜類、ナス、トマト、パプリカって、植物的には果実なんですよね。
バルサミコと蜂蜜で甘酸っぱさを補った上にレーズンも加わっていますから、赤ワインに合うのも当然です。
特にモルカ フロール・デ・ゴダのようなジューシーな赤ワインとは相性が良いと思います。
少し焦がしつけたパンに載せ、ブルスケッタ・スタイルでいただくのものポイントの一つです。
赤ワインの樽のロースト感と共鳴して、カポナータ単体で食べるよりも飛躍的に赤ワインとの相性が高まりますよ!
是非お試しください。それでは、次回もお楽しみに(西岡)
今回のペアリングワイン
J.S.A.認定ワインエキスパート 西岡 卓哉
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