ワインペアリング奮闘記 第95回 ドメーヌ・テール・ブランシュ サンセール × カレイの唐揚げ
- 2021.04.23
- ワインペアリング奮闘記
- カレイ, サンセール, ソーヴィニヨン・ブラン, ペアリング, マリアージュ, ロワール, 白ワイン, 白身魚
広大なフランス・ロワール地方の内陸部、ソーヴィニヨン・ブランの聖地と呼ばれるサンセールのソーヴィニヨン・ブラン100%白ワインです。 テイスティング:
グラスに注ぐと輝きがあり、色調はグリーンがかかった淡いイエローです。
香りはフレッシュなグレープフルーツやライムなどの柑橘系フルーツ。ヴェルヴェーヌなどのハーブ。
火打ち石や、チョークのようなミネラリーな香りもはっきりと感じます。
口に含むと、アタックからフレッシュな果実味がぎゅっと詰まっています。ややシャープな酸味がぴりっと舌を刺激して、クリスピーな印象ですね。
ミドル以降は、石を舐めるようなミネラルの硬質な印象。僅かにタンニンもあって、カチッとしたストラクチャの強さを感じました。
アフターはほんのりとした苦味を伴って、心地よい余韻が長く続きます。
香りの要素やミドル以降のミネラルの強さには、サンセールのテロワールや作り手のこだわりを感じることができる、素晴らしい出来栄えだと思います!
合わせる料理:
バランスを考えるとメインの食材は、魚介類を中心として、ライトに仕上げた肉料理までと言ったところでしょうか。
内陸のワインですが、太古は海であった石灰質の土壌からミネラルの印象が強いので、海のものとも相性が良さそうに思います。
シャープな酸味を持つ白ワインなので、味の濃い料理よりは、淡白に仕上げたものが合うでしょう。
クリスピーな印象に合わせて、外側をぱりっと仕上げたり、柑橘の印象に合わせて仕上げにレモンやハーブを添えるのも良いアイデアだと思います。
以上を踏まえて今回選んだ食材は白身魚のカレイ。柚子胡椒の風味の唐揚げにしたいと思います。
『カレイの唐揚げ』で行ってみましょう!
レシピ:
素揚げのししとう、大葉、レモンを添えて出来上がりです。
ペアリングレポート:
表面はカリっとしていますが、中身はしっとり、柔らか。
揚げ物にすることでクセも感じません。レモンを絞って優しくほぐしていただきましょう。
カレイの卵は大事に外して、大葉で包んで食べるのがおすすめですよ。
テール・ブランシュのサンセールとのペアリングですが、文句なく美味しいです!
海の底に生きるカレイのミネラル分が、サンセールの石灰のニュアンスにとてもよく合っていました。
内臓の周りの少し苦味のある部分はどうかなと試してみたのですが、臭みが強調されることも無く好印象でした。
柚子胡椒やレモンとのペアリングもよし、カリッと揚っているヒレをかじりながら白ワインをいただくのも、楽しいです。
また、付け合わせのししとうの青みや苦味も、案外サンセールにマッチしていました。お皿全体として、しっかりワインにペアリングできていると思います。合格でしょう!
今回はヒレグロカレイを使ったのですが、揚げ物にして美味しいお魚なら大体合ってくれるような、懐深さがあるように思います。案外、合わせられる料理の幅は広そうですよ。
暖かくなってくるこれからの季節にぴったりのワインでもありますので、テール・ブランシュのサンセールを是非ご家庭でお楽しみくださいね。それでは次回もお楽しみに!
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